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これから住宅ローンを借りる人は固定金利がお得

マンションや一戸建てを買って住宅ローンを組む時に、誰もが悩むのは変動金利にするのか固定金利にするのかということです。殆どの人は迷った挙句、銀行マンの推薦する変動金利を選ぶというパターンが多い様です。                  とりあえず、目先の返済額は変動金利の方が安いこともあり、35年間のシミュレーションをすると総返済額に大きな違いも出ます。しかしながら、今後、35年間に渡り現在の超低金利が続く保証があるのでしょうか?仮に金利が上昇すれば現在示されている変動金利の返済シミュレーションはただの紙くずです。本項ではこれから住宅ローンを借りる人の立場で住宅ローンの選択を考えます。


住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」元本が減りにくいのはどっち?
https://zuuonline.com/archives/179289


現在の金利水準を確認する

 

現在の金利水準が史上最低レベルであることは中学生でも知っていますが、それでは、どの程度、現在の金利水準が低いのかを確認する必要があります。まず、直近の金利水準は以下の通りです。

年月     変動金利   35年固定
2016年7月  0.497%    1.350%
    8月    0.497%          1.290%
            9月      0.497%          1.350%
          10月      0.497%          1.070%
          11月      0.497%          1.020%
          12月      0.497%          1.110%
2017年1月      0.447%          1.150%
            2月      0.447%          1.150%
            3月      0.447%          1.110%
            4月      0.447%          1.200%
            5月      0.447%          1.130%
            6月      0.444%          1.150%
            7月      0.444%          1.180%
            8月      0.444%          1.200%
            9月      0.444%          1.190%
2017年10月    0.447%          1.155%

上記の様に過去1年間の金利動向を見ますと変動金利は今なお過去最低の水準を保っています。また、35年固定金利については昨年夏の水準には及ばないものの、やはり過去最低水準に近い低金利水準となっていることが解ります。
それでは、もっと長いレンジで過去の金利水準を確認しますと、バブルの余波が残る1990年代の変動金利は8%を超えていました。また、10年固定金利は2000年頃から長く3%台後半から4%の水準が続きました。

それらの過去の金利水準に比較して2017年10月現在の変動金利は0.447%で、10年固定金利は0.650%で35年固定金利は1.155%となっています。 つまり、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準ですし、10年固定金利も2.5%程度低い水準です。
また、35年固定金利(フラット35)は最近のピークの2008年6月2.77%に比べて1.6%程度低くなっています。つまり、変動金利も固定金利も文句の付けようのない過去最低水準なのです。


銀行はどうして変動金利を奨めるのか?

 

上記の様に現在の住宅ローンの金利水準は過去最低水準で、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準で、35年固定金利も最近のピークに比べて1.6%程度低くなっています。つまり、逆の見方をすれば変動金利は8%まで上昇する可能性があり、35年固定金利も3.5%程度まで上昇する可能性は十分にあると言えます。

そんな環境下で銀行はどうして変動金利を勧めるのでしょうか?
銀行が変動金利を勧める理由の1つ目は変動金利の場合、銀行が背負うリスクはゼロだからです。銀行が背負うリスクはゼロばかりか、銀行は住宅ローンが完済されるまで利ザヤを稼ぐことができます。
一方で固定金利金利上昇のリスクを銀行が背負う仕組みです。現在、35年固定金利は1.155%ですが、仮に市場金利が2%上昇しても銀行は1.155%で貸し続けなければなりません。つまり、完全な逆ザヤ状態になります。
ただ、実際のところは住宅ローンという公共性を考慮して、フラット35の金利上昇リスクは最終的に国が肩代わりする仕組みで銀行に損は及びませんが銀行は儲けることはできません。

銀行が変動金利を勧める理由の2つ目は、35年固定金利の融資額に上限が設定されているからです。申込者個別に融資額に上限が設定されている訳ではなく、銀行の支店や部署ごとに融資額に上限が設定されています。
したがって、銀行の担当者は何とかして変動金利を決めようとします。特に、強調するのは住宅ローンの当初の返済額が格段に少ないことです。住宅を買う時には頭金は勿論のこと様々な経費が掛かりますので、誰もが住宅ローンの当初の返済が少ない方が有り難い訳です。また、固定金利を希望する申込者に対しては10年固定金利などを勧めて、何とか35年固定金利の割合を落とそうとします。
しかしながら、銀行の利益の反対方向に申込者である個人投資家の利益がある訳で、
その意味からは35年固定金利が最も理にかなっていると考えられます。


結局のところ、住宅ローンは金融商品である

 

ここまで述べてきました様に結局のところ、住宅ローンも金融商品であることに変わりはありません。つまり、金融商品で預金か株式のどちらを選ぶのか、或は、株式のどの銘柄を選ぶのかということと同じ様に、変動金利か固定金利のどちらを選択するかを考えなければなりません。
その意味では自分がリスクを取るよりも銀行にリスクを取らせた方が良いに決まっていますから、住宅ローンの選択は固定金利に軍配が上がると言えます。
特に、どうせ選ぶなら35年固定金利を選ぶべきと考えます。変動金利のリスクは金利が8%程度まで上昇する可能性があるのに対して、35年固定金利で考えられる唯一のリスクは35年間金利が上昇しないことだけです。
仮に、35年間に渡り金利が一度も上昇しない場合にのみ、35年固定金利の返済総額は変動金利の返済総額を上回るリスクが出てきます。しかしながら、35年固定金利の返済総額は金利が上昇しても一銭も増えることはありません。

くれぐれも、銀行マンの推奨や目先の返済額の少なさに引かれ、変動金利を選択することの無い様に注意しなければなりません。
ここ数年間の金利は大きく上昇する状況ではありませんが、東京オリンピックパラリンピックが終わり好況にピリオドが打たれると、不況・金利高のスタグフレーションに襲われるかもしれないからです。


三菱UFJ信託、新規住宅ローン撤退 18年4月 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22855390Z21C17A0MM8000/