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ジャパンライフ問題で浮かび上がる詐欺→自己破産の連鎖



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現在の世の中、お金が余っている人が多いのか無条件で人を信用する人が多いのか、
何らかの詐欺の被害に遭遇する人達が後を絶ちません。
お金持ちが資産の一部をだまし取られるだけなら自業自得で済むかもしれませんが、
高齢者がなけなしのお金をだまし取られ自己破産に至る事態は社会的に放置できません。高度に情報化された筈の現在の世の中で、どうして詐欺が無くならないのでしょうか?ジャパンライフ問題を例にして詐欺の手口とだまされる人の心理を探ります。


自己破産、投資サギ、クビ…破滅した3人の社長から学んだこと
https://nikkan-spa.jp/1472027/3


古典的詐欺集団ジャパンライフの手口とは?

 

ジャパンライフ問題は現在、最もホットな詐欺事件ですが、その手口は最も古典的な詐欺です。ジャパンライフの主力商品だったのは磁気ネックレスですが、その磁気ネックレスの価格は40万円位で24金張りと説明書に書いてあります。ところが街の質屋に持ち込むと全部メッキで1円の価値もないということです。
これだけでも完全な詐欺商法ですが多くの利用者はジャパンライフを信じ切っていたのか、あるいは真実から目を背けたかったのか騒ぎ立てる被害者は稀でした。

また、もっと高額な磁気治療器具や健康医療器具は100万円~1,000万円くらいの高額商品でしたが、ご多分に漏れずこちらも健康には全く機能しない代物だった筈です。
ところが、この様なまやかしの健康医療器具で、チョッキの裏にピップエレキバンのような磁器を張り巡らしてるような代物が500万円ということでした。
これらの高額な磁気治療器具や健康医療器具を買わせるセールストークとして効果を発揮したのは、高額な磁気治療器具や健康医療器具をレンタルしてレンタル料が毎年購入価格の6%も入るなどと宣伝したことです。
ジャパンライフの営業マニュアルには商品を購入してレンタルすれば、「預貯金より利率がいい」「レンタルユーザーが殺到している」「相続税対策になる」「年金になる」などというセールストークが列挙されていました。しかも、ジャパンライフから毎年6%のレンタル料が本当に入っていれば、10年も経つと購入代金の6割は戻った筈です。
しかしながら、ジャパンライフがさらに悪質なところは「配当金を会社側に積み立てればさらに有利です」 と、ほとんどの利用者が配当が出ない契約をされていたことです。

この手口は昔の豊田商事事件などの詐欺商法と基本的に同じですが、もともと、ジャパンライフ創業者の山口隆祥会長は豊田商事事件の時代から手を変え品を変えて詐欺を繰り返していた人物なのです。
そして、この様なジャパンライフの手口の中でも最も悪質性が高いのは、同社のターゲットとして田舎の一人暮らしの老人を専門に狙っていたということです。
現在の若者世代と違い現役時代に高度成長を経験し高額な年金を貰っている高齢者達は小金持ちが多く、磁気治療器具や健康医療器具として100万円~1,000万円くらいはポンと出せるのです。そのような田舎の一人暮らしの老人をターゲットにして話し相手になり、磁気治療器具や健康医療器具でマッサージをしてあげたりやさしく世話して孤独な老人の生活に入り込んでいった訳です。


ジャパンライフの今後と政界との癒着

 

上記の様な詐欺商法を繰り返していたジャパンライフですが、経営者親子に対する詐欺・特定商取引法違反・預託法違反容疑などで愛知県の弁護団が告発状を県警に提出したことから、昨年12月に同社は銀行取引停止となり事実上倒産しました。
その後、元顧客22人が東京地裁ジャパンライフの破産を申し立てていましたが、今年2月に東京地裁が破産開始決定を出しました。
東京商工リサーチによりますとジャパンライフの負債総額は2,405億円で、告発直前に山口隆祥会長の長女・ひろみ社長が辞任し本社の不動産も売却していたということです。現在、山口隆祥会長は行方不明で海外逃亡の噂もあります。また、山口隆祥会長の長女ひろみ前社長は入院中という状況で、今後のジャパンライフはどうなるのでしょうか?

山口隆祥会長は1975年に「ジェッカー・フランチャイズ・チェーン」の社長でしたが、
同社が展開していた「マルチまがい商法」が社会問題化し山口隆祥会長が国会に参考人招致された過去があります。その結果1976年にジェッカー社は倒産し、以後、山口会長はしばらく行方不明でしたが、倒産を見越してなのか1975年に水面下でジャパンライフを設立していたのです。さすがに今回は別会社で新ビジネスを起こそうとしても社会が許さないと思われますが、実は山口隆祥会長の常とう手段はもう1つあるのです。

それは山口隆祥会長の政界工作で同氏は1983年に「健康産業政治連盟」という政治団体を作り、3年間で所管省庁の長を務めた中尾栄一通産相に3,800万円・中曽根康弘首相に1,000万円を寄付し計1億3,000万円を政界にばらまいたのです。
直近も日刊ゲンダイによりますとジャパンライフが安倍首相側近の下村元文科相の政党支部に10万円寄付し、同社の「お中元リスト」に安倍首相の名があることを報じています。 推測の域を出ませんが、東京地裁ジャパンライフの破産開始決定を出す前に、首尾よく本社の不動産を売却し山口隆祥会長が行方をくらますなど情報が筒抜けだったとも考えられます。


詐欺の主な手口と過去の被害額上位の詐欺事件一覧(摘発済みの事件)

 

最近の詐欺事件の手口を見ますと特殊詐欺と投資詐欺の被害が多いことが解ります。
昨年1年間に全国の警察が認知した振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害件数は18,201件(前年比28.6%増)で7年連続の増加でした。被害件数は現在の統計の取り方になった2010年以降で最多ですが、1回当たりの被害額が少ない架空請求が増えたため被害額は約390億(前年比4.3%減)で3年連続の減少となっています。
特に問題なのが被害者の7割を65歳以上の高齢者が占めていることで、特殊詐欺に於いてもジャパンライフの詐欺商法と同様に小金持ちの高齢者がターゲットです。

また、過去に摘発され解明が終わった詐欺事件の被害金額順のランキングは以下の通りです。下記の被害金額順のランキングを見ますと詐欺に用いられた商材は様々ですが、
いずれも投資を装った詐欺事件であることが解ります。
つまり、現在の詐欺事件を大別しますと特殊詐欺と投資詐欺に分類され、被害者の7割を65歳以上の高齢者が占めていることが大きな特徴です。仮に今回のジャパンライフ事件の全容が解明されたとしますと、その被害額は歴代詐欺事件のトップになると考えられます。これらの詐欺事件の被害者の7割を65歳以上の高齢者が占めていることの背景として考えられることは、高齢者の大半が1,500万円程度の小金持ちであるということです。2016年末の家計の金融資産残高は1,800兆円となり、一人あたりに換算すると1,460万円程度になります。また、全国で独居の高齢者が増えていることで、日常的に話し相手に恵まれない高齢者が思いもかけずに親切にされるとだまされ易いと考えられます。
 
事件名称                 商材     被害者数  被害額 摘発/破綻時期

大和都市管財                         抵当証券  17,000人 1100億円   2001年11月
投資ジャーナル                     株式            8,000人  580億円   1985年
キングダム・トラストNY      新規公開株   800人  300億円   2006年3月
ジェスティオン・プリヴェJ  海外のPB   1600人  320億円   2005年7月
アイディ ジャパンサクセスJ 未公開株     数千人  200億円   2009年
イー・マーケティング           未公開株   1,000人  150億円   2009年
エフ・エー・シー                  FX             8,000人  135億円      -
エイワンC                             株式投資    2,800人  130億円   2006年
エンジェルファンドネット   融資仲介      500人   103億円   2000年
オレンジ共済組合                共済組合預金2700人   96億円   1996年
夢大陸                                  架空の外国債  400人   67億円   2011年1月15日
保全経済会                           組合出資金    15万人   44億円   1953年
ワールドインベストメント   未公開株              -      33億円   2007年


人がだまされる構図とは?

 

現役の株式投資の神様と称されるウォーレン・バフェット氏は、投資で最優先されることは「お金を増やすことよりも減らさないこと」だと述べています。
なぜなら、現在の様な超低金利時代に於いては、高利回りを求めることは大きなリスクを伴うからです。つまり、高利回りを求めるためには資金運用や株式投資為替相場原油相場などの基礎知識が必要で、少なくとも数年間の勉強と経験が必要です。
しかしながら、多くの人々はこの様な勉強と経験をスキップして高利回りだけを求めたがります。本来、この様な勉強と経験をスキップして高利回りだけを求める人々には投資信託で一発当てるくらいしか方法は無い筈ですが、この様な人に限って高利回りを求めて簡単に人にお金を預けてしまいます。

現在、お金を「預かる」「運用する」ということに関しては金融商品取引法で厳しく規制されていますし、出資に関しては出資法会社法特定商取引法・預託法などで規制されています。したがって、上記の詐欺事件一覧(摘発済みの事件)を例に取りますと、ここに登場する殆どの会社は顧客や利用者からお金を預かった時点で何らかの法律に違反している可能性が高いと言えます。この様に簡単に法律違反を犯す様な会社が信頼できる筈も無く、最初はまともに運用している会社でも結局は運用に行き詰まって資金の返還ができなくなります。その結果、顧客や利用者から見るとだまされたとなるのです。


詐欺→自己破産の連鎖が続く

 

そして、もう1つ必要な視点としては「何故そんなに高利回りで運用できる商品を人に奨めるのか」という素朴な疑問です。例えば、ジャパンライフの磁気治療器具や健康医療器具をレンタルすれば年率で6%のリターンがあるというふれ込みですが、本当に年率で6%のリターンがあるのなら他人に奨めないでこっそりジャパンライフが自己資金を運用すれば良いのです。
現在、政府の年金資金を初めとして証券会社や銀行の投資信託ヘッジファンドは、
平均して年率6%以上の運用利回りを得られていません。つまり、ジャパンライフの年率で6%のリターンがあるというセールストークは、最初の段階から詐欺商法という可能性が非常に高いということに気付く必要がありました。

ジャパンライフを初めとした詐欺商法の被害者の6割~7割は高齢者ですが、その中でコツコツ貯蓄した老後の資産を全てだまし取られた人も少なくありません。
その様な人に限って年金が少ない人が多く詐欺→自己破産の連鎖が続くという悲惨な現実なのです。ジャパンライフの営業マニュアルの中に将来の年金作りという文言もあった様で、高齢者の心理を知り尽くした同社の悪質性が見えます。

とにかく、「人を見れば泥棒と思え」ではありませんが、「人から奨められた投資話し」には絶対に乗らないという心構えが必要です。
高度に情報化された現代社会に於いては、簡単に買えるものや簡単にできるものに本当の価値はありません。本当に良い物は全く宣伝をすることなく、たとえ並んだり抽選しても買えないものが多いのです。年率30%前後で運用してくれる世界最高水準のヘッジファンドは紹介者がいなければ説明を聞くこともできず、説明を聞けても資金を預けて運用が始まるまでに数年待たされるのが当たりまえです。したがって、お金を出したら直ぐに受け取る様なところは、もともと、詐欺か詐欺まがいのところと知らなければなりません。

 

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