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去年から今年に掛けて銀行ローンが増えている人は危険信号と考えた方が良い

ここ数年の銀行のドル箱商品はカードローンとアパートローンで、いずれも個人向けのローン商品でした。企業の金余りとゼロ金利政策の影響で大企業向け融資が伸び悩み銀行業界に於いては、個人向けのカードローンとアパートローンは数少ない儲かるビジネスだったのです。ところが、この2本柱が今年に入り急ブレーキの様相です。
今後の銀行経営が危ぶまれるところですが、もっと心配なのは去年から今年に掛けて銀行ローンを増やしている個人顧客のふところ具合です。カードローンを増やしている人は背景に関係なく危険なのは言うまでもありませんが、去年から今年に掛けてアパートローンを増やしている人にも危険信号が点滅しています。


カードローン、伸び率は低下傾向 全銀協調査 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30463750U8A510C1EE9000/


伸び率が急ブレーキの銀行カードローン

 

全国銀行協会は毎月、カードローン残高を公表していますが、この1年でカードローンの伸び率が低下傾向にあることが分かりました。5月のカードローン残高は4兆4,361億円で昨年4月比で3%弱増加ですが、前月比では0.2%増に留まっています。
つまり、昨年4月比では3%弱増加している訳ですが年度末にかけて需要が増えた影響が大きく、直近6カ月間は全体で1%を下回る低い伸び率の状態が続いています。
今年に入り無担保で使い道が自由な銀行カードローンは緩い審査が利用者の返済能力を上回る過剰な融資につながっているとの批判が出ており、全銀協などが過剰融資の抑制に向けて審査の厳格化や広告の抑制を申し合わせたことなどが影響したとみられます。
具体的には全銀協が広告抑制などを申し合わせたほか、3メガ銀行や一部地銀が融資額を利用者の年収の2分の1や3分の1までとする自主ルールを導入しています。
したがって、この時期に銀行カードローンの残高が増えている個人顧客は、自分自身に対して危険信号が点滅していると考えた方が良さそうです。
 

アパートローンは昨年から急減している

 

一方、銀行ローンのもう1つのドル箱商品であるアパートローンは既に昨年から急減しています。日銀によりますと平成29年7~9月期のアパートローンの新規融資額は20.5%減の8,591億円で、同年1~3月は0.9%減・翌4~6月期は14.4%減と時間の経過とともにマイナス幅が拡大している状況です。
この様なアパートローンの減少は貸家の新設着工戸数にも影響し始めており、平成29年11月の貸家着工は前年同月比2.9%減の7,508戸と6カ月連続で前年同月を下回っています。振り返ってみますとアパートローンの新規融資額は平成27年1~3月期に7.9%増となったのを皮切りに8四半期連続で前年超えを続け、中でも平成28年4~6月期には26.1%増という高い伸びを記録していました。
その結果、アパートローンの貸出残高は地銀を中心として高止まりしており、全国銀行協会によりますと全国116行の平成29年10月末の残高は22兆6,093億円に上り、このうち地銀105行は14兆4,693億円と6割超を占めています。

この様なアパートローンの急ブレーキは需要縮小は勿論ですが、過剰な融資を懸念した金融庁が監視を強化したことに加え相続税対策としての需要が一巡したため融資が減ったとみられます。もともと、平成27年税制改正相続税増税となりましたが、アパートを建設すると節税できる場合があり借り入れてアパートを建設する人が増加しました。ただ、貸出残高は地方銀行を中心に高止まりしており金融庁は引き続き警戒している状況です。


銀行がアパートローンに傾注する背景

 

ここ数年の銀行経営は貸出金のボリュームが伸びず、貸出金利も低下傾向が続く中で厳しい経営状況が続きます。3メガバンクの親会社でる各フィナンシャルグループに於いては、メガバンクの他に証券会社やクレジットカード会社などもあり何とか横這い経営を続けています。
しかしながら、メガバンクの他に他部門での収益増が見込めない地方銀行は、貸出金利の高いアパートローンを増やすしかなかったという事情があるのです。ただ、急増するアパートローンを金融庁が問題視している様に、空室発生や賃料低下のリスクを借り手が十分理解していない状況があります。特に、一部の地方銀行では不動産デベロッパーと結託しアパートローンを伸ばしている現状があります。


見えないアパート経営のリスク

 

不動産デベロッパーでは空室発生リスクに対して家賃保証することで対応していますが、大部分の家賃保証は2年で契約更改するスタイルです。つまり、現実的に2年間は家賃が保証されますが、2年後の家賃は引き下げられる可能性も十分にあるのです。
そもそも、人口減少社会に突入している我が国に於いて、既に平成25年度の全国空き家件数は5年前に比べて約60万戸増加して820万戸に達しており、全国の空き家数は2033年に2,150万戸へ大幅に増加し空き家率は何と30.2%に上昇すると見られています。
つまり、これから大幅に空き家や空きアパートが増える訳ですから、ユーザーの立場で見ると全体の家賃相場は上昇し難いと誰もが予想するでしょう。
その中で一部の新築物件は人気の対象になるとしても、5年~10年経過した古いアパートは見向きもされなくなるかもしれません。また、既に全国地方銀行協会の佐久間英利会長(千葉銀行頭取)は平成29年11月の記者会見で、「地価が上がって採算のとれるアパートが少なくなった」と述べ需要が頭打ちとなっている可能性を示唆しています。
堅実経営を行なう銀行は既に数年前からアパートローンから手を引いている現状が見えてきます。


一方でスルガ銀行の様な積極融資の地銀もある

 

アパートローンとは少し違いますが、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズの経営破たんが波紋を広げています。
スマートデイズは4月9日に東京地裁民事再生法の適用を申請しましたが、結局、同地裁から棄却され破産手続に移行しました。
同社の民事再生法の申し立て書類によりますと、負債総額は60億3,500万円で債権者は911人・物件のオーナーは675人ということです。スマートデイズは「頭金なしで投資ができ30年間家賃収入を保証」を謳い文句に会社員らをオーナーとして勧誘していましたが、実際には入居者を確保できずオーナーへの家賃の未払分は23億円に達していました。

一方でそのオーナーたちに積極的に融資してきたのがスルガ銀行横浜東口支店で、スルガ銀行は1棟で平均1億円の土地・建物の購入資金を約700人のオーナーに融資し融資総額は1,200億円に上るとされます。
既に「かぼちゃの馬車」の破綻で家賃収入がなくなったオーナーのなかには、借金を苦に自殺した人や自己破産を申し立てた人も出ています。これだけでも大変な問題ですが1,200億円の融資の中に不正融資がある疑いが浮上しています。
不正融資の手口は銀行の通帳のコピーなどの改竄や源泉徴収票の写しなどを偽造して年収を水増しし、実質、自己資金ゼロで購入する仕組みが作られるなど幼稚な手口の考えられない不正が露見しています。
つまり、不正融資にスルガ銀行の役員や行員が関与していた可能性が浮上している訳です。既に金融庁スルガ銀行に対して緊急立ち入り検査を行っていますが、今後、不正融資の規模によっては業務改善命令では済まされず経営破綻も噂されています。
また、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」関連の融資だけなのか、あるいは同行の他のマンションや中古マンションの1棟売りの融資に不正がなかったかどうかについても検査しているということです。


銀行ローンを増やすにはリスクが付き物

 

最近の財務省防衛省の官僚による国会虚偽答弁や文書改ざん・文書隠滅の数々を見て思うことは、日本人が平気でウソをつく時代になっているということです。
その様な時代に於いて利益を追求する一民間企業である銀行が、根底から信頼できるという保証はありません。
間違い無く言えることは、銀行は顧客の利益よりも自行の利益を重視するということです。したがって、今回の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に対するスルガ銀行の不正融資についても、銀行は最高裁の裁判で銀行の責任が確定するまで顧客に対して融資金の返済を迫り続ける筈です。
つまり、銀行カードローンにしてもアパートローンにしても銀行は儲けを狙って融資しているだけで、そもそも、顧客の利益のことなど全く考えていないのです。
その様な時代に銀行カードローンやアパートローンに手を出すことは大きなリスクははらんでいますが、特に、去年から今年に掛けて銀行ローンが増えている人は危険信号であることに気が付かなければなりません。
カードローンが増えている人は多重債務に陥っていないのか、アパートローンでアパートを購入した人は自分のアパートに本当に入居者がいるのかを把握する必要があると言えます。

 

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http://www.rupannzasann.com/entry/2018/05/31/190000