借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

これから急増する銀行カードローンによる自己破産

最高裁判所の発表によりますと、2016年の個人の自己破産の申請件数は6万4637件で前年比1.2%増となっており13年ぶりに増加しました。2003年にピークを付けた個人の自己破産の申請件数は、その後、減少の一途で一昨年まで12年連続で減少しました。
しかし、その連続減少記録も12年で途絶え、再び個人の自己破産の申請件数は増加トレンドに入ったと考えられます。
この背景には急増する銀行カードローンの影響が大きいと考えられますが、過去のトレンドを見ますと今後、自己破産者が急増することが心配されます。何故なら、返済が苦しくなった多重債務者が直ぐに自己破産する訳ではないからで、今、借りている人達が自己破産するのは数年後になるからです。誰でも自己破産を避けようと数年間は努力しますから、今後、自己破産が急増するのは数年後と考えられます。


自己破産者急増! 銀行のカードローンはどこに問題があるのか
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170715/Toushin_3695.html


今までの自己破産のピークは2003年の24万2357件

 

過去の状況を見ますと、消費者金融会社のカードローン問題が社会的に注目され始めたのは1990年代初頭でした。バブル期に浪費癖の付いた消費者が、消費者金融会社のカードローンに頼り始めたのが1990年代初頭だったからです。
1990年代に入り所得は伸び悩み、その穴埋めにカードローンに頼りました。
また、バブル期にパチンコやスロットにはまった人達がギャンブルから抜けきらず、
カードローンで借りたお金でギャンブルを続けました。その結果、消費者金融会社のカードローン残高は毎年増え続け、大手消費者金融会社各社はカードローン残高のピークを2006年前後に付けた会社が多くなっています。同様に大手消費者金融会社各社の業績も好調を極め2000年初頭に最高利益を上げた会社が目立ちます。
この様な消費者金融会社のカードローン残高増加トレンドを、追い掛ける様に増えたのが個人の自己破産の申請件数でした。個人の自己破産申請件数は1990年代後半から急増し、2003年に24万2357件とピークに達しました。
つまり、消費者金融会社のカードローン残高と個人の自己破産の申請件数は、正比例する関係にあると言えます。


消費者金融会社のカードローンのピークは2006年前後

 

大手消費者金融会社各社はカードローン残高のピークを2006年前後に付けていますが、
その後、大手消費者金融会社各社のカードローン残高は減少の一途です。
その原因は過払い金返還問題・消費者金融会社の儲け過ぎに対する社会的な批判など様々ですが、最も大きい要因は金融庁が導入した総量規制です。
この総量規制の導入により消費者金融会社のカードローン貸付残高は2015年度末で4兆4,438億円と、2006年度末に比べ約4分の1に激減しています。
その結果、中小消費者金融会社は潰れ、大手の殆どはメガバンクなど銀行の傘下に入りました。

総量規制の対象外で消費者ローン市場の実権を握った銀行はカードローン営業を密かに強化し、カードローンの貸出残高は増え続けています。
特に、ここ数年の増え方は際立っており、2013年3月時点では3兆5442億円だった貸出残高は2016年3月には5兆1227億円と短期間で急増しています。


今後、急増する銀行カードローンによる自己破産

 

現在の銀行カードローンの急増トレンドは始まったばかりで、今後、数年間は続く可能性が高いと言えます。
一方で銀行カードローンによる自己破産は、これから急増のトレンドに入りそうです。
例えば、2013年3月時点で3兆5442億円だった貸出残高は2016年3月に5兆1227億円へ3年間で1.5兆円増加しています。この増加の大半は多重債務者の返済のための新たな借入と考えられます。つまり、他の消費者金融会社や銀行カードローンの返済のために、新たな借入をしている可能性が高いと言えます。
それは、最近の銀行カードローンの融資姿勢に表れており、銀行カードローンの融資姿勢が「イケイケ」になっているのを利用者は敏感に感じ取っている筈です。
それらの多重債務者が本当に苦しくなるの数年後ですから、将来的に銀行カードローンによる自己破産者はまだまだ増える可能性が高いのです。その時になって初めて、銀行は過去の大手消費者金融会社が味わった苦痛を知ることになるのです。
その様な事態を迎えることの無い様に金融庁監督官庁としての責任を果たすべきです。

 

銀行カードローンの審査基準見直しが行われる?総量規制からの逃げ道になっていた時代は終わりです
http://www.cashing-hikaku.jp/oyakudachi/ginkou-cardloan-shinsakijun-minaoshi/