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非弁業者が暗躍・債務整理の弁護士事務所選びは慎重に



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銀行カードローンの貸し出しが増える中で自己破産者が増えており、巷に債務整理が必要な債務者が増えています。言うまでも無く借金の返済に困り債務整理を考える債務者にとり、債務整理の弁護士事務所選びは喫緊の課題です。
要は費用が安くて債務整理手続に精通した腕利き弁護士に頼みたいからです。
しかしながら、弁護士にとって債務整理手続は儲かる仕事ではありませんから、数をこなさなければなりません。その様な状況で生まれたのが弁護士業務を助ける非弁業者です。非弁業者の活動実態と優良な弁護士事務所のシステムについて考えます。


「非弁」業者、全国で暗躍 債務整理で法律業務
https://mainichi.jp/articles/20181209/k00/00m/040/003000c


債務整理の非弁活動とは?

もともと、債務整理は国が認めた借金問題を解決するための手続きですから、資格を持った弁護士や司法書士などの専門家に依頼して解決するのが一般的です。
もちろん、代理人を立てずに債務者自身が業者と和解交渉をしたり、自己破産を裁判所に申請することは認められています。ただ、代理人を立てずに債務者自身が行う場合は、相当な知識と事務手続の手間暇を覚悟しなければなりません。
しかしながら、代理人を立てる場合は、債務整理代理人として国が認めた弁護士や司法書士に依頼しなければなりません。

この様な原則を逸脱する違法な行為が債務整理の非弁活動で、弁護士の名義を利用して利益をあげる「非弁業者」などが暗躍しています。ただ、多くの場合は弁護士の資格の無い者が弁護士を語り詐欺的に活動する訳ではなく、弁護士の名義を利用したり巧妙なシステムを駆使して行う非弁活動が多くなっています。
つまり、現実的には違法でブラックな非弁活動ではなく、巧妙に仕組まれたシステムの中で行うグレーな非弁活動が多いのです。


最近の非弁活動の実例

影響力の大きさで考える場合、最近の非弁活動の疑いのある実例の1つ目として上げなければならないのはネットを利用したシステムです。
例えば、サイトの運営会社が「借金減額診断」の様な無料シミュレーターを運営し、そこで無料診断した人の連絡先を提携している弁護士事務所に知らせるというシステムです。この様なシステムの摘発例として2018年9月20日弁護士法人あゆみ共同法律事務所と、インターネット関連会社HIROKENのケースがあります。
大阪地検特捜部によりますと「広告代理店のHIROKENが弁護士資格のない事務員を報酬目的で派遣し依頼を受けて債務整理業務に従事させた」、「あゆみ共同法律事務所の弁護士も無資格と知りながら事務員らに業務を任せていた」ということで弁護士法違反容疑で家宅捜索を行いました。
また、法律の相談サイトなどを運営するインターネット関連会社HIROKENの提携先の大阪市中央区司法書士事務所も、同容疑で大阪地検特捜部の捜索を受けました。
インターネット関連会社HIROKENは2011年設立で「街角相談所―法律―」というサイトを運営しており、同サイトには「借金減額シミュレーター」があり居住地や借入額などを入力するとあゆみ共同法律事務所などが紹介されシステムでした。
つまり、インターネット関連会社HIROKENが同社サイトの「借金減額シミュレーター」を通じて債務整理を考える人を募り、あゆみ共同法律事務所に紹介するシステムだったと見られます。インターネット関連会社HIROKENには弁護士が在籍していないため、弁護士資格のない事務員らに債務整理などの法律業務を行わせる非弁活動を行ったと見られた訳です。あゆみ共同法律事務所もインターネット関連会社HIROKENには弁護士が在籍していないことを知りながら、依頼者勧誘の仕事を丸投げし報酬を支払っていたと見られました。

そして、非弁活動の疑いのある実例の2つ目としては、独立直後で運営に困る若手弁護士らが狙われ法律事務所が実質的に乗っ取られるケースも見られます。
これらのケースでは勧誘の仕組みが巧妙化しており弁護士会が非弁業者の手口を会報で特集して注意を呼び掛けるほどで、弁護士法は弁護士の名前や判子を貸し出し事件処理をする非弁業者に仕事を丸投げして報酬を分ける行為に警告を与えています。

非弁活動の疑いのある実例の3つ目は一般の弁護士事務所の活動の中に見られる行いです。通常、弁護士は債務整理案件については複数の案件を同時に受け持ちます。
中には20件~30件の債務整理案件を同時に受け持つこともあるのです。
一つ一つの債務整理手続の報酬が少ないため多くの案件を同時に受け持つ必要がある訳です。その結果、当然のことながら弁護士一人で処理できる筈もなく、多くの弁護士事務所では司法書士パラリーガルなどの事務員がチームを組んで対応します。
従って、パラリーガルなどの事務員が本来、弁護士が行うべき仕事を行う場合があるのです。


事務職員は債務弁済交渉や和解交渉をしても良いのか?

債務整理を弁護士事務所に依頼した場合の一般的な対応は以下の通りです。

①電話無料相談  パラリーガルなどの事務員
②メール相談   パラリーガルなどの事務員
③面談相談    パラリーガルなどの事務員
④委任契約    弁護士+パラリーガルなどの事務員
⑤交渉手続    弁護士+パラリーガルなどの事務員
⑥依頼者への連絡 パラリーガルなどの事務員

上記の④委任契約の場には担当弁護士が出てきますが、多くの場合、最初から最後まで弁護士が立ち会う訳ではありません。前後の説明や事務的な処理についてはパラリーガルなどの事務員が行っています。
また、⑤交渉手続についても業者などへの受任通知は弁護士名で行われますが、実際の交渉はパラリーガルなどの事務員が行う場合が多くなっています。例えば、任意整理の和解交渉に於いては、業者とのやり取りはほぼ定型的な事務処理が行われますので多くの事務所で事務員が対応をしています。
また、自己破産手続に於いても2回程度の裁判所への対応は弁護士が行いますが、それ以外の依頼者へのヒアリング・業者への調査・裁判所申請書類の作成などは全てパラリーガルなどの事務員が行っています。


優良な弁護士事務所のシステムとは?

それでは債務整理に於いて優良な弁護士事務所のシステムとは、一体、どんなシステムを考えれば良いのでしょうか?やはり、優良な弁護士事務所のシステムとは、あくまで弁護士の指示のもとパラリーガルや事務員が動くシステムでなければなりません。
つまり、パラリーガルや事務員は弁護士のメッセンジャーとして、時には弁護士のいない場所で説明や交渉を行いますが、パラリーガルや事務職員がするのは交渉ではなく弁護士の方針を伝えることまでということになります。また、相手の主張を聞いて正確に弁護士に伝えることです。
従って、パラリーガルや事務職員が自分の判断で行動することが無い様に、常に心がけ気を付けることが重要です。また、顧客獲得の手段として弁護士事務所が外部に丸投げする様なシステムは、いずれ弁護士事務所の評判を落とすことになりかねません。

依頼者の立場で言えることは、その様な外部のシステムに依存している弁護士事務所は避けた方が良いということは間違いありません。
弁護士事務所に電話して最初にパラリーガルや事務職員が電話に出るのは仕方ありませんが、場合によっては直ぐに弁護士が電話に出られる様な事務所が好ましい事務所であり、特に、債務整理手続に適した規模の弁護士事務所と言えるのではないでしょうか?

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