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追い付められる銀行カードローン



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銀行カードローンの貸し倒れがメガバンクの火種になりつつあります。
カードローンの返済を保証するノンバンク大手3社の貸倒関連費用は2017年度に約1400億円と前年度から13%も増え6年ぶりの高水準になりましたが、それらのノンバンク大手保証会社はメガバンク3行のフィナンシャルグループの傘下に入っています。
つまり、銀行カードローンの借り過ぎで返済に窮する事例が増えており、返済に窮した顧客が自己破産手続や個人再生手続を経てノンバンク大手3社の貸倒関連費用を増やしているという構図です。ここに来ていよいよ銀行カードローンは追い付められてきました。


カードローン メガ銀の火種に 保証会社の貸倒費用13%増 
過去の融資が焦げ付き
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32006110Q8A620C1EE9000/


銀行カードローン貸倒関連費用は6年ぶりの高水準

 

メガバンクメガバンクを傘下に持つフィナンシャルグループは系列にノンバンク大手の保証会社を持っています。三菱UFJフィナンシャルグループはアコム三井住友フィナンシャルグループSMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス)、みずほ銀行オリエントコーポレーションに49%出資し持ち分法適用会社にしています。
つまり、アコムSMBCコンシューマーファイナンスオリエントコーポレーションは、メガバンク3行のカードローンの保証だけでなくメガバンクに親しい地方銀行のカードローンの保証も行っています。

それらの銀行カードローンの返済を保証するノンバンク大手3社の貸倒関連費用は、
2017年度に約1400億円と前年度から13%増え6年ぶりの高水準になっています。
つまり、メガバンクのカードローンや地銀のカードローンの貸し倒れが増えていることを意味し、相対的に高い金利で融資するカードローンはメガバンクの業績を下支えしてきましたが一転して業績の重荷になる可能性が見えて来たのです。
もともと、銀行カードローンは年率2~14%程度で利用者に融資し保証会社に手数料を払って返済を保証して貰いますが、顧客が返済できなくなれば保証会社が弁済する仕組みです。
ところが、メガバンクは保証業務を手がけるノンバンクをグループに抱えており、カードローンの焦げ付きはフィナンシャルグループの連結決算にはね返ります。特に、メガバンクグループだけでなく地銀などのカードローンを保証した分が焦げ付いているのも大きな問題点です。
銀行全体のカードローンの融資総額は約6兆円弱とこの8年で8割増えています。したがって、ノンバンク大手3社の貸倒関連費用増加のトレンドは、今後、ますます増えるのではないでしょうか?なぜなら、あるノンバンク幹部に言わせると「残高が伸びるにつれ顧客層が変化してきた」ということで、銀行の顧客に加えて貸し倒れリスクが高い低年収層への融資が最近、増えているということだからです。
したがって、今後、各メガバンク系のフィナンシャルグループは大幅に引当金の積み増しを迫られそうです。


メガバンク傘下の保証会社が保証する銀行カードローン

 

三菱UFJフィナンシャルグループ傘下のアコムアコムの子会社エム・ユー信用保証は、以下の銀行カードローンの保証を行なっています。
三菱東京UFJ銀行千葉銀行武蔵野銀行百五銀行十八銀行セブン銀行中京銀行第三銀行じぶん銀行北海道銀行山形銀行
岩手銀行群馬銀行足利銀行常陽銀行北陸銀行八十二銀行十六銀行南都銀行伊予銀行宮崎銀行
また、三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBCコンシューマーファイナンスは、
以下の銀行カードローンの保証を行なっています。
三井住友銀行北陸銀行住信SBIネット銀行北洋銀行きらやか銀行福島銀行横浜銀行東和銀行長野銀行北越銀行福井銀行大垣共立銀行みなと銀行愛媛銀行福岡銀行沖縄銀行
さらに、オリエントコーポレーションみずほ銀行のカードローンの保証を行なっています。


大手フィナンシャルグループが消費者金融会社や保証会社を傘下に持つのが間違い

 

当欄では以前から銀行法金融商品取引法の精神に照らすと、それらの法律で規制される銀行が無担保カードローンを持つことには問題があると指摘してきました。
金利の無担保カードローンの様な金融商品貸金業法で規制されるノンバンクに任せるべきで、銀行の個人向け融資は住宅ローンや教育ローン・カーローンなどの資金使途が限定されたローンに特化するべきでした。
昔、銀行カードローンが登場した1970年代末頃は、銀行カードローンと消費者金融会社のカードローンの金利は明らかに違いました。銀行カードローン金利は10%前後だった頃、消費者金融会社カードローン金利は20%前後だった筈です。
ところが、少しづつ金利差が無くなり、現在、実質的には全く同じ金利となっています。銀行カードローンの下限金利は低く設定されていますが、殆ど適用されない見せかけの金利となっています。

加えて、大手フィナンシャルグループが消費者金融会社や保証会社を傘下に持つのも同様に間違いです。大手ノンバンク系列のフィナンシャルグループの中で、特に、三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループは、消費者金融会社の経営難に付け込んで大手消費者金融会社のアコムとプロミスを傘下に収めました。
無担保カードローン分野の与信ノウハウの吸収が目的だったと考えられますが、この様な事業方針が今後は大手フィナンシャルグループの業績の足かせになってくると考えられます。
大手フィナンシャルグループは大手フィナンシャルグループにしかできない様な、新たなコンセプトのカードローンを開発して貰いたいものです。例えば、限度額が50万円以内で金利は10%以下の銀行カードローンがあれば、健全なカードローンとして利用が増えるのではないでしょうか?

池田泉州銀行の運用失敗は地銀共通の問題~2018年3月決算分析~
https://www.financepensionrealestate.work/entry/2018/06/19/201933