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高齢者向けカードローンが高齢者の自己破産を増やしている



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2016年から個人の自己破産の申立件数が前年比でプラスに転じ、2017年の自己破産申立件数(速報値)は前年比6.4%増の68,791件で2年連続で大幅に増えています。
伸び率は2016年の1.2%増から大幅に拡大し自己破産の増加ペースが上がっていると言えます。
そんな中で自己破産に占める高齢者の割合が増えていますが、少子高齢化高齢者の絶対数が増える中で生活苦の高齢者が増えているのが現状です。したがって、生活苦の高齢者に対して公的な支援が望まれるところですが、一方で、高齢者を対象にしたカードローンも増えています。一体、どの様なポリシーで高齢者に高金利のカードローンを貸し付けているのか、生活苦の高齢者とカードローンの実態を考えます。


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https://news.biglobe.ne.jp/trend/0318/aab_180318_5417414698.html


高齢者の自己破産が増える理由

 

一億総中流階級と言われた我が国の人口構成が遠い昔のことになりつつあります。
近年、経済的な格差の拡大が進んでいることが大きな要因ですが、特に、非正規雇用の拡大で中流階級と言われた層の2極分化が進んでいます。つまり、中流階級だった層の中から非正規雇用の人達が中流階級から脱落し始め、日本の労働人口の40%は年間の収入が300万円以下であるという調査結果も出ています。
その結果、高齢者も年金で暮らせる層と年金だけでは食えない層に分化しており、いわゆる下流老人が増えていると言われます。この様な下流老人になる典型的なパターンとしては以下の様な点が指摘されています。
「毎月の生活が赤字である」
「現金や不動産などの資産が無い」
「賃貸物件に住んでいるが預金が無い」
「晩婚により住宅ローンが退職後も残る」
「浪費が多い」などです。
したがって、この様な下流老人は少ない年金なのでパートやアルバイトをして何とかしのいでいますが、怪我や病気で働けなくなることも多いのです。
また、パートやアルバイトを解雇されると生活費が足りなくなります。

その結果、自己破産者に占める70歳以上の割合は2005年の3.05%から急増し、
2014年は全体の8.63%を占めているとのデータが示されており、この傾向は2015年以降も続いている筈です。また、60歳以上を見ますと1997年に12%だった60歳代の自己破産者は、2014年には6.7ポイント増の18.71%に増えています。
つまり、自己破産者の5人に1人は60歳以上という時代に突入しているのです。
今まで我が国の高齢者はお金持ちというイメージがありましたが、高齢者の2極分化によりお金持ちの高齢者と生活苦の高齢者の格差が大きくなっていることが解ります。
したがって、特に、年金だけで暮らせない層を中心に社会的なセーフティーネットの拡充が求められますが、一方で生活苦の高齢者を食い物にする高齢者対象のカードローンが増殖しています。


カードローンの対象に高齢者を含めている主な銀行・消費者金融会社一覧

 

   業者名         対象年齢   適用金利     その他
オリックス銀行カードローン  69歳未満   1.7%~17.8%  年金受給者は対象外
三菱東京UFJ銀行カードローン  65歳未満
三井住友銀行カードローン   69歳まで
新生銀行カードローン レイク      70歳以下
ゆうちょ銀行                                70歳以下
北海道銀行カードローンラピッド75歳未満        1.9%~14.95%
常陽銀行キャッシュピット           75歳未満        2.5%~14.8%
青森銀行Aキャッシング               満75歳未満     2.4%~14.5%
岩手銀行カードローンエルパス   満75歳未満     1.8%~14.6%
足利銀行モシカ                            75歳未満         5.8%~14.8%
中京銀行C-style                            75歳未満         4.9%~14.5%
関西アーバン銀行カードローン   満75歳未満      4.0%~14.4%
伊予銀行新スピードカードローン満75歳未満      2.0%~14.5%
鳥取銀行らくだカードローン       満72歳以下      4.0%~14.5%
宮崎銀行おまかせくん                  満75歳未満      6.0%~14.5%
長崎銀行プレミアA                       75歳未満          2.8%~14.95%
セゾンかんたん安心カードローン80歳未満     ~14.8%  利用額30万円~100万円
プロミス           69歳まで
アコム            69歳まで
アイフル           70歳未満
モビット           69歳まで
ノーローン          69歳まで

 

高齢者向けカードローンは銀行法貸金業法違反の可能性

 

現在、主な高齢者向けカードローンは上記の通りですが、大別しますと70歳以下を対象にしたカードローンと75歳未満を対象にしたカードローンに分けられます。
中にはセゾンかんたん安心カードローンの様に80歳未満を対象にしたカードローンもあります。いずれも、各銀行や消費者金融会社毎に審査の基準が細かく定められている筈で、収入や年金の有無により審査を行っていると考えられます。
もともと、銀行法は預金者保護と銀行業務の健全・適切な運営が規定されていますし、
消費者金融会社やノンバンクを規制する貸金業法は総量規制を導入しており、返済能力を超える借入れが抑制されました。具体的には年収の3分の1を超える金額のカードローンは作ることができないのが現状です。

しかしながら、上記の様に75歳未満を対象にしたカードローンを取り扱う銀行や消費者金融会社が多いのも事実です。そして、建前論に於いては様々な理由から年収の3分の1以内の貸し付けや、返済能力があると思われる高齢者への貸し付けは行なわれています。その結果、カードローンを借りた高齢者の中から自己破産が増えていることも事実で、自己破産に占める高齢者の割合が急増していることは冒頭で述べました。


高齢者のために厳しいカードローン審査が必要

 

つまり、本音論で考えると65歳を過ぎた高齢者がカードローンでキャッシングする理由を考えなければなりません。極々、稀にキャッシュカードや通帳を紛失して現金が一時的に必要な高齢者がキャッシングするかもしれませんが、大部分は生活費や医療費・介護費用・借金の返済のためのカードローンなのです。
恐らく、銀行や消費者金融会社の大部分の営業担当者は見て見ぬふりで、本人が借りたいのだから仕方がないと思っているのではないでしょうか?つまり、本来は銀行法貸金業法の精神から審査で落とすべき高齢者を、事務的に処理して審査を通している例が多いと考えられます。

これは、厳密に言えば銀行法貸金業法の精神に違反する行為で、銀行や消費者金融会社は高齢者のカードローン審査を一層、厳しい審査にすべきです。
その時は審査に落ちて途方に暮れる人もいるかもしれませんが、自己破産に至る苦しさと辛さに比べれば大したことはないのです。そして、銀行協会は政党へ献金するお金があるのなら、利益を度外視した高齢者向けの低金利のカードローンを開発してみては如何でしょうか?下手な宣伝に費用を注ぎ込むよりは、よっぽど宣伝になり社会貢献になると思うのですが。


本当に「もう無理!」なら自己破産していい、自己破産した親の息子の話。
http://www.fulogabc.net/entry/jikohasan-musuko