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自己破産でこんな失敗をしました・自己破産失敗事例その②



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自己破産で失敗したという事例で最も多いのはその①でお話しした「会社を辞める必要は無かった」「個人的な借金を残してしまった」などの事例ですが、次に多いのは免責不許可になってしまうことです。
つまり、裁判所に自己破産の申請をして自己破産は認められ自己破産宣告はされましたが、免責(同時廃止)は認められず借金はチャラにならなかったという失敗事例です。
これは自己破産を考える人にとっては最悪のケースで、自己破産のペナルティーは受けることになりますが借金は無くならないことを意味します。そこで、自己破産を考える人が免責不許可にならないために免責不許可事由について考えてみます。


借金150万円、自己破産できる? ギャンブルは「免責不許可」も 
https://mainichi.jp/articles/20180227/ddl/k30/070/407000c


免責不許可事由の考え方を理解することが重要

 

自己破産に対する社会の目は相変わらず批判的であることに変わりはありません。
それは「借りたものは返す」という古来からの考え方に反するだけでなく、贅沢や家計の放漫経営によって自己破産に至ったという批判が付きまとうからです。
しかしながら、一方で自己破産者は犯罪者ではありませんし、犯罪者にも更生の道が残されている様に自己破産者にも再スタートの道が有って然るべきです。
したがって、債務者が自己破産を申請する以上、免責を勝ち取らなければ何の意味もないと言えます。

破産法第252条第1項に免責不許可事由について例によって難しい法律用語で詳細に11の事例が説明されていますが、それらを解り易くするために独自に以下の5つに分けて説明します。もともと、この破産法第252条は破産管財人を付けることを前提にしていますが、個人の自己破産の場合は財産が残っていない場合が多く破産管財人は必要ありません。したがって、以下の説明では個人の自己破産の場合にフォーカスして説明します。


免責不許可事由の種類

 

もともと、自己破産は借金の返済に万策尽きた人の最後の救済の道と言える制度で、
事業に失敗した場合や病気や怪我、或は、解雇などどうしても避けられない事情で出費が増え借金が膨らんでいった場合の救済の道です。したがって普通の生活を送る中で、やむを得ない事情で借金が増えた債務者を救済する制度であるということが第一義です。もう1つは世の中にはこの制度を悪用する人が必ず出て来るので破産法ではその様な人が破産申立をし破産決定が出ても、免責決定(債務をなくしてもらう手続のこと)が出ない仕組みを作っています。以下、解り易くするために5つに分けて説明します。

①債権者に不利益を与える行為 
この規定は破産管財人を選任することを前提にしていますが考え方は個人の自己破産にも通じます。
債務者が債権者に対して債権者を害する目的で配当すべき財産を「隠匿」「損壊」「不利益となる処分」や、「破産財団の価値を不当に減少させる行為」「著しく不利益な条件で債務を負担」した場合に免責不許可事由に該当します。

②特定の債権者に対してだけの返済
特定の債権者に対してだけ特別な利益を与える目的またはその他の債権者を害する目的で、その特定の債権者に対する債務について担保を設定したり返済をしてしまう(非義務的偏頗弁済)ことです。例えば、債権者が5社あった時に1社だけに返済を続けていた場合などが免責不許可事由に該当します。

③浪費・賭博などによる借金
収入に見合わない買い物などの「浪費」やパチンコ・パチスロ・競馬・競艇・競輪などの「賭博」をしたことによる借金や、株取引・FX取引・先物取引などの「射幸行為」をしたことによって借金が増えた場合などが免責不許可事由に該当します。
ただし、パチンコ・パチスロ・競馬や株取引・FX取引が直ちに免責不許可事由に該当する訳ではありません。収入に見合わない規模でパチンコや株取引にのめり込み借金が増えて場合を想定しています。

④換金行為
クレジットカードで購入した商品を低廉な金額で換金してしまうなど、「信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分」(換金行為)した場合などが免責不許可事由に該当します。一時期、クレジットカードのキャッシング枠が無くなった時に、クレジットカードで特定の商品を買付け直ぐに換金する新手のキャッシングが増えたことがありました。

⑤破産手続直前・直後の不誠実行為
破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、すでに借金の返済ができなかったり借金の返済を停止していることを知りながら、嘘をつくなどしてキャッシングやクレジットカードでショッピングするなどの行為をした場合などが免責不許可事由に該当します。
また、日々の出納帳・決算書・確定申告書など業務及び財産の状況に関する帳簿・書類その他の物件を、「隠滅」「偽造」「変造」した場合などです。
さらに、債権者リストに一部の債権者だけを除外するなど虚偽の債権者名簿・債権者一覧表を裁判所に提出することや、破産手続において裁判所が行う破産審尋などの調査において説明を拒みまたは虚偽の説明をした場合に免責不許可事由に該当します。これらは自己破産手続に於ける裁判者の審尋や調査を妨害する不誠実行為と見なされます。

⑤過去の自己破産から7年経過していない
過去に自己破産で免責許可決定を受けたことがある人で、その過去の免責許可決定確定の日から今回の免責許可申立ての日までに7年が経過していない場合は免責不許可事由に該当します。


免責不許可事由の調査は誰が行うのか

 

実際問題として上記の様な免責不許可事由の調査を裁判官や裁判所の職員が行う訳ではありません。昨年の自己破産の申請件数は68,791件で裁判所がそれらを一つ一つ調査することは不可能です。
もともと、自己破産の申請手続は債務者本人と担当弁護士が行います。債務者本人と担当弁護士が1~2回の面談を行ないますが、債務者は面談時にあらかじめ債務の全容が解る資料を持参します。この資料に基づいて弁護士は銀行や消費者金融会社などの業者に受任通知を発送し、業者から資料の提供を受けて債務を確認し確定させます。
一方、債務者は債務が増えた経緯について時系列を書面にまとめ弁護士に提出し、
それらを照合して最終的な債務を確定します。したがって、全ての手続が債務者本人が担当弁護士に申告する内容で進められることになります。

多くの場合、債務者本人の申告内容に少しでも免責不許可事由が含まれていた場合、
弁護士が最適な対処方法を教えてくれます。
つまり、弁護士が最適な対処方法を教えてくれる事例については何とか免責不許可事由を免れることができますが、不可能な時は弁護士が受任を拒否することになります。

そして、免責不許可事由になる多くのケースとしては、弁護士が全ての債権者に受任通知を送付した後に、自己破産に対する異議申し立てが裁判所に送付された場合です。
異議申し立てをするのは銀行や消費者金融会社などの業者が多く上記⑤のケースなどです。特に、破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、すでに借金の返済ができなかったり借金の返済を停止していることを知りながらキャッシングしたということを問題視してきます。
つまり、返済不能と知りながら借入をしたということで異議を申し立ててきます。
その場合の異議申し立ては直接、裁判所に送られて来ますから、弁護士が対処できずに免責不許可になることが多くなります。


免責不許可事由があっても免責される場合

 

ただ、免責不許可事由に該当する事実があるから、直ちに免責の許可が受けられなくなる訳でもありません。免責不許可事由がある場合でも裁判所が諸般の事情を考慮し免責を与えることが相当であると判断した場合には、裁判所の裁量によって免責が許可される場合がありこれを「裁量免責」といいます。
「裁量免責」は裁判所が裁判所の裁量によって免責を許可する制度ですが、それらに対する弁護士の役割も重要と言えます。

したがって、自己破産に於ける弁護士の役割は非常に大きく、自己破産手続を弁護士に依頼する場合は債務整理専門の腕利き弁護士に依頼しなければなりません。
特に、免責不許可自由に該当するのかしないのかが微妙なケースなどは、自己破産手続の経験豊富な弁護士しか判断できないケースも少なくありません。
債務整理手続を専門に行う多くの弁護士事務所は無料相談を実施していますのでネット調査で2~3の弁護士事務所に絞り、最終的には無料相談の印象を含めて事務所を決定する慎重な姿勢が求められます。


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