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ケーススタディ・自己破産すると賃貸契約や雇用契約はどうなる

一般的に自己破産についての知識や自己破産のペナルティーについては相当、認知されてきました。ところが、当事者から見た自己破産の具体的な影響などについては、余り理解が進んでいない様に感じます。例えば、自己破産した場合の賃貸契約や雇用契約はどうなるのかです。そこで、とりあえず本項では自己破産した場合に於ける、これらの2つの契約に対する影響を考えます。


借主が「自己破産」したら大家はどうなる?ー契約や滞納についての注意点ー
https://www.kenbiya.com/ar/cl/izumi/18.html


自己破産した場合に賃貸契約はどうなるのか?

 

実は平成16年に改正される前の民法では「 借主が自己破産した場合には契約期間内であったとしても、貸主は解約の申入れをすることができる 」と規定されていました。( 旧民法621条 )
そのため貸主から賃貸借契約の解約をすることが可能でした。しかしながら、平成16年の法改正により上記の旧民法621条は廃止され、現在では借主が自己破産したことを理由に貸主が賃貸借契約の解約を申し入れることはできません。
そもそも、現在では借主が自分から言わない限り貸主が借主の自己破産の事実を知ることは無いと考えられますので、現実的に自己破産が原因で賃貸契約が解約されることは考えられません。

ただ、自己破産手続で破産管財人が立てられた場合は事情が異なります。自己破産手続に於いて破産者に何らかの財産が残っている場合は破産管財人が立てられ、破産管財人が破産者の財産を管理することになります。つまり、破産管財人が賃貸借契約が今後も借主の生活や仕事に必要不可欠か等を考慮して賃貸借契約を継続するか、あるいは解除するかを選択することになります。したがって、このケースでも借主が自己破産したことを理由に貸主が賃貸借契約の解約を申し入れることはできません。

一方で多くの自己破産手続の場合は破産管財人が立てられません。多くの破産者は全く財産を残していないケースが殆どで破産管財人は必要ないのです。したがって、この様なケースでは自己破産者自身が賃貸借契約をどうするかを決めることになります。
自己破産者(賃貸人)が遅滞なく家賃を納めている限り、通常のケースと同様で賃貸借契約が解除されることはありません。


自己破産した場合に雇用契約はどうなるのか?

 

それでは自己破産した場合に雇用契約はどうなるのでしょうか?既に、様々なサイトや本で指摘されていますが、自己破産のペナルティーとして一部の職業に就業制限が掛かります。ただ、一般の給与所得者や公務員・自営業者・契約社員・アルバイトなどの仕事については、裁判所が勤務先の会社に本人が自己破産したことを通知したりはしませんから勤務先に自己破産がバレることはありません。
仮に、自己破産をしたことが会社に知られてしまったとしても法律上、自己破産は解雇理由にはなりませんから、自己破産を理由にクビにすることはできません。
ただし、銀行や生命保険会社の管理職が自己破産を会社に知られてしまい、居づらくなって退職に追い込まれることは十分に考えられます。

もともと、自己破産をすると国が発行している官報に氏名・住所が記載されますので、
一部の金融機関などがチェックしている場合があり得ます。ただ、大部分の民間会社はいちいち官報などは見ていませんので、仮に自己破産しても全く心配する必要はないのです。多くの場合は破産者自身が同僚などに自己破産の事実を打ち明けると、社内にパッと噂が広がり居づらくなるなどのケースの様です。
したがって、自己破産した場合の雇用契約への影響については、一般の給与所得者や公務員・自営業者・契約社員・アルバイトなどについては全く影響はありません。
他の任意整理や民事再生などの債務整理手続についても同様ですが、自己破産のペナルティーとして一部の職業には就業制限が掛かります。


休職か退職を余儀なくされる職業とは?

 

自己破産のペナルティーとして一定の期間、以下の士業や会社の役員・生命保険募集人・警備員など、一部の職業に必要な資格を制限されたり就業できない職業があります。これらは国家資格が必要な職業かそれに準じた専門的な知識を必要とする職業、および公証人・国家公安委員・公正取引委員・教育委員など公共性の高い職業などです。

弁護士
司法書士
弁理士
税理士などの士業
公証人
国家公安委
公正取引委員
教育委員
証券外務員
証券会社の役員
信用金庫役員
日本銀行役員
貸金業務取扱主任者
旅行業務取扱管理者
生命保険募集人
損害保険代理店
警備員
質屋
風俗営業所管理者

ただし、自己破産のペナルティーとして上記の職業に一生、就けない訳ではありません。具体的に就業が制限される期間は裁判所に自己破産の申し立てをしてから、免責許可決定となり免責が認められ借金が無くなるまでの期間を意味します。
通常の自己破産手続に於いては3ヶ月から半年程度の限定的な措置と言え、自己破産の手続きが終われば当然に就業・資格制限はなくなります。

それでは上記の職業に就業している時に止む無く自己破産に至った場合は、どの様にしたら良いのでしょうか?自己破産のペナルティーは3ヶ月から半年程度の限定的な措置ですから、そのために上記の資格を無にしてしまうのは余りに勿体ない話です。
また、自己破産の後の人生を考えると持っている資格を生かし、残りの人生に再チャレンジしたいところです。したがって、短絡的に退職を選ぶよりも、何らかの理由を見つけて休職などの道を選ぶのが現実的と考えられます。


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