借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

銀行カードローンは企業の社会的責任に反する商品

いつかは解りませんが、このままではミイラ取りがミイラになる様に銀行がサラ金になる日も遠くなさそうです。もともと、経営難に陥った消費者金融会社の経営を安定させ、銀行流のデューディリジェンス(審査)を教え込むことが大手消費者金融会社の銀行傘下入りの目的でした。
しかしながら、マイナス金利時代が長引き企業融資は伸び悩むなど、本来の銀行業務は行き詰まっています。その結果、銀行の消費者金融会社化が進んでいるのです。
債務整理専門の弁護士に言わせますと、3年ほど前から銀行カードローンの相談が増え始め多重債務相談の半数を占めるということです。
つまり、債務整理で困っている人の半分は銀行カードローンが原因ですから、既に、銀行カードローンの半分は悪徳サラ金のレベルに落ちていると言っても言い過ぎではないでしょう。


銀行はいつから“サラ金”になったのか?(中)
http://www.zaikei.co.jp/article/20170721/386866.html


2000年代前後のサラ金地獄の始まりに酷似

 

2000年代前後に日本に初めて来た外国人がJRの駅前から必ず見える「アコム」「プロミス」「武富士」の看板を見て、「どの駅にもあるので大企業の看板だと思うが、どこの会社の看板なのか?」と質問したそうですが、今では銀行カードローンのテレビCMを見ない日はありません。
当時も大手消費者金融会社のカードローンの派手なCMや街頭でのティッシュ配りの結果、消費者金融会社のカードローンの貸出残高は増え続けました。
同時に個人の自己破産件数も増え続け、2003年には24万2千件まで増加して過去最高の申請件数となりました。その2003年から13年連続で前年を下回っていた個人の自己破産件数は、昨年13年ぶりに増加に転じています。
昨年の個人の自己破産件数は約6万4,600件と2003年の4分の1程ですが、銀行カードローンが原因で自己破産が増えていることは間違いありません。


企業の社会的責任は重くなっている

 

近年、企業の社会的責任が叫ばれていますが、各企業は企業の社会的責任corporate social responsibilityの頭文字を取りCSR活動として重要視しています。
CSRは企業が利益を追求するだけでなく組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、
あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をする責任を持つべきだと言われています。
例えば、メガバンクの一角である三井住友銀行はホームページ上で、「事業を遂行する中で、1お客さま、2株主・市場、3社会・環境、4従業員に、より高い価値を提供することを通じて社会全体の持続的な発展に貢献していくこと」を、CSRの定義と定めています。
そして、三井住友銀行が社会の課題解決に通じるさまざまな施策を展開していることを具体例を挙げて説明しています。今後、この様なCSR活動は消費者が企業を選ぶ上でますます重要になる筈です。


銀行カードローンは銀行法の精神と企業の社会的責任に反する商品

 

それでは、各銀行のCSR活動と銀行カードローンの営業活動は矛盾しないのでしょうか?各銀行がローンのメニューの中に無担保カードローンのメニューを揃えただけであれば、各銀行のCSR活動と銀行カードローンは矛盾しないかもしれません。
つまり、銀行はローンの中の選択肢を示しただけで、積極的にカードローンを顧客に奨める訳ではないからです。

しかしながら、現在の銀行はカードローンのテレビコマーシャルを積極的に流し、簡単な手続でカードローンが作れることを強調しています。
また、実際の営業活動に於いては銀行カードローンが総量規制の対象外であることや、
年収の3分の1以上の融資ができることを特に強調しているケースが見られます。
また、酷い銀行に於いては、年収を超える額のカードローン融資を行なったり、殆ど収入の無い人にカードローン融資を行なっています。これら一連の営業活動は明らかに銀行の社会的責任に反する営業活動と言えますし、もっと、言うなら、銀行法の精神にも反する営業活動と言えます。


銀行カードローンの行き過ぎた営業活動は銀行法違反

 

特に、年収を超える額のカードローン融資を行なったり、殆ど収入の無い人にカードローン融資を行なうなどの営業活動は銀行法違反の可能性も考えられます。
今後、銀行カードローンによる自己破産者が増え続け社会問題化すれば、将来的に行き過ぎた営業活動により融資された銀行カードローンは銀行法違反に問われるかもしれません。
法の解釈は社会の変化とともに変わるものです。それまで見過ごされていたことが、ある時期から違法と捉えられることは過去の歴史が教えています。銀行業界が現在の状況を放置すれば、将来、銀行カードローンの行き過ぎた営業活動は銀行法違反になるでしょう。

 

危うい銀行の個人ローン拡大
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19079610Q7A720C1EA1000/