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自己破産経験者が語る・自己破産後の生活への影響



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巷では自己破産手続の手順や自己破産手続による主なペナルティーなどの情報は、ネットや書籍でいつでも目にすることができます。特に、弁護士事務所や司法書士事務所の広告活動が認められてからはなお更です。

一方で、自己破産後の破産者の生活に関する情報は意外に少ないのが現実です。
そこで、自己破産経験者から自己破産後の生活について聞いてみました。


自己破産の手続きをするとどんな生活が待っているのか?
https://www.moneypost.jp/265411


増える自己破産者数

 

2003年をピークに2015年までの自己破産者数は減少していましたが、2016年以降の自己破産者数は再び増加トレンドに入っています。振り返りますとバブル崩壊後の1990年代前半から自己破産者が増え続け、2003年(平成15年)にピークを迎えましたがその後は少しずつ減っていました。ところが、2016年に13年ぶりに自己破産者数は増加に転じ、各界で大きな話題になっています。

2006年に改正貸金業法が成立し2015年まで自己破産者数は減りましたが、早くも改正貸金業法の弊害が出て来た感じです。2010年以降は消費者金融会社の貸付残高は減少傾向にありますが、代わりに銀行カードローンの貸付残高が大幅に増えています。
改正貸金業法の総量規制で消費者金融会社や貸金業者のカードローンを規制した一方で、銀行カードローンは総量規制の対象外としたことが銀行カードローンの貸付残高が大幅に増えた要因です。つまり、銀行カードローンは総量規制に縛られた消費者金融会社をしり目に、倫理を無視した悪質な融資姿勢で貸付残高を大幅に増した訳です。
その結果、2016年に13年ぶりに自己破産者数が増加したことで銀行の過剰融資が問題視されました。現在の銀行カードローンは自主規制で即日融資や無理な営業を控えていますが、自己破産者数の増加トレンドに変化はない様です。

参考までに2015年以降の自己破産者数の推移は以下の通りです。
2015年(平成27年) 63,805件
2016年(平成28年) 64,637件
2017年(平成29年) 68,791件


自己破産手続による主なペナルティー

 

自己破産者の破産後の生活を考える上で、まず、自己破産手続による主なペナルティーを考えてみます。自己破産手続によるペナルティーには様々なペナルティーがありますが、今回は自己破産後の生活に影響のないペナルティーと影響を与えるペナルティーに分けて考えてみます。
まず、自己破産後の生活に影響のないペナルティーの1つ目は、自己破産した事実が国が発行する官報に記載されることす。しかし、普通の人が毎日官報を見ていることはありませんから、あまり影響のないペナルティーと言えます。

自己破産後の生活に影響のないペナルティーの2つ目は、自己破産の手続き開始から免責の決定までの数か月間は職業によって就業制限があり、弁護士などの士業や警備員や保険外交員などの仕事が一時的にできなくなります。ただ、それらの仕事が一生できなくなる訳ではありませんから、こちらもあまり影響のないペナルティーと言えます。

一方で自己破産後の生活に影響を与えるペナルティーの1つ目は、自己破産を行ないますと各個人信用情報機関に自己破産の事実が登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になります。したがって、自己破産者はクレジットカードやカードローンを組めないばかりか、住宅ローンなどの各種ローンも審査をパスできません。
通常、各個人信用情報機関の情報は5年間は消えませんから、自己破産の信用情報が登録されている限りクレジットカードや各種ローンを組めません。
ただ、クレジットカードの場合はスーパー・デパートなどのカードは、自己破産から3年程度で審査をパスしたという話を聞きます。

自己破産後の生活に影響を与えるペナルティーの2つ目は、自分自身の個人的な信用を失ったことです。自己破産した事実を全く誰にも話していなければ別ですが、通常、時間を掛けて親しい人から順に自己破産した事実が噂話しの様に伝わっていきます。
数年後に「どうして貴方が知っているの?」と思う様な特に親しくない友人から、「頑張ってね」などと言われたりします。また、それまで声が掛かっていた友人から連絡が来なくなったり、呼ばれなくなったりします。
それらの事により徐々に自信を失う人が多く、自己破産後の生活に影響を与える目に見えないペナルティーとしての影響は少なくありません。


経験者が語る自己破産後の生活

 

一般的にネットや書籍で言われている自己破産後の生活については、事実もありますが誤解や誤認も少なくありません。確かに自己破産後の生活を自己破産の経験者に言わせますと、いくつかの制限や不便な点があることは間違いはありません。
また、自己破産で一旦、借金をリセットしながら、再び借金生活に逆戻りした人の話や2度目の自己破産の話しが無い訳ではありまん。
しかしながら、大部分の自己破産者は堅実な生活を送っていると言えます。そこで、以下で項目別に自己破産の影響とその後の生活について紹介していきます。


自己破産で仕事はどうなるのか?

 

通常、自己破産することで仕事への影響はありません。そもそも、本人が自分から言わない限り、職場が自己破産したという事実を知る機会は殆どありません。
また、自己破産により退職する必要もなければ、会社側が自己破産したことを理由に社員を解雇することもできません。ただし、上記の自己破産手続による主なペナルティーで述べましたが、自己破産の手続き開始から免責の決定までの数か月は職業によって就業制限があり、弁護士などの士業や警備員や保険外交員などの仕事が一時的にできなくなります。したがって、これらの職業に従事している方は、一時的に休職する必要が出てきます。

ただし、自己破産することが仕事に影響を与えることは無いとはいえ、銀行や証券会社などの金融機関の場合は若干事情が異なります。もともと、金融機関はお金を取り扱う仕事ですから、特に、管理職などの場合は自己破産した事実が会社の評価に影響を与える可能性があります。
また、これらの会社の中には官報で自己破産者を確認している場合もあり得ます。
したがって、金融機関の社員が自己破産した場合、自己破産の事実を会社側に伝えるべきか否かは非常に微妙な問題と言えます。

さらに、自己破産後に就職する場合の就職への影響ですが、若干、影響を与える可能性が考えられます。上記の金融機関などに就職する場合、会社によっては身辺調査をする場合があります。この身辺調査で個人信用情報機関に調査を依頼する場合がありますから、個人信用情報機関に調査を依頼すると自己破産の事実が直ぐに判明します。また、就職活動の際の履歴書に自己破産の事実を記載するのか否かも悩ましい問題です。
履歴書には賞罰欄という項目がありますので、自己破産の事実は記載しなければならないのかは微妙な問題です。何故なら、自己破産は刑事罰ではありませんから、他者にわざわざ公開する必要はありません。
ただ、わざわざ自己破産歴を記載する必要はないのですが、先方から聞かれた場合には答える必要があると言えます。


自己破産は住民票や戸籍に記載されるのか?

 

まず、ここで最初に明確にしておきたいことは、自己破産の事実が住民票や戸籍に記載されることはありません。したがって、自己破産手続の後に住民票や戸籍謄本を取った場合でも、自己破産の事実が住民票や戸籍謄本に記載されることはないということです。

ただし、本籍地となっている市区町村役所では破産者名簿を管理しています。
この破産者名簿とは自己破産手続開始決定を受けたあとに免責許可決定(借金免除の決定のことです)がされない場合にのみ、裁判所から破産者の本籍地に通知され記録されるということになっています。したがって、免責決定を受けた大部分の自己破産者は破産者名簿に掲載されることはありません。
もともと、自己破産すると裁判所から破産者の本籍地(市区町村)へ通知がなされ、
通知を受けた役所は破産者名簿に破産者の氏名や住所を記録していました。
しかしながら、平成17年に破産法が改訂されたことで、破産手続開始決定を受けたあとに免責許可決定(借金免除の決定のことです)がされない場合のみ、裁判所から破産者の本籍地に通知されるということになりました。
このことが、未だに自己破産すると市区町村役所の破産者名簿に掲載されるとか、住民票や戸籍に記載されるという誤解を生んでいると考えられます。また、自己破産すると官報に掲載されますが、このことが破産者名簿に混同されているのかもしれません。
いずれにしても、最近は役所の個人情報の管理は徹底していますから、弁護士が正式な手続を踏まない限り住民票さえ見ることもできません。


自己破産で家族への影響はあるのか?

 

この点についても最初に明確にしておくとすれば、自己破産が家族や親戚縁者に経済的な影響を与えることはありません。ただし、連帯保証人になっている場合はその限りではありません。したがって、連帯保証人になっていなければ夫の負債を妻が肩代わりする必要もなければ、子が親の負債を肩代わりする必要も全くありません。

しかしながら、自己破産のケースではありませんが、債務者が借金を抱えたまま亡くなった場合は債権者が被相続人に対して請求することができる様になります。
例えば、夫が借金を抱えたまま亡くなった場合に、債務者は被相続人である妻や子供に夫の債務の請求することができる様になります。これを免れるためには被相続人相続放棄しなければなりません。


経験者が語るその他の自己破産の影響

 

上記の項目以外の自己破産の影響として質問が多いのは、賃貸アパート・マンションへの入居や携帯電話の契約についてです。この点についても最初に明確にしておくとすれば、自己破産することで賃貸アパート・マンションへの入居や携帯電話の契約に悪影響が出ることは有り得ません。

ただし、盲点と言えるのは賃貸アパート・マンションへの入居や携帯電話の契約に際して、クレジットカードを使う契約にした場合にクレジットカード会社の審査にパスできないことが考えられます。例えば、賃貸アパート・マンションの家賃をクレジットカード引き落としにした場合や、携帯料金の支払いにクレジットカードを利用する場合も同様です。
つまり、自己破産は賃貸アパート・マンションへの入居や携帯電話の契約に影響を与えませんが、家賃や料金の支払いにクレジットカードを利用する契約にすると、クレジットカード会社の審査にパスできない場合があるということです。
これらの点を認識していなければのちのち嫌な気分を味わうことになってしまいます。


あっけなく貧困に落ちる日本人の危うい立場
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181102-00245482-toyo-bus_all