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意外に知られていない負債相続問題と相続放棄について

最近、水面下で増えているのが負債相続問題です。
負債相続問題は自分が作った借金ではなく借金などの負債を相続することを意味します。 日本の相続法は特殊で故人の残した借金等については、何もせずに放っておくと無条件に相続人に引き継がれてしまうという大変理不尽な法律となっています。
したがって、負債相続問題を解決するには相続放棄しなければなりませんが、一般的には相続放棄についても方法や手順を知らない人が多いのが現状です。そこで、将来、負債相続問題で悩むことの無い様に、相続放棄の方法や手順を押さえる必要があります。


知らない間に借金を相続しないために!親が亡くなったら確認すること
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3392455


そもそも負債相続問題とは?

 

普通の相続は自分の親や親族から遺産を引き継ぐことを意味します。つまり、相続税さえキチンと支払えば遺産相続は悪いことではありません。
しかしながら、現金や預貯金を遺産相続するなら良いのですが、最近は田舎の一軒家などを相続すると住むこともできず管理に手間暇が掛かるケースも増えています。
この様な不動産は買い手もつかず売ることもできませんから、相続人から喜ばれない場合も多いのです。

加えて、相続財産が残った財産の価値よりも負債の方が多いとしたら大問題です。
即ちこれが負債相続問題ということになりますが負債相続問題の根は意外に深いのです。まず、亡くなった人が生前に借金をしていたことが解っていた場合は相続放棄をすれば良いのですが、借金をしていたことが解らなかった場合は負債相続問題が拡大するケースが出てきます。
例えば、亡くなった人には借金は無くとも亡くなった人が友人の連帯保証人になっていた場合、金融機関等が亡くなったひとの相続人に対して借金の返済を求めてきます。
多くの場合、亡くなった人が連帯保証人になっていることは家族にも伏せられていますから、亡くなった人の息子や娘が知らないことも多いのです。

そして、この様なケースで上位の相続人が遺産相続を相続放棄した場合、負債相続が順に下位の相続人に引き継がれるということが起きる恐れがあります。
つまり、何人かいる相続人の中で相続放棄をしなかった人だけが負債を引き継いでしまう訳です。したがって、直系血族や親族が亡くなった場合で負債相続の恐れがある場合は、早めに相続放棄をしなければなりません。


相続放棄の意味

 

そもそも、相続とは不動産や現金などの財産を引き継ぐことですが、借金などの負債についても自動的に引き継ぐことが含まれています。
つまり、一般的には「財産-負債」で財産が多い場合を遺産相続と言いますが、「財産-負債」で負債の方が多い場合は負債相続となってしまいます。

そこで、相続放棄が必要になりますが相続放棄は文字どおり相続人が遺産の相続を放棄することを意味し、遺産を相続することを辞退することを意味します。
つまり、亡くなった人から遺産を一切受け取らないという事で、不動産や現金などの財産だけを引き継ぎ負債は引き継がないという選択はできません。

したがって、相続放棄は負債相続を免れる唯一の方法と言え、相続放棄さえしてしまえば大手の銀行であろうと税務署であろうと故人の残した借金の支払いに応じる必要は一切なくなります。しかしながら、相続放棄は遺言書の様に自筆で「相続放棄をします」と書いても誰も認めてくれませんので、正式な相続放棄の手続きをふまなければ法的には認められません。


相続放棄の手順

 

そこで、相続放棄の手順ですが一番大事なことは、相続放棄は自身が相続人であることを知った日から3ヶ月以内に手続きをしなければならないということです。
これを過ぎると上位の相続人が遺産相続を相続放棄した場合、負債相続が順に下位の相続人に下りて来る恐れが出て来ます。
そして、相続放棄は管轄する家庭裁判所へ申し立てをする必要があります。
つまり、相続放棄の要点の1つ目は相続放棄をするためには自分が相続人であることを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述をする必要があります。
2つ目は相続人のうちの誰かが相続放棄をすると法律で定められた相続の順位が変わってしまうことがあります。
3つ目は相続する財産を選ぶことはできず「全て相続する」か「全て放棄する」ことのどちらかしか選ぶことができません。

そして、相続放棄申請に必要な書類は以下の通りです。(ただし、必要書類は申請する家庭裁判所によって異なるケースがありますので注意が必要です)
①亡くなった人の戸籍謄本
②亡くなった人の住民票(または亡くなった時点の住所が分かる戸籍の附表)
相続放棄する人の戸籍謄本
相続放棄申述書
収入印紙800円
⑥郵便切手


相続放棄は経験豊富な弁護士や司法書士などの専門家に相談した方が良い

 

相続放棄の手続は自分で行うこともできますが相続放棄が裁判所から認められなかったケースもありますので、経験豊富な弁護士や司法書士などの専門家に相談した方が良いでしょう。特に、相続放棄の期限である自分が相続人であることを知った日から3ヶ月を過ぎてしまった場合は、経験豊富な弁護士や司法書士などの専門家に相談する必要があります。相続放棄の期限を本当に知らなかったとしても知っていたものとして扱われますので十分注意が必要で、期限を過ぎてしまった場合は相続財産をすべて相続人が相続するという結果になります。

そして、そもそも論として直系血族や直系親族と疎遠にしていることが負債相続の遠因と考えられ、何らかの付き合いがあれば亡くなった人の身近な人が必ず教えてくれる筈です。亡くなった人の直系血族や直系親族が亡くなった人の借金で苦しむ姿を誰も見たくない筈だからです。
経済格差が広がり下流老人が増える中で、今後、負債相続問題の拡大が懸念されます。
財産は相続するのが当たり前という時代は過ぎようとしているのかもしれません。


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