借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

いよいよ、貸金業法の改正に向けて国会が動き出すタイミングが来た

野放しにされてきた銀行カードローンに対し社会の厳しい目が注がれ始めていますが、
早ければ9月25日からの週に予定される臨時国会で銀行カードローンについて議論される場が訪れるかもしれません。
4月25日の参議院財政金融委員会で共産党議員の質問に対して、金融庁の遠藤俊英監督局長はカードローンの問題点について「銀行あるいは全国銀行協会と議論を行ってきた」と答弁しました。しかし、その後、銀行協会は自主規制のそぶりを見せつつも、何の進展も無い中で銀行カードローン貸出残高と自己破産の申請件数は増え続けています。そこで、貸金業法の改正に向けて行政側の金融庁が全く動かないのであれば、国民の代表で構成され唯一の立法機関である国会の出番であると考えます。


銀行カードローンで自己破産続出 高まる批判 規制求める声
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-23/2017082306_01_1.html


銀行カードローン残高が貸金業者カードローン残高を逆転してから5年も経過している

 

金融庁に対する忖度が働いているのか銀行に対する忖度が働いているのか解りませんが、銀行カードローン残高が消費者金融会社などの貸金業者カードローン残高を逆転したのは2012年のことです。
しかしながら、大手メディアは余りこの事実を報道したがりません。消費者に直結する話題ですから新聞の社会面やテレビのアフタヌーン番組で取り上げられても不思議はありませんが、なぜか取り上げるメディアを見かけません。
銀行カードローンの貸付残高は安倍晋三内閣発足後の2013年から急増し始め、2016年には5兆4,377億円に上り消費者金融会社など貸金業者の貸付残高2兆5,544億円の2倍を超えました。一方で減り続けていた個人の自己破産の申請件数は昨年から増加傾向にトレンドが変化しています。この背景に2006年から導入された貸金業者に対する総量規制があることは、誰もが認めるところです。


2006年の貸金業法改正で総量規制が導入された

 

貸金業法とは消費者金融会社などの貸金業者の事業について定められた法律ですが、
2006年に改正案が成立した改正貸金業法の主な内容は「グレーゾーン金利の廃止」「ヤミ金融対策の強化」「貸金業の適正化」の3つです。
その「貸金業の適正化」については多くの規制強化や禁止事項が設けられましたが、
その中の規制の1つに「総量規制」があり現在に至るまで消費者金融会社などの貸金業者に大きな影響を与えています。「総量規制」では年収による借入の制限が設定され、
貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は新規に借入を行うことができなくなりました。
一方で「総量規制」の例外として、専業主婦(主夫)は年収が足りない場合でも配偶者の同意があれば借入が可能なケースを設けました。したがって、2006年に貸金業法の改正案が成立してから10年以上が経過し、「貸金業の適正化」は成果を収めつつあると言えます。


銀行は年収の3分の1どころか年収を超えるカードローン融資を行なっている

 

一方で新たな問題点として「総量規制」の枠外である銀行カードローンの問題が浮かび上がっている訳です。例えば、銀行カードローンを利用する理由は「生活費不足」38.1%が多数を占め、「冠婚葬祭費」6.1%・「医療費」5.6%・「住宅ローンの支払い」4.1%と生活に困って借りている人が殆どです。
つまり、生活費が足りなくて銀行カードローンを利用した人が、その後の返済に苦労することは容易に想像できることです。また、日弁連の調査では、銀行から433万円借りた年収356万円の40代女性が自己破産した例や、銀行から500万円借りた年収220万円の60代女性が自己破産した例や、銀行から960万円借りた年収226万円の50代男性が自己破産した例が報告されています。これらの事例を見ますと、銀行がカードローン融資に際して何の審査もしていないことが解ります。
金融庁は上記の例と、改正貸金業法の「総量規制」との整合性をどうやって図るつもりなのでしょうか?銀行が年収を上回るカードローン融資を続ける中で、消費者金融会社などの貸金業者は総量規制でがんじがらめです。
このままでは消費者金融会社などの貸金業者が絶滅し、銀行だけが生き残るカードローンの世界が見えてきます。
そこで、いっこうに重い腰を上げようとしない金融庁に対して、とうとう国会の場で野党の追及が始まりそうです。


秋の臨時国会は9月25日の週から

 

先週、自民党二階俊博幹事長と公明党井上義久幹事長は、臨時国会を9月25日の週に召集する考えで一致しました。臨時国会では地方経済の底上げを図るため政府に2017年度補正予算案の編成と、秋の臨時国会への提出を要請する方針で一致しました。
また、長時間労働を是正する働き方改革関連法案や「同一労働同一賃金」に関する労働契約法などの改正が焦点になる筈です。
他にも提出予定の法案が多く貸金業法の改正に向けた地ならしはこれからですが、
せめて、両院の財政金融委員会などで貸金業法の改正に向けた議論を進めて貰いたいものです。


貸金業法の改正が行われるなら新しいコンセプトの銀行カードローンを考えるべきだ

 

現在、銀行カードローンと消費者金融会社などの貸金業者のカードローンに基本的な違いはありません。ただ、審査によりますが銀行カードローンの方が限度額が大きくなる場合があり、その分、適用金利が低い設定になるということがありますが、最も利用者数が多い50万円~100万円のカードローンの適用金利は、銀行カードローンも消費者金融会社などの貸金業者のカードローンも年利で14%~18%と高い金利設定です。
つまり、実質的には全くコンセプトに違いが無いにも関わらず、銀行カードローンは総量規制の適用外で消費者金融会社などの貸金業者のカードローンは総量規制が適用されるところが理不尽なのです。もともと、銀行にはモラルが期待できるので規制する必要が無いという議論もありましたが、現在の銀行のモラルハザードは酷いものです。
そこで、もし、貸金業法の改正が行われるとすれば、新しいコンセプトの銀行カードローンを考えるべきではないでしょうか?
例えば、適用金利が年率10%以上の銀行カードローンは総量規制の対象に組み込み規制しますが、適用金利が年率7%以下の銀行フリーローンは総量規制の適用外にするなども考えられることです。
つまり、収入や過去の履歴などに全く問題が無くクレジットポイントが高い人向けに、
制限なしで適用金利が年率7%以下の銀行フリーローンを用意する訳です。
一方で年収が少なく返済能力が低い人には総量規制を適用する訳です。
そうすれば、少なくとも現在の銀行カードローンの様に相手の返済能力を無視して、
むやみにカードローン融資するスタイルは通用しなくなる筈です。野党の国会議員の奮起を望みたいと思います。


1人でも多くの人に伝えたい、お金に困った時に知っておくべき5つの知識!ヤミ金から借りてしまうと、その先に待ってるのは地獄だけです。
http://news.cardmics.com/entry/okane-komatta-taisho/