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銀行カードローン残高の急ブレーキは消費者金融会社には痛しかゆしの現実

銀行カードローンへの社会的な批判の嵐の中で、9月からメガバンクを筆頭に各銀行はカードローンの自主規制に踏み切っています。もともと、同じカードローンでありながら消費者金融会社のカードローンは総量規制の対象ですが、銀行カードローンは総量規制の対象にならないという金融庁の不可解な行政が発端と言えます。
したがって、銀行協会は何とか自主規制で社会的な批判の嵐を抑え、総量規制の導入を避けたい思惑です。
その結果、9月を境目に銀行カードローンの伸びが抑制され、消費者金融会社のカードローンの減少幅が少なくなってきました。ただ、銀行カードローン残高の急ブレーキは消費者金融会社には痛しかゆしの現実があることも事実なのです。


消費者金融、復調? 銀行カードローン抑制の影響か 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2446302009122017EA1000/


消費者金融会社などのノンバンクのカードローンに復調傾向が見える

 

長らく減少傾向が止まらない消費者金融会社のカードローン残高ですが、9月からの数字は明らかに減少傾向に歯止めが掛かりつつあります。
日本貸金業協会の最新データによりますと、消費者金融会社の貸付金額は以下の通りで推移しています。前年同月比で6月が18.5%減・7月が17.9%減・8月が4.9%減・9月が3.7%減の790億円です。
つまり、7月までは前年同月比で2割近い減少を記録していましたが、8月から3%~4%の微減になっており直近はプラスに転換しているかもしれません。

それは、銀行カードローンが実質的に貸付金額の上限を年収の3分の1に抑えたり、
メガバンクや地銀がテレビCMを自粛するなどの自主規制の効果がジワジワと出ているからです。また、銀行カードローンが即日融資を停止したことも消費者金融会社のカードローンの追い風になっています。これまで銀行カードローンの中でも、特に、メガバンクのカードローンは即日融資を強調してきました。
中でも同じ系列グループにアコムとプロミスを持つ三菱東京UFJ銀行三井住友銀行は、系列のアコムとプロミスの融資ノウハウををフルに活用して審査のスピードを競ってきました。その行き着く先が即日融資でピークでは審査時間30分の場合もあるとの触れ込みでした。
ところが、9月からの銀行カードローンの自主規制の中にマネーロンダリングなどの犯罪との関連性もチェックすることが加わり、実質的に即日融資は不可能となっています。警察関連の情報機関へのチェックに数日は必要だからです。したがって、急いでキャッシングしたい顧客は消費者金融会社などのノンバンクに流れている筈です。


銀行カードローンは総量規制導入を恐れて自粛が続く

 

今、銀行業界が最も恐れているのは、金融庁が銀行カードローンに総量規制を導入することです。法律で総量規制が導入されると銀行カードローンの融資残高が更に減ることは明らかだからです。つまり、銀行カードローンの融資残高が更に減るどころか、桁違いに減少する可能性も否定できません。そうなると、銀行の業績が更に悪化する可能性が大きいのです。例えば、今2018年3月期の三井住友フィナンシャルGの売上は+1.3%増・純利益は-10.8%、みずほフィナンシャルGの売上は+0.2%増・純利益は-8.9%となっています。最大手の三菱UFJフィナンシャルGの売上は+0.3%増・純利益は+2.5%と微増ですが、三井住友フィナンシャルGとみずほフィナンシャルGは減益となっています。これらの数字は海外部門や証券部門の数字で表面上は何とか横這いトレンドを取り繕ってますが、国内部門は完全な赤字体質で内実は相当、苦しい状態に陥っています。

その様な状況を物語る様に、みずほフィナンシャルGはグループの事務を集約する方針を発表し、業務量の削減目標は2021年度には8000人分・2026年度には1万9000人分に増やす計画です。また、三菱UFJフィナンシャルGはAI導入などによる業務の自動化で2023年度までに9500人分の業務量を削減する方針ですし、三井住友フィナンシャルGも2020年度までに4000人分の業務を減らす方針です。
したがって、メガバンクに於いては業務の効率化や自動化で人員を減らし、部署や支店の統廃合も行われることになります。つまり、国内部門に於いては銀行カードローンが唯一の黒字部門で、後は証券会社や保険会社の商品を銀行窓口で販売して手数料を稼ぐしかありません。


銀行カードローンが減ると消費者金融も打撃を受ける構図

 

したがって、消費者金融会社などのノンバンクから見るとアゲンストがフォローに変化した様なものですが、消費者金融会社などのノンバンクにとって銀行カードローンの抑制はもろ刃の剣の面があります。
つまり、消費者金融会社などのノンバンクのカードローン残高は伸びる可能性がありますが、一方で銀行カードローンの残高が減ると信用保証業務からの収入が減るマイナス面も出て来るのです。アコムやプロミスなどの大手消費者金融会社はメガバンクや地銀のカードローンを保証することで、貸し倒れた時の損失を保証しその分の保証料を大きな収入源としているからです。9月末の大手消費者金融会社の銀行カードローンの信用保証残高は貸出金残高の1.5倍と見られますので、銀行が融資を抑えれば大手消費者金融会社の保証残高の伸びも鈍ることになります。

現在、アコムアコムの子会社エム・ユー信用保証が保証会社となっている銀行カードローンは、三菱東京UFJ銀行カードローンや千葉銀行カードローンなど21行におよび、
プロミスを運営するSMBCコンシューマーファイナンスが保証会社となっている銀行カードローンは、三井住友銀行カードローンや横浜銀行カードローンなど16行となっています。 既に、銀行と大手消費者金融会社は持ちつもたれずの切っても切れない関係になっているのです。


生活困窮者に「あぶく銭」で増える自己破産 「日本の貧困」はあの銀行が救う?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171203-00010005-nikkeisty-bus_all