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アコムの決算に見る個人向けカードローンビジネスの先行き

5月10日に消費者金融会社最大手のアコムが決算発表を行ないました。
同社は過去の負の遺産と言える過払い金返還請求に掛かる利息返還損失引当金を前2017年3月期に一括処理し、今期からは負の遺産との決別を目指しています。

同社の決算発表の概要と同社の決算発表の内容から、今後のカードローンビジネスの先行きを考えます。


アコム木下社長「個人向けカードローン市場は安定的に成長する」最終損益721億円から今期黒字化へhttp://logmi.jp/203361


アコム前期決算発表の内容

 

アコムが5月10日に発表した前2017年3月期の連結数字は以下の通りで、前2017年3月期は営業利益・経常利益・純利益のいずれもが大幅な赤字に転落しました。
まず、ローン・クレジットカード事業の営業債権残高は営業貸付金・割賦売掛金ともに順調に拡大し、前期比3.5パーセント増加の8,229億円となっています。
また、信用保証事業は信用保証残高の拡大を主因に15.4パーセント増収の564億円と順調に拡大しています。信用保証残高はアコムが1兆50億円と1兆円を達成し、エム・ユー信用保証は1,247億円と合計で前期比14.4パーセント増加の1兆1,297億円と通期計画を達成しました。
今2018年3月期も9.8パーセント増加の1兆2,405億円と順調な伸びを計画しております。
特に、信用保証事業の営業収益はアコム478億円・エム・ユー信用保証は85億円と合計で15.4パーセント増収の564億円と通期計画を達成し、既存提携先銀行数はアコムが29行でエム・ユー信用保証24行と合計で延べ53行となり、提携エリアは全国47都道府県中39都道府県をカバーしています。

一方で、利息返還請求が期初計画を上回って推移していることを踏まえ利息返還損失引当金への計画外の繰り入れで1,437億円が発生した結果、営業費用全体では41.9パーセント増加の3,153億円となりました。その結果、営業損失は701億円・経常損失は695億円。当期純損失は721億円の大幅赤字決算となりました。

アコム連結決算         18/03予(17/05/10)更新   17/03(16/05/09)更新   16/03(15/05/08)更新
売上高・営業収益 (百万円) 257,000 +4.8%          245,148 +3.1%          237,683 +8.4% 
営業利益 (百万円)                 71,300                       -70,166                       15,516 +10.3% 
経常利益 (百万円)                 71,800                       -69,543                       16,200  +9.9% 
純利益 (百万円)                     64,200                      -72,187                        14,598 +13.5% 
一株利益 (円)                          40.98                                                              9.32 
 

アコム来期業績見通し

 

上記の通りアコムは前2017年3月期の連結決算に於いて利息返還請求に対する処理を前倒しし、一括して利息返還損失引当金に計画外の繰り入れを行ないました。
つまり、現在抱える利息返還請求の殆どを前期に処理した形となりますから、今2018年3月期に利息返還損失引当金への繰り入れは無くなる見込みです。

その上で今2018年3月期においても個人向けカードローン市場は安定的に成長すると考えており、同社グループのローン・クレジットカード事業・海外事業・信用保証事業ともに更なる業容の拡大が見込めると考えられます。従って、利息返還費用は発生しないことから営業利益は713億円・経常利益は718億円・純利益は642億円が見込まれています。


今後のカードローン市場の展開

 

アコムの前2017年3月期と今2018年3月期の連結決算を見て言えることは、消費者金融会社にとって負の遺産と言える過払い金の利息返還に目途が立ったということです。
過払い金請求の時効との関係と同社が一括して前倒しで処理してきたことから、同社はやっと負の遺産から解放される見込みです。

一方で個人向けカードローン市場は安定的に成長する見込みです。また、特に、今期も信用保証事業の順調な伸びが期待されています。現在、アコムと系列のエム・ユー信用保証で延べ53行の銀行カードローンの信用保証を行なっており、今後も地方銀行を中心に信用保証事業の拡大が見込め、その動きは信用金庫カードローンへの波及も考えられます。
今更、言うまでもありませんが、アコム筆頭株主三菱東京UFJフィナンシャルグループですから、これらの動きは三菱東京UFJフィナンシャルグループの地銀や信用金庫に対する囲い込みの意味もありそうです。

 

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