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「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

それでもメガバンクがカードローンを止めない理由

個人の自己破産の申立件数は2016年から前年比でプラスに転じ、2017年の自己破産申立件数は前年比6.4%増の68,791件で2年連続で大幅に増えています。
この自己破産の元凶と言われている銀行カードローンですが、各メガバンクの決算内容を見ますとメガバンクはカードローンを止めるどころか頼りきった姿が浮かびます。
一方で消費者金融会社などの貸金業者は過払い利息にかかる返還請求や、個人の借り入れ総額を制限する総量規制の影響で厳しい経営環境にさらされています。新年度のカードローンを巡る動きを検証します。


儲からない貸金業者、約8割が「減収・横バイ」 2016年度
https://www.j-cast.com/kaisha/2018/03/30324748.html?p=all


メガバンクの決算内容

 

最大手の三菱UFJフィナンシャルグループの前2018年3月期連結ベースの予想数字は以下の通りです。売上に当たる経常収益は6兆円と増収を確保していますが、営業利益に当たる業務純益は1兆2,000億円と減益予想となっています。
また、経常利益と純利益は増収を確保していますが、中身は株式売却益などでゲタを履かせた内容です。結局、前期も本業の国内利ザヤは縮小傾向が続く中で、稼いでいるのは海外・証券・為替や振込み手数料収入などです。
つまり、銀行の本業である貸し出しは伸び悩む中で、儲かっているのは海外銀行事業と傘下の証券会社事業と為替や振込みなどの手数料事業なのです。
その銀行の本業である貸し出しの中で唯一、大儲けしているのが銀行カードローン事業なのです。したがって、現在の銀行で儲かっているのはカードローン事業と海外事業・証券などの手数料事業だけなのです。

また、三井住友フィナンシャルグループは売上に当たる経常収益は5.3兆円と増収を確保していますが、営業利益に当たる業務純益も1兆2,000億円と増益予想で経常利益と純利益も増益を確保しています。つまり、三井住友フィナンシャルグループは、最大手の三菱UFJフィナンシャルグループよりも良い決算内容と言えます。

一方で、メガバンク3位に甘んじるみずほフィナンシャルグループの決算内容は良くありません。売上に当たる経常収益は3.5兆円と増収を確保していますが、営業利益に当たる業務純益は4,500億円と減益幅が大きくなっています


メガバンクのリストラ策

 

上記の様にメガバンクを傘下に持つ3大フィナンシャルグループは、売上に当たる経常収益は何とか増収を確保していますが収益力が落ちているのは間違いありません。
特に、旧富士銀行・第一勧業銀行・日本興業銀行が合併したみずほフィナンシャルグループは、本来、3大フィナンシャルグループをリードするかと思われましたが、現在は収益力では三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループに大きく水を開けられています。その結果、みずほFGを筆頭に3大フィナンシャルグループはリストラ策を発表しています。
まず、みずほFGは「抜本的構造改革への取り組み」として2027年3月期末までに1万9,000人の人員を削減すると宣言し、グループ総従業員数7万9,000人(臨時従業員約2万人を含む)の約4分の1に相当する大規模な人件費削減策を打ち出しました。
同様に、みずほFGの1万9,000人に加えて三菱UFJFGで9,500人・三井住友FGで4,000人と3社合計で3万2,500人もの人員を削減する予定です。

3大フィナンシャルグループはいずれもリストラ策の理由としてIT化やAI化を挙げています。つまり、事務や営業のIT化とAI化により人員が合理化できることを強調していますが、実際は本業の国内利ザヤの縮小傾向が続く中で根本的な収益力が落ちているのです。そのためには人員を削減して人件費を落とさなければならない訳です。


総量規制に貸金業者は苦しんでいる

 

一方、銀行と同様に消費者金融会社などの貸金業者の業績も伸び悩んでいます。
帝国データバンクが2018年3月23日に明らかにした調査によりますと、貸金業者消費者金融と不動産担保ローンなどの事業者金融の合計)294 社のうち、2015 年度・2016 年度決算の年収入高が判明した277 社の業績推移をみますと2016年度に増収となった企業は59社(全体の21.3%)に過ぎません。一方、減収・横バイとなった企業は218社(78.7%)で全体の約8割を占めました。
 
貸金業者は1986年のピーク時には4万7,504社に上りましたが、消費者金融会社は「高金利」で稼いでいた時代を経てその後は過払い利息の返還請求が多発しました。
その結果、武富士などの大手が経営破たんし、アコムやプロミスがメガバンク傘下に入って再生を目指したりと業界再編を余儀なくされました。
さらに、銀行のカードローンには適用されていない総量規制(改正貸金業法)が2010 年6 月に施行され、個人の借入総額が年収の3 分の1 までに制限されたこともあり銀行のカードローンに利用者を奪われる事態にもなっています。
日本銀行の「貸出先別貸出金」によりますと国内銀行139 行の2016 年度末時点のカードローン貸出残高は前年度と比べて9.4%増の5兆6,024 億円に拡大していますが、消費者金融会社などの貸金業者の貸出残高は4兆円に留まっています。
つまり、改正貸金業法の総量規制で消費者金融会社などの貸金業者の貸出残高が減少した一方で、銀行カードローンの貸出残高は伸びているのです。


メガバンクはカードローンを止めたくない

 

ここまで述べてきました様にメガバンクを初めとする銀行も消費者金融会社などの貸金業者も、業績が伸び悩んでいることは間違いありません。
しかしながら、セグメントで見たカードローン事業が赤字になっている訳ではありません。銀行の場合は本業の国内利ザヤの縮小傾向が続き預貸金利差が縮小して儲からず、
消費者金融会社などの貸金業者は総量規制で貸し出し残高が伸び悩む中で本業以外の過払い利息の返還請求に苦しんでいます。したがって、特に、メガバンクを初めとする銀行の業務の中で、カードローン事業は数少ない儲かる事業なのです。

このところ、銀行カードローンは自己破産増加の主犯として批判を浴び続けています。
上記の通り消費者金融会社などの貸金業者のカードローン貸し出し残高が減少する中で、銀行カードローンの貸し出し残高が伸び続けていることが批判されています。
また、消費者金融会社などの貸金業者に対して総量規制が行われている中で、銀行は総量規制の対象外であることをいいことにやりたい放題のカードローン営業を繰り広げています。酷い例としては収入の無い老人に対する貸し付けや、高齢者に年収を上回る貸し付けを繰り返す例も報告されています。
したがって、銀行法の精神に照らしても銀行はカードローン営業の営業姿勢を改めるべきです。もっと言えば、ボロ儲けを続けるカードローン営業はこの辺りで止めて、高齢者や低所得者向けの低利のフリーローンを開発すべきです。
金融庁ゼロ金利政策の継続と引き換えに銀行カードローンの継続を許す政策を続けていますが、アベノミクスに限界が見えている現在、銀行カードローンのコンセプトの変更を考える時期に来ています。


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