借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

漂流する地方銀行カードローンは一体どこに向かおうとしているのか?



↑ブログランキング参戦中!順位をチェックしてみる

銀行経営が悪化しています。
長引くマイナス金利政策で銀行の本業である貸付の収益が悪化しており、加えて企業は設備投資の意欲に乏しく企業に対する融資は頭打ちです。また、個人に住宅ローンを貸しても取れる金利は1%程度と薄利多売のビジネススタイルです。
この様な状況の中で規模のメリットや各種手数料収入に勝る大手銀行はまだましですが、地方銀行の3割は赤字経営体質が常態化しています。その結果、カードローンへの依存を深める地方銀行が多いのです。
しかしながら、2018年初頭から銀行カードローンは自主規制を強めています。この様に漂流する地方銀行カードローンですが、今後、一体どこに向かおうとしているのでしょうか?


カードローンの収益に依存せざるを得ない金融機関の内情
https://www.moneypost.jp/406534
一般人が預金も下ろせない銀行の画一的対応
http://news.livedoor.com/article/detail/15802083/


大半の地方では地方銀行の経営そのものが成り立たなくなる

昨年、IMF国際通貨基金)のブログサイトに掲載されたレポートが衝撃的でした。
日本の金融システム調査のために来日したIMFエコノミスト地方銀行の状況について調査を行い、一部の地方銀行は今後、20年間で預貸率が今より40%低下する可能性があると指摘しました。
銀行の預貸率とは集めた預金のうち何%が融資に回っているのかを示す指標のことですが、現在、地方銀行の預貸率はおおよそ70%程度となっており既に預金の3割が余っている状態です。この預貸率がここから40%低下するということになると70%の40%なので最終的には30%まで預貸率が落ち込む計算になり、仮に預金を集めることができたとしてもその3割しか貸付けできなくなることを意味しています。
つまり、地方の大半の地域では融資先が消滅し、地方銀行の経営そのものが成り立たなくなることになります。

ただ、地方銀行の中でも首都圏に位置する横浜銀行千葉銀行新銀行東京などの地方銀行や、近畿圏の京都銀行関西アーバン銀行や好調な景気が続く福岡圏の福岡銀行などはこの限りではありません。
本当に苦しいのは上記以外の地方銀行であり、それらの地方銀行にとっては住宅ローンの10倍以上の金利が取れるカードローンは手っ取り早く稼げる収益源なのです。
こうした事情は特に過疎地を抱える地方銀行や信用金庫でより顕著です。


金融庁調査の結果

2018年に入り金融庁メガバンク3行を皮切りに、地方銀行に至るまでカードローンについての金融調査を行ってきました。その結果によりますと、まず、融資上限枠については、融資上限枠を設定している銀行は5割にとどまっていたということです。
つまり、消費者金融会社の融資上限枠が貸金業法の総量規制で年収の3分の1までに制限されているのに対して、半数の銀行は融資上限枠を設定しておらず実質青天井だったということになります。
また、驚くべきことに他行カードローンを勘案していない銀行や貸金業者貸付を勘案していない銀行、加えて他行カードローン及び貸金業者貸付のいずれも勘案していない銀行が未だ存在していたことです。
つまり、申込者の他社借入の実態を全く把握しないで審査していた訳です。
さらに、問題なのは銀行自ら審査モデル(スコアリングモデル)を構築して与信審査を行っている銀行は、全体の1割強に過ぎなかったということです。
したがって、大多数である9割ほどの銀行は保証会社のスコアリング審査に依存し、銀行自ら審査モデル(スコアリングモデル)を構築して審査することを放棄していました。

この様な金融庁の実態調査から見えてくるのは、一部の地方銀行にはカードローン等個人向け無担保ローンを取り扱う資格はないということてす。
何故なら現在の銀行のカードローンは個人の信用力を正しく評価出来ていない可能性が高いので、今後、特に地方銀行でカードローンの返済不能に陥る人が増加するのは間違いないからです。


地方銀行カードローンは一体どこに向かおうとしているのか?

ここまで述べてきました様に現在の銀行カードローンには問題が多く残っており、特に、地方銀行のカードローンについては審査の体制にも不備があるという根本的な問題を抱えています。ただ、金融庁としては直ぐに地方銀行からカードローンという商品を取り上げると、直ぐに地方銀行の経営にも悪い影響を与える恐れもありますので動きたくとも動けない状況です。
そこで、考えられるのは銀行のカードローンのような分野には、他業態からの新規参入のチャンスがあると考えられることです。例えば、株式会社みずほ銀行50%とソフトバンク株式会社50%の出資で設立された株式会社J.Scoreは、AIスコア・レンディングという新しい考え方に基づいた審査によるカードローン融資を行っています。
このAIスコア・レンディングとはAIを活用して算出したスコアの水準に基づき、金利・極度額といった条件の参考値を提示する個人向け消費性融資サービスで日本初のサービスということです。この国内初のスコア・レンディングサービスはスマートフォンだけで手続きが完結する便利なサービスで、年率0.8%~12.0%の金利で10万円~1,000万円までのカードローン融資を受けることができます。
果たして、どの程度のレベルの人が5%以下の有利な条件で融資されるのかは未知数ですが、現在の地方銀行の様に審査を消費者金融会社系列の保証会社に丸投げするのは全くコンセプトが異なります。
今後、銀行カードローン自粛の長期化を受けて、この様な業態がカードローン分野に参入してくることは間違いのないことです。したがって、地方銀行としては地域経済に貢献する銀行と言う本来の目的に立ち返り、地域としての特色が見えるカードローンを目指して欲しいものです。或いは、カードローン分野からはキッパリと足を洗い、新たな収益源を見つけた方が賢明と言えます。


銀行にカードローンを取り扱う資格はあるのか~実態調査結果~
https://www.financepensionrealestate.work/entry/2018/08/24/210300