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エアバックのタカタ破たんでメガバンクは大損失

エアバックのタカタが民事再生法の適用を申請し実質的に経営破たんしました。
タカタの破たんで大きな損失を被る恐れがあるのは、日米の大手自動車メーカーとタカタのメインバンクです。タカタのメインバンクは三井住友銀行ですが、2位に三菱東京UFJ銀行・3位にみずほ銀行が入っています。
その結果、タカタ破たんでメガバンクが大損失を被り、銀行カードローンに対する規制強化が遅れる心配が出てきました。タカタ破たんとメガバンクへの影響度を考えます。


三井住友などメガバンクが安い、タカタの民事再生法適用も嫌気
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201706260352


タカタ破たんによるメガバンクの損失額予想

 

もともと、タカタは自己資本が厚い会社でキャッシュフローも厚く、銀行借り入れに頼る経営体質ではありませんでした。したがって、直近の銀行からの借り入れは、三井住友銀行79.9億円・三菱東京UFJ銀行61.5億円・みずほ銀行52.5億円に過ぎませんでした。ただ、タカタは借入時に銀行に担保を差し入れておらず、金融機関は担保との相殺ができないため融資額の全額が実損額となりそうです。
また、メガバンク上位2行はタカタ株式の大株主にも名を連ねており、
第4位大株主の三井住友銀行保有株が130万株・第10位大株主の三菱東京UFJ銀行保有株が65万株となっています。両行のタカタ株の簿価は不明ですが、経営悪化前のタカタ株は長期的に5,000円~1,000円で推移していました。
仮に両行の簿価を1,000円と仮定しますと、三井住友銀行の損失が約39億円で三菱東京UFJ銀行の損失が6.5億円になります。
その結果、焦げ付く可能性のある融資と紙くず同然になった株式の損失の合計は、三井住友銀行の損失が約119億円で三菱東京UFJ銀行の損失が68億円に上ることが予想されます。


タカタの損失を取り返すのはカードローン事業しかない

 

それでは、タカタの損失を取り返すことが期待できる好調な事業部門は何でしょうか?
三菱東京UFJ銀行の親会社の三菱UFJフィナンシャルグループの今期の業績見通しを見ますと、好調な事業部門は海外部門と証券部門と銀行カードローン部門しかありません。海外では米国MUFGユニオンバンクの業績が好調に推移していますし、証券部門では持ち分法適用会社の米モルガンスタンレーが収益を上げています。
そして、銀行部門で好調なのは住宅ローン部門とカードローン部門ですが利ザヤが縮小している住宅ローン部門の利益は限定的となっており、銀行部門の儲ぎ頭はカードローン部門が断トツなのです。したがって、三菱東京UFJ銀行にとりカードローン部門に規制が入ることは、銀行部門の儲ぎ頭を失うことになってしまいます。


金融庁が銀行カードローンを規制できない理由

 

最近、銀行カードローンに対する批判が高まっていることもあり、金融庁は様々なチャネルを使い同庁が銀行カードローンを規制できない理由を示しています。
その1つ目は銀行と貸金業者では適用される法律が異なるということですが、その気になれば銀行法貸金業法の総量規制を盛り込めば良いだけの話です。

2つ目は貸金業法改正時に銀行は悪徳貸付を行っていなかったということですが、最近の銀行の営業現場では収入証明書を確認することなく200万円~300万円のカードローン融資が行われています。特に、「年収220万円の60代女性に500万円」融資した銀行や、「無収入だった50代男性に収入証明の提出を求めずに300万円」融資した銀行があることが報告されています。これらは悪徳貸付に該当すると思われるのですが。

3つ目は金融庁が銀行に対して監督指針(ガイドライン)を示し厳しく監督しているということですが、2007年4月1日現在で1,373人しか在籍していない金融庁職員が、具体的にどうやって全国の銀行店舗を監督できるのでしょうか?
メガバンクだけでも三菱東京UFJ銀行の店舗数は国内773店(2010年3月31日現在)、
三井住友銀行の 店舗数は645店(2011年3月末現在)、みずほ銀行の店舗数は507店(2006年3月31日現在)もあるのです。メガバンクの店舗の検査だけでも数年かかることになりそうです。
つまり、金融庁が示した銀行カードローンを規制できない理由を見ますと、結局、金融庁が銀行カードローンを規制する気が全く無いことに気が付いてしまいます。

 

メガ バンク ですら大失職時代に…。大学生はこれでも危機感を感じないんですか…。
http://b.hatena.ne.jp/search/text?q=%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF

タカタ破綻の債権者リスト判明 銀行に重荷 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC27H4C_X20C17A6EA1000/