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カードローンとマルチ商法の危ない関係

最近、学生などの若者の間でマルチ商法の被害が増えています。
これは今に始まったことではありませんが、昔からマルチ商法は手を変え品を変えて現在に至っています。そして、マルチ商法とカードローンはセットと言っても過言ではないほど密接に結びついています。
その様な状況の中で政府は3月13日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げることを柱とした民法の改正案を閣議決定しました。民法の改正で成人年齢を20歳から18歳に引き下げることにより、18歳から親の承諾なしでカードローンを作れるようになります。
これらの問題点を以下で整理します。


成人年齢を「20歳から18歳に」政府が閣議決定
http://toyokeizai.net/articles/-/212352

「18歳成人」民法改正案を閣議決定 女性の結婚年齢上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2803728013032018MM0000/


そもそも、マルチ商法とは

 

そもそも、マルチ商法とは会員が新規会員を誘いその新規会員が更に別の会員を勧誘する連鎖により、階層組織を形成し拡大していく販売形態を意味します。
もともと、マルチ商法の正式名称は連鎖販売取引ですがいわゆる旧来のネズミ講との違いは、マルチ商法が名目上は「商品の販売を目的とする組織」であるのに対してネズミ講は金品の受け渡しだけを目的とする組織である点です。
したがって、ネズミ講が違法であるのに対してマルチ商法はネットワークマーケティングネットワークビジネスMLMなどと呼ばれますが、特定商取引に関する法律その他関係する法律を遵守する限り違法なものではありません。
つまり、マルチ商法に於いては必ず商品の販売を目的とする組織が構成されることがポイントで、階層組織により販売マージンが上の階層にバックされることが特徴です。

最近のマルチ商法の中で数多くの会社が問題になっていますが、特に、被害者数と被害金額が桁はずれに大きいのはジャパンライフフォーデイズです。
ジャパンライフは家庭用永久磁石磁気治療器の製造・卸・販売や化粧品の卸・販売、健康寝具の製造・卸・販売や栄養補助食品・清涼飲料水の卸・販売を行なっていましたが、ピークの昭和60年2月期には売上高1,509億円に達しここ数年間も200億程度の売上を維持していました。過去、何度となく「マルチまがい商法」として消費者庁から預託法や特商法違反で行政処分を受け、昨年、銀行取引停止処分を受け現在は事実上倒産しています。

フォーデイズ核酸ドリンクという清涼飲料水で「がんが治る」「目が治る」といった効能を謳い販売したとして、一部業務停止命令になったことが話題になりました。
フォーデイズのピーク時の年間売上高は429億ということで、抗がん剤でも年間429億円以上売り上げているのはオプジーボなど数種類しかないということです。

両社に共通していることは初期の会員が数万円から数十万円の投資をしなければならないことで、資金力と営業力のない会員は初期投資を回収することが難しいことです。
勿論、初期投資をしない方法も選択できますが、ただのユーザーならともかくビジネスとしては成り立ちません。
結局、資金力と営業力のある極々数パーセントほどの会員はビジネスが成り立ちますが、学生や若者などの資金力と営業力のない会員は初期投資を回収する前に行き詰まってしまいます。最後に残るのは借金と使うあてのない商品の山ということになります。


マルチ商法とカードローンはセット

 

この様に多かれ少なかれマルチ商法では初期の会員が数万円から数十万円の投資をしなければならない訳ですが、マルチ商法であるネットワークマーケティングネットワークビジネスMLMなどのメンバーの大部分は学生を中心とした若者です。
勿論、主婦やビジネスマンもいることはいますが学生を中心とした若者が一大勢力です。つまり、初期の会員の大部分はお金に余裕のない若者ですから、初期の数万円から数十万円の投資を賄うのはカードローンしかないのが現実です。
その結果、荒っぽいマルチ商法の会社の場合はメンバー登録を済ませると消費者金融会社に同行し、カードローンの申し込みを半強制的に行う会社も少なくありません。
そして、カードローンでキャッシングしたお金で初期投資に充てる訳です。
その結果、お金に余裕のない若者達に残るのは借金だけということになります。


成人年齢引き下げで親の同意なしでカードローンが作れることに

 

政府は3月13日に成人年齢を20歳から18歳に引き下げることを柱とした民法の改正案を閣議決定しました。改正案では大人として扱われる成人年齢が現在の20歳から18歳へと引き下げられ、喫煙や飲酒・競馬などについてはこれまで通り20歳までは禁止されたままとなりますが、女性が結婚できる年齢については16歳から18歳へと引き上げられ男性と同じになります。
加えて、民法の成人年齢が18歳になることで18歳~19歳でも親の同意なしにカードローンやクレジットカードの契約が結べるようになる一方で、親の同意がない法律行為を原則取り消すことができる「未成年者取消権」は失われることになります。
これらの民法の改正案は若者の消費者被害を防ぐ観点から十分な周知期間を設ける必要があるとして、引き下げの施行は2022年4月1日としており今国会での民法改正案の成立を目指しています。

この民法改正案を政府が閣議決定したことにより、18歳~19歳でも親の同意なくクレジットカードをつくったりカードローンを組んで高額商品を購入したりできるようになります。したがって、最も懸念されるのは18歳~19歳の若者が悪徳商法闇金に狙い撃ちにされて、消費者被害が拡大するのではないかということです。
特に、若者にとり耳障りの良いネットワークマーケティングネットワークビジネスという名のマルチ商法に、18歳~19歳の若者が餌食になるのではないかということが懸念されます。マルチ商法の常とう手段は一流ホテルやホールで大規模なイベントを開催し、有名歌手などを招いて雰囲気を盛り上げ政治家の名前をチラつかせて会社のイメージを作り上げます。
そして、そのイメージが冷めない内にマルチ商法に加入させ、カードローンでキャッシングさせて初期の投資をさせるという手口です。この様な大人のビジネスマンや主婦でも騙される人が多いマルチ商法の舞台装置を、未熟な18歳~19歳の若者たちが疑問を持つ筈はありません。18歳~19歳の若者が餌食になる前に何らかの歯止めが必要です。


成人年齢18歳は妥当なのか? 心理面では“発達途上”、18~20歳は「モラトリアム期間」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171227-00010007-abema-soci