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とうとう消費者金融・銀行カードローンに対抗する第3のローンが登場した

度々、本項でも消費者金融会社や銀行カードローンの金利の異常な高さと、殆どまともな審査を行わない仕組みやシステムに対する疑問を投げかけてきましたが、とうとう消費者金融会社や銀行カードローンに対抗する第3の本格的な消費者ローンが登場しました。本項では第3の本格的な消費者ローンの仕組みと従来のカードローンとの違いを考えます。


消費者金融でもカードローンでもない「第3の貸し手」の仕組みとは
http://diamond.jp/articles/-/147736


第3の本格的な消費者ローンとは?

 

9月25日、みずほ銀行ソフトバンクが共同で株式会社J.Score(ジェイスコア)を設立し、新たな個人向け融資サービスを開始しました。
2016年11月に設立された株式会社J.Score(ジェイスコア)の資本金は50億円で、みずほ銀行ソフトバンクが50%づつ出資しています。もともと、メガバンク3行の中でも、みずほ銀行のカードローン戦略は三菱東京UFJ銀行三井住友銀行とは一線を画してきました。三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミスを傘下に収めましたが、みずほ銀行は「消費者金融会社との提携効果は期待できない」として系列に消費者金融会社を持ちません。
したがって、カードローンの保証会社も三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミス系列の保証会社を採用しているのに対して、みずほ銀行のカードローン保証会社は株式会社オリエントコーポレーションです。

この様な環境下でみずほ銀行は全く新しいFinTechブランドとして、最新のテクノロジーを活用したビッグデータ・AIによる明快な審査のスコア化を行なう第3の消費者ローンを開発した訳です。そして、今後のFinTech・ビッグデータ・AIのイノべーションに備えてソフトバンクと共同で新会社を設立しました。
ソフトバンクにとってもグループ内にはネット銀行のジャパンネット銀行があるだけで、メインバンクでありメガバンクであるみずほ銀行と新しいFinTechブランドを立ち上げる意義は十分にあると言えます。つまり、今回、J.Score(ジェイスコア)は個人向け融資サービスを開始しましたが、同社は今後、個人向け融資サービス以外の新しいFinTechサービスを目指している訳です。


スコアレンディングのの審査の仕組み

 

J.Scoreジェイスコアでは新しい個人向け融資サービスをスコアレンディングと呼びます。スコアレンディングと聞くと正直イメージが湧きませんが、実質的にはカードローン商品の様な消費者ローンであることに変わりはありません。
ただ、審査のコンセプトが従来のカードローンと全く違うということで、従来のカードローンとの差別化を図るためにスコアレンディングというネーミングを採用したと考えられます。つまり、スコアレンディングの個人向け融資サービスはユーザーが年齢や学歴・年収などのいくつかの質問に答えると、ビッグデータ解析に基づいて人工知能AIが1000点満点でユーザーの信用力をスコア化する仕組みで、スコアが高いほど多くの金額を低い金利で借りられる仕組みとなっています。

まず、スコアレンディングではビッグデータとAIによって算出された1,000点を上限とするAIスコアが計算されますが、ネット経由のスコアレンディングからの具体的な質問内容は以下の通りです。
「生まれた年と月・性別・最終学歴・勤務形態・業種・職種・企業規模・勤務年数・年収・既婚未婚・子供の有無・同居家族の有無・同居家族の人数・現住所の郵便番号・住居タイプ・居住年数・住宅ローンや他の借入の有無・借入件数・借入総額」
このスコアレンディングのAIスコア算出に当たり以下の但し書きがあります。
『AIスコアは20歳以上でかつ日本国内に居住されているお客さまが利用されることを前提としています。AIスコアが提示されたときも、実際のスコアレンディングのご利用申込の際に実施する別途の審査結果によっては、 スコアレンディングをご利用頂けない場合やAIスコア提示時に示したものとは異なる極度や金利水準でのスコアレンディングのご利用となる場合があります。AIスコアは当社独自の算出方法によってご提示するものであり、他の金融機関等でお借入を受けられることなどを保証するものではありません。AIスコアはお客さまがご入力された情報やその他情報、お客さま情報の蓄積などに応じたAIスコアロジックの変化などにより変動することがあります。事後的に実施する審査によってAIスコアの提示を停止することがあります。この場合、スコアレンディングはご利用頂けません』

上記のスコアレンディングからの具体的な質問内容は、実質的には銀行や消費者金融会社でカードローン審査を受ける際の質問事項と大きな違いはありません。
つまり、従来のカードローンがそれらを担当者が人為的に処理しているのに対して、
スコアレンディングのAIスコア計算は全てAIが行うのが大きな相違点です。
しかしながら、上記に敢えて掲載した但し書きをよく読みますと、AIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まる訳ではないと書かれています。恐らく、大部分のケースではAIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まると考えられますが、
人為的な審査の範囲を残したと考えられます。

スコアレンディングの個人向け融資サービスの融資条件などの詳細は以下の通りです。
貸付利率(年率)0.9%~12.0%
契約極度額   10万円~1,000万円
(全てネット完結スマホ・PCのみでスピーディーに対応・スコアアップによりより良い条件でご利用の検討が可能・
さまざまな特典・キャンペーンを用意)

AIスコア    貸付利率(年率)  契約極度額
950~1000    0.9%~2.1%    10万円~1000万円
900~949     1.9%~3.7%            10万円~730万円
850~899             3.5%~5.4%            10万円~540万円
800~849             5.2%~7.0%            10万円~400万円
700~799             6.8%~9.5%            10万円~260万円
600~699             9.3%~12.0%         10万円~150万円
400~599     N/A                          N/A

スコアレンディングの申込み手順は以下の要領です。
スマホ・PCからAIスコア診断実施の後、スコアレンディングを申し込みます。
             ↓
入力された内容をもとに仮審査を行い、仮審査結果をメールにて受け取ります。
             ↓
仮審査結果を確認のうえスマホ・PCからWEBアップロードにて本人確認書類と収入証明書類を提出します。   ↓
提出した本人確認書類等を含め本審査を行い、本審査結果はメールにて受け取ります。


従来の消費者金融・銀行カードローンの審査の仕組み

 

従来の大手メガバンクカードローンの審査は最も早い場合は、最短30分の審査で即日融資も可能と大々的に宣伝されています。ネット経由で仮審査時に入力する主な項目は、名前・職業・生年月日・性別・独身・既婚・自宅電話番号・携帯電話番号・保険の種類・年収・金融機関からの借入金額などです。
また、銀行の窓口で受ける審査の印象も非常に当たり前の表面的な審査の印象で、上記の項目のチェックは同じです。これらに加えて個人信用情報機関にチェックが入りますが、過去に延滞や金融事故の履歴が無い人は直ぐに審査が終了となります。
稀に、勤務先に在籍確認の電話を掛ける場合もありますが全員ではありません。
大手銀行のカードローンの多くは保証会社にアコムとプロミスの系列会社を採用しています。したがって、実質的な審査項目は消費者金融会社と大差無いのが現実です。

また、大手消費者金融会社の審査内容も上記の銀行カードローンの審査の仕組みと同様ですが、大手消費者金融会社の審査に於いては他社借入があるか否かについてのチェックが行われています。例えば、総量規制に該当しない場合でも、他の消費者金融からの借入れが5件以上あると審査をパスすることはできない場合があります。
また、直前に他社のカードローンに何度も申し込みを繰り返している場合も審査をパスできない場合があります。


結局、スコアレンディングは何が違うのか?

 

まず、ローンの申込者に対する確認事項や質問項目の内容は、スコアレンディングの場合も従来のカードローンの場合も大差ありません。只、それを判断するのがスコアレンディングはAIが判断し、従来のカードローンの場合は人間が判断しているところが大きな違いです。また、スコアレンディングはビッグデータ・AIによる明快なスコア化を打ち出しており、個人のAIスコアが瞬時に計算され明確に個々に伝えられます。
一方、従来のカードローンの場合もクレジットポイントと称されるポイントが計算されている様ですが、クレジットポイントが個々の申込者に伝えられることはありませんし、どうして審査にパスできなかったのかも申込者は知る由もありません。
この点はスコアレンディングは一歩先に進んだと言えます。
また、スコアレンディングはAIを使った審査やネット経由のスピーディーな手続き・すべてがネットで完結するシステムと、店舗を持たないローコストなオペレーションでローン金利を低く設定できることが強調されています。
上記の適用金利一覧を見ても、AIスコアが950~1000の場合の適用金利は0.9%~2.1%となっています。

一方で果たして申込者の何割の人がAIスコアが950~1000に該当するのかは未知数です。銀行カードローンの様に最も利用が多い50万円~100万円の利用者の適用金利が、
年率14%前後と言う様なことがないとは言い切れません。
スコアレンディングもAIスコアが600~699の場合は適用金利が9.3%~12.0%となっているからです。つまり、スコアレンディングも年率12%という金利が有り得る訳で、このゾーンを利用する人が多ければ第3の本格的な消費者ローンと言ったところで大きなインパクトはありません。

J.Score(ジェイスコア)によりますと、スコアレンディングの開始から2週間ちょっとで既にアクセスは8万人で、AIスコアの判定をした人は5000人を数えたということです。また、アクセスした人の6~7割は20~30代の若い層で平均年収は高めで、スコアも高めの700~800点台を出す層がボリュームゾーンだったということです。
同社の分析では銀行カードローンよりも信用力が高い顧客層がアクセスしているイメージで、従来だったらお金を借りなかった層が借りようかと思ってくれ潜在的なニーズを掘り起こしている手応えがあるとのことです。
果たして、同社の目論見通りになるかは解りませんが、スコアレンディングの最も多い適用金利が9.3%~12.0%となることだけは避けて欲しいものです。いずれにしても、暫くスコアレンディングの動向から目を離せません。


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