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好調な銀行カードローンの裏で3メガバンクは政治献金を再開していた

消費者金融会社カードローンなどへの総量規制が導入される前の2010年3月に於いて銀行カードローン融資残高は約3兆2,000億円でしたが、6年後の2016年3月には約5兆6,000億円へ1.75倍増加しました。
つまり、平均すると毎年30%近く融資残高を伸ばした計算になりますが、これは他の融資が伸び悩む中で突出した異常な数字と言えます。時を同じくして3メガバンクは政治献金を再開していますが、これは単なる偶然ではなさそうでその背景を探ってみました。


自己破産者も急増…銀行カードローンの高利息を専門家が解説
http://www.excite.co.jp/News/society_clm/20170728/Jisin_29915.html


銀行カードローンが批判されるこれだけの理由

 

このところ、銀行カードローンに対する批判が強まっていますが、その理由の1つ目は銀行が過剰融資している可能性が高いからです。消費者金融会社などの貸金業者は総量規制が導入されて以降、カードローン融資残高を大幅に減らしています。
つまり、それまで如何に年収の3分の1を超える融資が多かったかということの裏返しとも言えます。一方で銀行カードローンは総量規制の対象外ですから、総量規制で貸金業者からカードローンを断られた人の受け皿になっている訳です。先の金融庁の調査では銀行カードローン利用者のうち、3年以内に貸金業者からもお金を借りた経験のある人の割合が63.7%に上っています。
銀行カードローンに対する批判の2つ目は、収入証明書なども不要でスマホなどから短時間でカードが作成できることです。また、銀行という安心感と親近感を背景にテレビコマーシャルをバンバン流して銀行カードローンの便利さを強調していますが、カードローンの適用金利消費者金融会社並の年率15%前後が最も多いのです。
その結果、最近の自己破産や個人再生など借金苦にあえぐ人の増加は、銀行カードローンが原因だと問題視されています。


何故、銀行カードローンを規制しないのか?

 

銀行カードローンに対する批判は朝日新聞などの一部左寄りのメディアに限らず、最近は日経新聞弁護士会からの批判にまで発展しています。また、現在のカードローンに対する総量規制は銀行有利・消費者金融会社不利という構図だけではなく、消費者金融会社を傘下に持つ銀行グループだけが甘い蜜を貪る構図とも見えます。
その様な環境下で最も被害を受けているのはカードローン利用者ですが、独立系の貸金業者も不利な戦を強いられていると言えます。
従って、金融庁は直ぐにでも銀行カードローンを規制すべきですが、金融庁に全くその気は無い様に見えます。

現在、金融改革の先陣に立つ森信親・金融庁長官の関心は証券会社に向けられているからです。4月に都内で開催された講演では、数多くの証券関係者を前に「消費者の利益をかえりみていない」と投資信託販売の現状を厳しく批判して話題になりました。
この日本証券アナリスト協会が主催した国際セミナーは証券業界関係者が数多く出席しメディアなどの注目も集めやすい場ですが、そこであえて森長官は「これまでのやり方を続けていては、今後10年経っても20年経っても何も変わらす日本の資産運用業は衰退していく」と述べ、「まずくて高いレストランは淘汰されていく」と続けました。
確かに日本の投資信託の現状が「消費者の利益をかえりみていない」のは明らかで、
高い手数料に対して運用成績の悪いファンドが如何に多いことか例を上げればキリがありません。

しかしながら、「消費者の利益をかえりみていない」のは投資信託だけではありません。むしろ、もっと影響の大きい銀行カードローンが「消費者の利益をかえりみていない」のも明らかです。また、どちらかと言えば富裕層が自己責任で買う投資信託に対して、生活費に喘ぐ人が利用する銀行カードローンの方が事態が切迫していると言えます。従って、規制のプライオリティは格段に銀行カードローンの方が高いのですが、
金融庁は全く規制する気は無い様です。


2014年にメガバンクの政治献金が復活していた

 

銀行界は公的資金の注入を受けて1998年から政治献金をやめていましたが、2015年版の政治資金収支報告書によりますと三菱東京UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループは、アベノミクスの失速やマイナス金利政策などで業績に向かい風が吹く中で18年ぶりに2,000万円づつの政治献金を再開しました。
このような18年ぶりの政治献金再開で注目されるのが3メガバンクの業績です。アベノミクスの失速や日本銀行の導入したマイナス金利政策などで3メガバンクの業績見通しは悪化しているため、メガバンクに有利な条件を引き出すための献金と見られているからです。

また、従来の銀行の稼ぎ方で儲けがでなくなっている現在、これまで重視されてこなかった個人向け融資が新たな収益源として注目を集めています。2010年以降、経営が厳しくなった消費者金融各社が相次いでメガバンクの傘下に加わったことで、銀行は個人向け無担保融資のノウハウを入手し相次いで銀行カードローンの提供をはじめました。
銀行カードローンは消費者金融カードローンと比べて大きな限度額と低い利率を武器に急速に貸付残高を伸ばし、カードローンに代表される個人向け無担保融資は銀行の新たな収益源として注目を集めています。
つまり、メガバンクの政治献金は、これらを維持し政治的な発言力を増すことが目的の献金と見られても仕方ありません。

その様な動きの中で金融庁の森信親長官(60)の続投が決まっています。金融庁発足以来、3年にわたって長官を務めたのは五味廣文氏・畑中龍太郎氏の2人のみですが、今回の異例の人事の背景には官邸の強い要請があったと言われています。
金融庁関係者によりますと「森長官は麻生太郎財務相菅義偉官房長官からの評価が共に高いという珍しい官僚です」とのことです。
これだけ銀行カードローンが批判される中で全く銀行カードローンを規制しようともしない金融庁、そして、メガバンクの政治献金復活と金融庁長官の続投という一見、無関係の出来事ですが、裏で繋がっているとすれば許せない事態です。
数年後に金融庁長官を退任した森氏がヨーロッパのどこかの大使にでも就任していれば、上記の関連性が証明できる筈です。

 

自己破産したからといってサラ金からの借金が帳消しされるとは限りません
http://www.yushi-navi.info/personal-bankruptcy/