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「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

銀行カードローンが伸びれば消費者金融会社が儲かる裏の構図も問題

このところ世間の批判の集中砲火を浴びる銀行カードローンですが、見方を変えれば違った構図が見えてきます。つまり、銀行カードローンが伸びれば銀行が儲かるのは当たり前ですが、消費者金融会社が儲かる裏の構図があるのです。
消費者金融会社などのノンバンクが銀行カードローンの「信用保証」を拡大しているからです。銀行カードローンが伸びれば消費者金融会社が儲かる裏の仕組みについて考えます。


銀行カードローン、ノンバンクが信用保証 過剰融資の温床に 
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19360300X20C17A7EE9000/


銀行と組み消費者金融会社などのノンバンクが「信用保証」を拡大している現実

 

銀行カードローンの5月の残高は前年同月比11%増え過去最高の約5兆9千億円に膨らんでいます。一方で消費者金融会社などのノンバンクの個人向け貸出残高は増えていません。もともと、消費者金融会社などのノンバンクの事業モデルは個人に直接融資する方式でしたが、総量規制でカードローン融資残高が伸び悩む中で現在は様変わりとなっています。
日本貸金業協会によりますと2010年以降、「信用保証」の残高は増え続け、2014年に消費者金融会社などのノンバンクによる「信用保証」の残高は直接融資の残高を逆転しました。そして、今年4月には「信用保証」残高が融資の1.5倍まで広がっています。
つまり、消費者金融会社などのノンバンクは個人向け貸出残高は増えていませんが、銀行カードローンに対する「信用保証」の残高は増加傾向が続いています。
その結果、消費者金融会社などのノンバンクは銀行カードローンが増えることで、「信用保証」の手数料として一定の利益を受け取っている訳です。

 
銀行カードローンの保証会社はアコムとプロミスの関連会社

 

現在、アコムは子会社のエム・ユー信用保証を通じて、多くの銀行カードローンの「信用保証」を行なっています。例えば、アコムの親会社系列の三菱東京UFJ銀行を始めとして、首都圏では千葉銀行・蔵野銀行・群馬銀行足利銀行常陽銀行セブン銀行じぶん銀行などのカードローンの「信用保証」を行なっています。
また、地銀では百五銀行十八銀行・中京銀・第三銀行北海道銀行山形銀行岩手銀行北陸銀行八十二銀行十六銀行南都銀行伊予銀行宮崎銀行などのカードローンの「信用保証」を行なっています。
さらに、プロミスを運営するSMBCコンシューマーファイナンスは、親会社系列の三井住友銀行を始めとして首都圏では住信SBIネット銀行横浜銀行東和銀行などのカードローンの「信用保証」を行なっています。また、地銀では北陸銀行北洋銀行きらやか銀行福島銀行長野銀行北越銀行福井銀行大垣共立銀行みなと銀行愛媛銀行福岡銀行沖縄銀行などのカードローンの「信用保証」を行なっています。

アコムとプロミスを運営するSMBCコンシューマーファイナンスは自社の利益を拡大するために業務を伸ばしている訳ですが、両社は単に「信用保証」の手数料だけが目的では無い様に見えます。つまり、見方を変えればアコムの親会社である三菱UFJフィナンシャルグループと、SMBCコンシューマーファイナンスの親会社である三井住友フィナンシャルグループが銀行の囲い込みを行なっているとも言えます。
自行系列の信用保証会社を1つの踏み絵として自行系列に加わるか否かの判断を迫っているのです。


いびつな分業体制がカードローンの責任の所在を曖昧にしている

 

従って、カードローン営業に於いて銀行はろくな審査を行なわず、年収の3分の1を超える様な不適切な営業を繰り返してカードローンの融資残高を増やしています。
何故なら、銀行が行うカードローンの窓口での審査は個人信用保証会社の信用情報でチェックするだけで、実質的なカードローン審査は「信用保証」を行なう消費者金融会社などのノンバンクに丸投げしているのです。
以前は銀行カードローンの「保証会社」は銀行の系列会社や関連会社が行っていました。つまり、銀行カードローンのリスクを自行や自行のグループで請け負っていましたが、現在は手数料を支払って外部の消費者金融会社などのノンバンクにカードローンの「信用保証」を丸投げしています。

つまり、利用者の立場で考えますと親切そうな銀行の営業窓口でカードローンを申し込んだ訳ですが、返済に行き詰まると出て来るのは厳しい消費者金融会社などノンバンクの担当者なのです。これでは銀行が掲げる顧客サービスが実現できる筈もなく、この様ないびつな分業体制が責任の所在を曖昧にし返済のトラブルを増やす一因となっていると言えます。つまり、親切な対応をしていれば返済できた筈の利用者が、返済を諦めて債務整理に走る現実が増えています。

 

貸金業、貸付規制撤廃求める 銀行カードローンに押され
http://www.asahi.com/articles/ASK6G74SHK6GULFA01Q.html