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金融庁について徹底的に考える

金融庁は金融機関に勤めている人以外は余り馴染のない役所ですが、銀行や証券会社を直接的に監督している役所です。したがって、本来、金融庁は国民のために銀行や証券会社などの金融機関を監督している筈ですが、現実は果たしてそうなっているのでしょうか?多くの国民は金融庁と聞くと銀行や証券会社を陰で支える役所というイメージを持っています。
なぜなら、確かに金融庁は金融検査などで銀行や証券会社などの金融機関を厳しく監督する一面を持ち合わせていますが、最終的には銀行や証券会社などの金融機関を利する政策を取っているからです。本項ではそれらの背景について考えます。


金融庁「強権」を封印
検査マニュアル廃止 銀行に攻めの融資促す
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDF25H0J_Y7A600C1EE9000/


そもそも金融庁という組織はどんな組織なのか?

 

金融庁内閣府に所属する行政組織ですが、金融庁に所属する職員数は昨年度末で1,571人に過ぎません。つまり、銀行や証券会社などの金融機関の金融検査などの現場を担当するのは、全国各地の財務局・財務事務所の職員なのです。
つまり、全国各地の財務局・財務事務所の職員は財務省の職員ですから、法律上は金融庁の指揮監督で各地の財務局・財務事務所の職員に金融業務が委任されている形なのです。もともと、1998年に総理府の外局として金融庁の前身の金融監督庁が設置されましたが、それまでは民間金融機関に係る行政は伝統的に大蔵省(現財務省)が担ってきました。つまり、形の上では金融庁は独立した金融制度の企画立案にかかる組織とされていますが、実質的には財務省の外局の様な存在で財務省の意向に逆らえない組織と言えます。現場を指揮する金融庁長官の上には金融担当大臣が配されていますが、現在は財務大臣麻生太郎氏が金融担当大臣を兼務しています。このことからも、金融庁財務省の外局の様な存在であることが解ります。


一体、金融庁は誰の見方なのか?

 

この様な金融庁の組織としての実態を掴むと、金融庁が一体どちらを見て誰のために仕事をしているのかが見えてきます。もともと、日本人は組織への忠誠心が強い民族だと言われますが、本来、国民への忠誠を誓った筈の官僚組織に於いても組織への強い忠誠心が見えてしまいます。
ある高級官僚から本音を聞きだした時に、次の様に言っていたことを思い出します。
「みんな国民のために仕事をしたい気持ちは持っています。でも、それよりも組織が長くやってきたことを私が勝手に止めることはできないのです」つまり、金融庁の官僚たちも財務省という組織のための業務が優先される訳です。


金融庁天下りの実態

 

それでは官僚たちの組織のための業務とは一体、何のことでしょうか?
それには官僚組織の維持や予算と人員の確保など様々な要素が含まれますが、その中でも重要な要素は天下り先の確保です。今年に入り文部科学省天下りが問題になりましたが、似たような事例は各省庁にいくらでもあります。

金融庁に於いても以下の様な天下りが指摘されています。読売新聞の調べによりますと、2009年3月~2016年7月の間に金融庁(付属機関の証券取引等監視委員会公認会計士・監査審査会を含む)や財務局を退職した管理職は約270人いました。
このうち半数以上の145人は、許認可や検査の対象となる銀行や証券会社・信用金庫・信用組合などの金融機関・監査法人に再就職したとのことです。
さらに、うち9人は金融庁や財務局による検査やモニタリングが行われている時期に、相手先の地銀や信金に再就職していたとのことです。

これらの天下りは国が定める国家公務員の再就職規制に違反しないということですが、
一般の国民感情からは掛け離れた感がぬぐえません。なぜなら、60歳以上で前職を退職した人が、銀行や証券会社・信用金庫・信用組合などの金融機関に再就職するのは至難の技だからです。どこの金融機関もこの年齢の人員は過剰で新たに採用することは殆ど有り得ないのです。その様な中で145人が金融機関に再就職したとなると、金融機関側にも何らかのメリットがあると考えるのが自然な発想です。ハッキリ言って役所を退職した人間が民間金融機関で役に立つとは思えません。
この天下りの背景には全く別のカラクリがあるとしか思えないのです。それは天下り先を確保すること自体が目的になっているのかもしれませんし、或は、銀行カードローンを総量規制の対象外にするなどの優遇策になっているのかもしれません。

 

金融庁商工中金に立ち入り検査へ 不正融資の実態解明
http://www.asahi.com/articles/ASK5R32NVK5RULFA006.html