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カードローン事業の頭打ちで手数料収入に頼る銀行経営

銀行の業績に暗雲が垂れ込めてきました。
もともと、ゼロ金利政策の下で利ザヤが取れない上に、大企業は金余りで2社に1社は無借金経営です。その上、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も最近のバッシングの影響で自主規制に踏み切り、今後、実質的に総量規制と同じ程度の規制を敷くことになりました。その結果、銀行の生きる道は各種手数料収入しかなくなってきました。
そんな中で、特に、期待できるのは個人年金投資信託を販売して得られる販売手数料です。しかしながら、個人投資家の目線で考えると、この販売手数料はカードローンの金利と同じで法外の高さなのです。本項では販売手数料の高さと固定手数料の問題点を考えます。


個人年金投資信託なんて、やってはいけない…手数料で儲ける金融機関、損する顧客
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3044765


カードローン事業の頭打ちで銀行経営は冬の時代へ

 

今2018年3月期のメガバンクの業績予想は一言で言えば横這いトレンドです。
ちなみに、三菱UFJフィナンシャルGの売上は+0.3%増・純利益は+2.5%の予想ですが、三井住友フィナンシャルGの売上は+1.3%増・純利益は-10.8%、みずほフィナンシャルGの売上は+0.2%増・純利益は-8.9%となっています。
まだ、表面上は横這いトレンドを装っていますが、海外部門や証券部門の数字で何とか横這いトレンドの数字を取り繕った形です。

内実は先日の日経新聞でも報道されましたが、今後、3メガバンクは大リストラ時代を迎え3.2万人分の業務を削減するとのことです。  みずほフィナンシャルGでは今後、グループの事務は集約し、自動化する定型の事務作業も100業務に拡げる予定です。
業務量の削減目標は2021年度には8000人分・2026年度には1万9000人分に増やし、
浮いた人員は都市部の支店を中心に投入し収益力を取り戻す狙いだということです。
また、三菱UFJフィナンシャルGはグループ内の経営体制の再構築や徹底的なデジタル技術の活用による効率化を柱とした長期ビジョンを公表し、自動化で2023年度までに9500人分の業務量を削減する方針です。
同様に三井住友フィナンシャルGも2020年度までに4000人分の業務を減らす方針です。
また、同時に支店の統廃合など大規模な見直しも始める予定で、みずほ銀行は今後3年をメドに20~30店舗を統廃合する予定です。
表向き各フィナンシャルGはAIの普及やデジタル技術による効率化による合理化と説明していますが、実際には日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため、数千人単位で新卒を大量採用し全国各地の店舗に配置する従来のビジネスモデルの維持ができなくなっているのです。

つまり、従来の銀行のビジネスモデルが機能しない局面に差し掛かっているとも言え、
銀行は儲からない時代に突入しているとも言えます。
それに加えて、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も自主規制に踏み切り、今後、今までの様な伸びは期待できそうにありません。そこで、考えられるのは海外部門を伸ばすことと手数料収入を伸ばすことです。


金融商品の拡販しか残された道はない

 

例えば、現在、最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行のホームページを開き「個人のお金をためる・ふやす」ページを見ますと、円預金・公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険という順でメニューが示されています。
この中で公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険は銀行が販売することにより、何らかの手数料が銀行に入る仕組みになっています。
そのために、銀行側は新入行員に銀行員としての研修に加えて、有価証券を販売するための資格である証券外務員資格等を取らせます。例えば、証券外務員資格を取った行員は投資信託の販売は勿論のこと、銀行の金融商品仲介により様々な有価証券を販売して手数料を稼ぐ訳です。
一方、個人投資家の目線で見ますと、それらの手数料は非常に見え難くなっています。
例えば、前出の三菱東京UFJ銀行のホームページで投資信託のページから個別のファンドのページに入りますと、確かに手数料が掛かることは明示されていますが、一体、手数料率は何パーセントなのかはさらに発行目論見書を見ないと解らないようになっています。つまり、銀行に都合の良いことは解り易く強調されていますが、都合の悪いことは小さな字で見え難く書かれている訳です。
この様なコンセプトは銀行カードローンと全く同じコンセプトで、三菱東京UFJ銀行のカードローンである「バンクイック」の適用金利は年率1.8%~14.6%となっており、
年率1.8%を期待して申し込むと結局のところ大部分の人の適用金利が年率14%前後になるのと同じ構図ではないでしょうか。


個人投資家はこんなに高い各種手数料を払っている

 

それでは、個人投資家が払っている実際の各種手数料の料率はどのくらいなのでしょうか?例えば、投資信託の手数料には意外に知られていませんが3つの手数料があります。まず、投資信託を買ったことがある人なら誰もが知っているのが投資信託の販売手数料です。販売手数料は証券会社や銀行などの窓口やインターネットなどで購入する際にかかる手数料で、通常、ゼロ~4%程度となっています。
但し、販売手数料は外枠方式と内枠方式があることに気が付かない人も多い様で、
販売手数料3%で100万円のファンドを購入した場合、外枠方式ですと払込金額が103万円ですが内枠方式は100万円となります。
ところが、内枠方式のスタート時の基準価格は10,000円に対して9,700円からのスタートとなりますので、実質的にはどちらも同じ3%の手数料を取られていることなります。また、最近は全く手数料がゼロのノーロードの投資信託も出ていますので、しっかり見極めることが大事です。

2つ目の手数料は信託報酬で投資信託の運用会社に対する報酬を意味します。
毎日日割りで計算され少しずつ差し引かれていきますので目に見えない手数料ですが、
年間の手数料は0.2%~2%程度となっています。さすがに、この手数料は投資信託の目論見書を見なければ解りませんし、銀行の営業担当者も説明してくれることはありません。

3つ目の手数料は信託財産留保額と言う名称の手数料が、ファンドを途中で解約したり売却した際にかかる手数料です。掛からない場合も多いですが年間の手数料はゼロ~0.5%程度となっています。

この様に投資信託の手数料は合計すると非常に高率になる場合があります。
ファンドによっては3つの手数料を合計すると毎年3%程度の手数料負担になる場合があります。特に、投資信託を3年以内で解約すると手数料の負担が大きくなることになります。また、年金や保険の形を取りながら貯蓄性の高い金融商品は、実質的に投資信託と変わらない商品も少なくありません。
いずれにしても、これらの金融商品から得る手数料収入で、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社が収益を上げている訳です。
つまり、高い運用利回りを求めて個人投資家はこれらの金融商品を買う訳ですが、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社に高い手数料を払っていることを忘れない方が良いでしょう。
高い手数料を支払っても高い運用利回りが確保されるのなら理解できますが、投資信託を初めてとして年金・保険などに元本を割れる商品も少なくないことを知らなければなりません。


金融商品の手数料は成功報酬がベスト

 

上記の様に我が国の投資信託を初めてとした年金・保険などの手数料は大部分が固定手数料です。固定手数料は運用が計画以上に上手く行われた場合は個人投資家には有利な手数料体系です。例えば、投資信託で国内株式型のファンドが年率+50%の運用成績を上げたとします。このファンドの手数料が年平均で3%としますと、個人投資家は差し引き+47%の運用益を手にします。
一方で、このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合は、個人投資家は-20%の運用損失に加えて3%の手数料を支払わなければなりません。つまり、固定手数料は運用リスクを個人投資家側が負う手数料体系と言えます。

一方、成功報酬制では同様のファンドが+50%の運用成績を上げた場合、あらかじめ決められた料率で成功報酬が支払われます。例えば、運用益の20%を成功報酬と定めていた場合は、個人投資家の手取り収益は+40%になります。
このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合の成功報酬はゼロとなりますから、個人投資家は運用損失だけを負担すればよいのです。

我が国の投資信託や年金・保険商品にこの様な成功報酬制が定着しないのは、やはり、運用サイドが常に運用益を確保する自信が無いためと考えられます。
欧米の多くのアセットマネジメント会社は完全成功報酬制の手数料体系となっています。勿論、何年かに一度は運用成績がマイナスになることもありますが、運用収益が大きく稼げる時に運用益と成功報酬を稼ぐ手法が定着しています。
我が国の銀行や証券会社・生命保険会社に於いても早くこの様な成功報酬制の手数料体系が定着すれば、初めて運用サイドと個人投資家が同じ船に乗ることになるのですが、
果たしていつ頃、実現できるのでしょうか?
いずれにしても、銀行カードローンも含めて、銀行に無駄な手数料を支払うことの無いように注意しなければなりません。


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