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今後の銀行カードローンはどこに向かうべきなのか?



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2018年の銀行カードローン残高は8年ぶりに減少しました。
昨年来、銀行カードローンに対する批判を受けて銀行協会が各行に自主規制を指示したからです。ただ、国内銀行136行の貸出残高は前年末より0.8%減少しましたが、5兆6,995億円という高水準を維持しています。
それでは、今後の銀行カードローンは一体どこに向かうべきなのでしょうか?銀行カードローンの現状を押えた上で今後の銀行カードローンのあるべき姿を考えます。

 

銀行カードローン、8年ぶり減少 自己破産申し立て増加
https://www.asahi.com/articles/ASM28312NM28UUPI001.html

銀行カードローンに厳しい目 過剰債務、規制強化対策へ自助努力
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190206-00000630-san-bus_all


銀行カードローンの現状

2018年の国内銀行136行の貸出残高は前年末より0.8%少ない5兆6,995億円となり、
2010年末以来の前年比マイナスとなりました。振り返ってみますと、2011年から銀行カードローンが増加トレンドに入ったのは、消費者金融会社などの貸金業者に対して年収の3分の1以下までしか貸せない「総量規制」を導入したからです。
つまり、全く同じカードローンという金融商品ですが消費者金融会社などは「総量規制」で年収の3分の1以下までしか貸せませんが、銀行に対しては「総量規制」がありませんから銀行カードローンが伸びた訳です。

ところが、銀行カードローンは規制対象外であることを利用して過剰融資に走りました。銀行カードローンの現場では年収の3分の1以上の貸付は当たり前で、中には収入の無い人や年金生活者に対するカードローン融資もあったのです。
その様な過剰融資の結果として自己破産件数は2016年から前年比増加に転じ、2016年の伸び率は1.2%増に達し2017年の自己破産申立件数は前年比6.4%増の68,791件に達し2年連続で増えたのです。この2年連続の自己破産件数の増加に対して、批判の急先鋒となったのが日本弁護士連合会でした。2017年4月に日本弁護士連合会は銀行業界に対して「カードローン過剰融資」を控えるように意見書を出しました。
2016年の時点で銀行カードローンに対する風向きは完全にアゲンストになっていましたが、2017年4月の日本弁護士連合会の意見書が決定打になったと考えられます。
これを受けて全国銀行協会は昨春、過剰融資の防止策を講じるよう会員銀行に求め、
昨秋には金融庁が大手行などにカードローン業務に関する検査を行いました。そして、多くの銀行は貸出額を年収の2分の1以下に抑えCMの自主規制を始めています。


銀行カードローンの問題点

つまり、銀行カードローンは金融庁が「総量規制」を導入するのを恐れて、貸出額を年収の2分の1以下に抑えるなどの自主規制を始めているのです。
ただ、そもそもの銀行カードローンの問題点として言えることは、銀行カードローンが消費者金融会社並みの高金利なのに法規制が緩いことです。その象徴が消費者金融会社などに導入されている「総量規制」です。

銀行カードローンの問題点の2つ目は消費者金融会社と同程度の高金利であることです。現在の銀行は超低金利の長期化で貸出金利と預金金利の差の縮小に苦しんでいますが、ほとんどゼロに近い金利で調達した資金をカードローンに於いては平均で10%~15%程度の高金利で貸出しています。
つまり、現在の銀行にとり銀行カードローンは貴重な収入源となっており、金融庁の厳しい指導を受ける中、規制強化を防ぐための自助努力を急いでいる訳です。

銀行カードローンの問題点の3つ目は銀行グループ内での棲み分けができていないことです。例えば、銀行最大手の三菱UFJ銀行を傘下に持つ三菱UFJフィナンシャルグループには、消費者金融会社のアコムがあります。
また、三井住友銀行を傘下に持つ三井住友フィナンシャルグループには、 プロミスをブランド名とするSMBCコンシューマーファイナンスがあります。つまり、同じフィナンシャルグループ内で銀行カードローンと消費者金融会社のカードローンを持っています。その2つのカードローンの商品内容に違いがあるのなら解りますが、同じフィナンシャルグループ内の銀行カードローンと消費者金融会社のカードローンの商品性に違いはありません。

この様に銀行カードローンは以下の大きな問題点を抱えています。
同じ商品でありながら消費者金融会社には「総量規制」が導入され銀行カードローンには導入されていないこと、適用金利などのコンセプトも同じであること、同じフィナンシャルグループ内で銀行と消費者金融会社のカードローンがあることです。
この様ないびつな状況を金融庁は一刻も早くやめるべきです。
そうしなければ、銀行という看板に安心して安易にカードローンに手を出す人は減らないでしょう。銀行カードローンは消費者金融会社カードローンよりも安心と思っている人が多重債務に堕ちいり易いからです。


今後の銀行カードローンのあるべき姿とは?

利用者が銀行カードローンを選ぶ際のポイントは金利・審査融資スピード・口座の有無と言われています。この3つのポイントの中でも、特に、利用者が重視するのは金利と審査融資スピードですが、現在、銀行カードローンは即日融資を自粛していますから審査融資スピードは消費者金融会社には勝てません。したがって、銀行カードローンが利用者に最も訴求できるポイントは金利以外にはありません。
そこで、今後の銀行カードローンのあるべき姿を考えますと、銀行カードローンの金利を引き下げることに行き付きます。

もともと、利用者が銀行カードローンに求めていたのは安全性・信頼感などで、加えて銀行に求めたことはリーズナブルな金利だった筈です。
しかしながら、見せ掛けの銀行カードローンの適用金利消費者金融会社よりも低くなっていますが、実質的な適用金利消費者金融会社と変わりません。
例えば、銀行最大手の三菱東京UFJ銀行カードローンの最低金利は1.8%に対して、
消費者金融会社最大手級のアコムカードローンの最低金利は3.0%です。
しかしながら、両社ともに最低金利が適用されるのは極々一部の優良顧客に過ぎず、
利用額が100万円以下の大部分の顧客の適用金利は15%前後で両社の差はありません。
したがって、今後の銀行カードローンのあるべき姿とは、8%程度の金利で借りることができる健全なカードローンではないでしょうか?
つまり、同じフィナンシャルグループの中に、適用金利8%程度の銀行カードローンと15%程度の消費者金融会社があれば利用者には選択肢が広がることになります。
加えて、金融庁も銀行の業績に配慮する姿勢や政権に忖度するなどの政治的な要因で物事を決めるのではなく、利用者サイドに立った金融行政のかじ取りをするべきです。
金融庁は業界のために存在するのか利用者のために存在するのか、原点に立ち返って欲しいものです。

 

カードローン「キャッシング」の利用者は今後も増加すると考えている
https://www.inabayama.com/entry/2019/01/27/110614