借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

カジノが日本の成長戦略の目玉とは余りにも発想が貧困過ぎないか?

カジノを含む統合型リゾートIRの実施法案をめぐる与党協議が決着しました。
安倍晋三首相はカジノが「日本の成長戦略の目玉になる」として成長戦略のエンジンに期待していますが、余りにも発想が貧困過ぎるのではないでしょうか?その前に賭博罪に対する矛盾やギャンブル依存などの問題があるからです。
また、成長戦略のエンジンとして期待する分野は、AI人工知能やロボット・iPS細胞・自動運転など他にもたくさんあります。どうして、カジノなのでしょうか?


賭博罪・ギャンブル依存…カジノ法案、問題点どう解決?
https://www.asahi.com/articles/ASL435TRHL43UTFK01G.html


日本の賭博罪の矛盾

 

カジノを含む統合型リゾートIRの実施について考える前に、日本に於いては罪に問われる賭博とそうでない賭博があるという矛盾があります。まず、刑法185条では「偶然の勝負に関し博戯または賭け事によって財物の得喪を決める行為をする罪」が定められています。また、刑法186条には「賭博場を開き人を集めて賭博による利益を図った者は3カ月以上5年以下の懲役に処する」と定めています。
つまり、賭博場を開くことや賭博そのものを行なうことを禁じている訳ですが、勝った方が明日のランチをおごるという程度の賭けなら賭博罪にはなりません。只、判例ではたとえ少額でも現金を賭けると賭博罪にあたるというのが現在の判例理論です。

それでは、競輪・競馬・競艇・パチンコ・パチスロ・宝くじは賭博ではないのでしょうか?これらは賭博理論から考えると賭博であると言えますが、法律によって合法と規定されています。この様に合法の例として挙げられるものは以下のとおりです。

現金金融商品取引法デリバティブ取引)
商品先物取引法商品先物取引
保険法(保険契約)
商法(海上保険契約)
無尽業法(無尽)
競馬法(競馬)
自転車競技法(競輪)
モーターボート競走法競艇
小型自動車競走法(オートレース
当せん金付証票法(宝くじ)
スポーツ振興投票の実施等に関する法律スポーツ振興くじ
不当景品類及び不当表示防止法(懸賞金)
お年玉付郵便葉書等に関する法律(お年玉付郵便はがき、夏のおたより郵便葉書)
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(統合型リゾート・民営カジノ)

また、パチンコは「三店方式」という巧妙なシステムを用いています。パチンコで玉が出るとたばこや菓子など様々な景品と交換できますが、その中に特殊景品という景品がありパチンコ店で交換した特殊景品をパチンコ店の裏にある店に持っていけば買い取ってくれます。つまり、パチンコが事実上賭博であることは誰の目にも明らかですが、「三店方式」という巧妙なシステムで容認している訳です。
上記の合法の例として挙げられるものの最後に特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(統合型リゾート・民営カジノ)があります。


カジノを含む統合型リゾートIRの実施法案をめぐる与党協議が決着

 

そして、今回、カジノを含む統合型リゾートIRの実施法案をめぐる与党協議が決着しました。もともと、安倍晋三首相はカジノを含む統合型リゾートIRは「日本の成長戦略の目玉になる」と発言し、成長戦略のエンジンとして期待していました。
ところが、成長戦略の一つと考えカジノの規制を緩めたい自民党と、ギャンブル依存症を懸念して規制を強めたい公明党との対立が続いていました。今回、カジノの日本人入場料を6千円で自公が合意し双方が譲歩した形ですが、当初から指摘される問題点は解決されないままです。

問題点の1つ目は刑法の賭博罪とされてきたカジノをどう合法とするかということで、
推進派はIRでのカジノを賭博罪の例外とするためカジノ収益の30%を国と都道府県に納付することで「公益性」を確保するなどと説明しています。
もともと、カジノ解禁に反対してきた公明の山口那津男代表は合意前の記者会見で、
「もともとは賭博。違法性を乗り越える議論が大事で国民の理解が必要だ」という認識を示しています。
問題点の2つ目はギャンブル依存症を懸念する声が根強いことです。ギャンブル依存症対策として自公間で議論となったのは入場回数の制限と入場料金でした。
今回、入場回数は政府原案通り「7日間で3回、28日間で10回まで」の制限を設けることで決着し、入場料金は政府が最初に示した2千円から引き上げ6千円とした訳です。
果たして、この程度のハードルでギャンブル依存症対策と言えるのでしょうか?
例えば、土日の2日間に集中的に開催される競馬で依存症患者が後を絶たない現状を、
7日間で3回の規制で依存症にならないといえるのかということです。
政府は今国会中に法案を提出し成立をめざす意気込みですが、「モリ・カケ・自衛隊」をめぐる文書改ざん・隠滅問題などで野党が政権との対立姿勢を強める中で、有権者の理解が得られるのかがポイントです。


ギャンブル依存症の現実

 

2017年9月には国立病院機構久里浜医療センターが「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査」を発表しましたが、調査によりますと直近一年間でギャンブル等依存症の疑いのある者の割合は0.8%で約70万人と推定されるということです。
このうち最もよくお金を使ったギャンブルであるパチンコ・パチスロのギャンブル等依存症の疑いのある者の割合は、0.7%で約57万人ということでした。

一般的にギャンブル依存症とはギャンブルの行為や過程に必要以上に熱中しのめりこんでしまう状態を意味しますが、医学的な呼称はギャンブル障害で精神疾患のひとつに分類されています。ギャンブル障害は「持続し反復する問題賭博行動によって臨床的に意味のある機能障害や苦痛が生じている状態」を意味し、貧困になる・家族関係が損なわれる・個人的な生活が崩壊するなどの不利な社会的結果を招くにもかかわらず、ギャンブルが持続的に繰り返され増強する賭博行為を本質的な特徴とします。
つまり、ギャンブル依存症はギャンブルにのめり込むことで貧困になり、家庭環境や社会生活に深刻な影響を与えることになります。


ギャンブル依存症と多重債務は車の両輪

 

1980年代に消費者金融会社から多額のキャッシングをした人が、過剰な融資や高金利・過酷な取り立てで苦しみ「サラ金地獄」という言葉がたびたび使われるようになりました。この「サラ金地獄」にはまった人をいくつかのタイプに分類するとすれば、サラリーマン放蕩型と主婦のショッピング依存型とギャンブル依存型に分類できます。
サラリーマン放蕩型とは夜の街での飲み食いや女性との交際で放蕩し「サラ金地獄」にはまった人を意味し、主婦のショッピング依存型とはキャッシングやクレジットカードのショッピングでブランド物のバッグや洋服・アクセサリーを買い漁る人を意味し、
ギャンブル依存型はギャンブルにより借金が増えて「サラ金地獄」にはまった人を意味します。

もともと、ギャンブルで勝ち続けるのは至難の技です。ギャンブルには必ず胴元がおり胴元の取り分があるからです。
例えば、公営ギャンブルである競輪・競馬・競艇などは地方自治体の取り分がありますし、海外のカジノに於いても様々な方法で一定の手数料が取られています。
パチンコに於いても現金で玉を買う場合の交換率と玉を現金化する場合の交換率に差があり、店側が一定の利益を得ることができるような仕組みになっています。
したがって、短期勝負は別ですが長く続ければ続けるほど、ギャンブルで勝ち続けるのは難しくなります。

しかしながら、負ければ負けるほど熱くなりのめり込むのがギャンブルで、負けた金額を一気に取り戻そうとして深みにはまっていきます。こうなると既にギャンブル依存症に足を踏み入れていることになり、医学的にはギャンブル障害というれっきとした精神疾患なのです。この様なギャンブル依存症の人は目一杯借りられるだけの現金を借りてギャンブルにつぎ込みますから、やがて、多重債務に陥ることは明白です。
したがって、日本で新たなギャンブルであるカジノを解禁する前に、銀行カードローンにも総量規制を導入する必要があることは明白です。既に、消費者金融会社などの貸金業者には総量規制が導入されていますので、せめてものギャンブル依存症対策として簡単にキャッシングできる道である銀行カードローンを塞ぐことが必要なのです。


自己破産する本当のデメリットは?選挙権や仕事に付けずに一生不便な生活を送る事になるの?
http://www.nottoworry-money.biz/entry/hasan_demerit