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「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

カードローン利用者とフラット35利用者は自己破産予備軍の可能性

長引くゼロ金利時代の影響で長期の住宅ローンを組む人が増えていますが、特に、35年の住宅ローンは多くの問題が指摘されています。
35年の住宅ローンの適正な利用者は問題ありませんが、毎月の返済額が低いことに飛びついた利用者はカードローン利用者と根っこは同じで、どこかの国の財政赤字問題と同様で問題を先送りしたに過ぎません。35年住宅ローン利用者の問題点を探ります。


住宅購入の35年ローンは廃止すべき? 高確率で自己破産導く可能性も
http://news.livedoor.com/article/detail/13401894/


カードローン利用者と住宅ローン利用者のユニバース

 

無担保カードローンの利用者総数は約1,100万人以上と言われますが、2015年12月に行われた金融庁の「貸金業利用者に関する調査・研究」によりますと、「最近3年以内に借入申し込みをした」人は調査対象者のうちの8.7%でした。
従って、現在、カードローンを借入中の人は、少なくとも95万人は存在する計算になります。更に、その内の20%~30%は多重債務者か多重債務者予備軍と推定されますので、多重債務者か多重債務者予備軍は28万人以上もいるかもしれません。
ちなみに、 3年以内借入経験者のカードローンの利用目的上位3つは、「生活費不足の補填」38.1%・「欲しいもののための資金不足の補填」28.5%・「クレジットカードの支払い資金不足の補填」21.4%となっています。
また、3年以内借入経験者でかつ現在借入残高がある者のうち、総量規制抵触者(借入残高が年収の1/3を超える者)は19.7%となっています。

一方で平成25年度末時点の住宅ローン利用者数は915,594件です。うち35年の住宅ローンであるフラット35の利用者数は何故か正確な数字が掴めませんが、現在、半年で2万件~34,000件の人が新たにフラット35を申し込みつつあります。
つまり、少なくともここ数年は毎年5万件程度のフラット35の新規申し込みがあると考えられますので、少なくとも50万件ほどのフラット35の申込総数が考えられます。


フラット35の問題点

 

フラット35はいくつかの問題点を抱えていますが、1つ目のフラット35の問題点はローン期間が長過ぎることです。仮に30歳でフラット35を利用して住宅ローンを組んだ場合は65歳で住宅ローンを完済できます。
しかしながら、40歳でフラット35を利用して住宅ローンを組んだ場合は、住宅ローンの完済は75歳になってしまいます。現在の定年は60歳ですが将来65歳が当たり前になるとしても、65歳から75歳までの住宅ローンの返済はどうするのでしょうか?
恐らくその頃には年金の支給開始年齢は70歳に引き上げられていると考えられます。
つまり、50歳以上は論外ですが、40歳以上でフラット35を利用して住宅ローンを組む場合も将来にツケを残すことになります。

2つ目は35年間に渡り最初の返済額をキッチリ払い続けられる人が一体、何割いるのでしょうか?これまで日本社会を支えて来た終身雇用制は崩壊しつつあり、公務員を除いて35年間の雇用が保証される職業は少なくなっています。しかも、AIやロボットの進歩は著しく10年後には無くなる職業も増えそうです。
また、公務員にしても財政赤字の返済が全く進まない中で、いずれ公務員数の大幅削減と給与の削減が行なわれることは間違いありません。従って、35年間の所得を計算してローンを組むこと自体に無理があると言えます。

3つ目は10年後・20年後に不動産を誰が買うのでしょうか?
基本的に住宅ローンを組む人の心理の中に「何かあれば住宅を売れば良い」という心理があることは否定できません。例えば、家族の誰かが大病を患う、稼ぎ頭がリストラで失業する、離婚するなど将来的に様々なことが考えられます。
その様な場合でも今までならば、不動産を売却することで住宅ローンを解消することができました。果たして人口減少社会の中で不動産を買う人が、今後、増えるとは考えられないのですが・・・。

4つ目は金利の問題です。
日銀総裁でも2年後の金利を予想できない環境の中でフラット35を長期の固定金利で借りた場合はまだマシですが、変動金利型の場合は将来的に金利が急騰した場合に返済額が2倍・3倍になることが考えられます。
理論的には金利が上がれば不動産も上がりますが、金利上昇の方が早いので不動産が上がるまでに数年を要するかもしれません。その間、返済を継続できるだけの余裕が必要です。この様にフラット35を最後まで継続して返済を続け完済するには、いくつものハードルを越えなければなりません。


カードローン利用者とフラット35利用者の類似点

 

前述しました様にカードローンの利用動機のトップが「生活費不足の補填」というのは相当深刻ですが、もともと、カードローンはサービスの享受と収入のタイムラグを埋める使い方が本来の使い方である筈です。
例えば、エアコンを買う場合にボーナスの支給日まで待てないので、カードローンでキャッシングしてエアコンを買いボーナスで一括返済するという使い方です。
つまり、サービスを先取りし支払いを先延ばしするためにカードローンを利用し、その費用が金利ということになります。

不動産購入に於いてもお金を貯めて現金で不動産を買うのが理想ですが、それでは家を買うのが退職年齢になってしまいます。そのタイムラグを埋めるのが住宅ローンということになりますが、その意味では住宅ローンもサービスを先取りし支払いを先延ばしする手段でカードローンと何ら変わりありません。
従って、住宅ローンの期間は短ければ短いほど理想に近いと言え、長い期間の住宅ローンは危険が多いということになります。ですから、現在の低金利に目が眩んでフラット35に飛びつくことは非常にリスクが高く、無謀なカードローンの利用と非常に似ています。5年以内は大丈夫かもしれませんが、10年後・20年後に住宅ローンが原因の自己破産が増えなければ良いのですが・・・。

 

住宅ローン残高、60歳で700万円が目安 賃貸も一案
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO18877070U7A710C1NZKP00