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借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

メガバンクの業績は4期連続で減益予想だが高水準の利益を確保している

マイナス金利政策が続く中で収益の確保が難しくなっているというのがメガバンク金融庁の言い分ですが、今2018年3月期のメガバンクの業績は4期連続で減益予想と言いながら利益水準は高水準を維持しています。アナリストによるメガバンクの業績予想と過去の利益水準から見た現在の水準を解説します。


邦銀3メガ:今期やや減益見通し、4年連続減少に-アナリスト予想
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-05-11/OPQ2CP6JTSE801


アナリストは今2018年3月期で4期連続で減益予想になると予想

 

ブルームバーグのデータによりますと、
トップアナリスト17人が予想する三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクグループの前2017年3月期純利益予想平均は、3メガバンクグループ合計で前期とほぼ同水準の2兆2,654億円となっています。また、同じく今期予想は1.4%減の2兆2,340億円と、やや、減益になると予想しています。
トップアナリスト17人は日本銀行が導入したマイナス金利政策による利ざや縮小の影響は落ち着いてきましたが、国際的な地政学的リスクなどの不確実性から各グループとも会社目標は保守的に設定すると予想しています。
3メガバンクグループ合計の今期予想2兆2,340億円の内訳は、三菱UFJフィナンシャル・グループが9,791億円、三井住友フィナンシャルグループが6,900億円、みずほフィナンシャルグループが5,649億円となっています。3メガバンクグループは5/15日夕に今期業績予想と前期決算を発表する予定です。


金融庁の見方

 

金融庁が昨年9月にまとめた「金融レポート主なポイント」によりますと、3メガバンクグループの業績について低金利が続く中で、規模拡大による収益確保はより難しくなっていると報告しています。
また、3メガバンクグループは利ざや縮小の中で融資利息などの資金利益や手数料の減少が続いており、収益源の多様化が課題となっているとも指摘しています。
これらの金融庁が見る非常に表面的な見解としか思えない「金融レポート主なポイント」に対して、民間からは以下の様な指摘が可能です。


過去のメガバンクの利益水準と比べると

 

3メガバンクグループの現在の利益水準と過去の利益水準を比較するため、それぞれのグループの過去最高益を調べてみました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの過去最高益は2015年3月期の純利益1兆338億円で、三井住友フィナンシャルグループの過去最高益は2014年3月期の純利益8,354億円で、みずほフィナンシャルグループの過去最高益は2014年3月期の純利益6,884億円となっています。
したがって、今2018年3月期の純利益は三菱UFJフィナンシャル・グループは過去最高益の94.7%の水準で、三井住友フィナンシャルグループは過去最高益の82.6%の水準で、みずほフィナンシャルグループは過去最高益の82.7%の水準を確保しています。
つまり、各グループともに4期連続で減益予想を強調していますが、実は過去最高利益に対して8割から9割の高水準の利益が確保できているのです。このマイナス金利政策が続く最中にです。


マイナス金利政策による利ざや縮小の影響は既に無くなっている

 

日本銀行が導入したマイナス金利政策による利ざや縮小の影響で、大手銀行の収益は厳しいというのが一般的な見方です。しかしながら、上記の通りマイナス金利政策により利ざやは縮小しているとはいえ、3メガバンクグループの現在の利益水準は過去最高益の8割から9割の高水準の利益が確保されています。

そのことは大企業への融資に頼っていた銀行のビジネスモデルが、大きく進化しつつあることを物語ります。例えば、最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループの核である三菱東京UFJ銀行のホームページを見ますと、法人向けの資金調達のページで上から次の様な項目の案内がラインナップされています。

債権流動化/アセットファイナンス
シンジケートローン
私募債での資金調達
外債での資金調達
電子記録債権を活用した業務効率化
電手決済サービス「でんさいSTATION」
LBOMBOM&Aファイナンス
PFI(官民共同の公共施設整備・運営事業)
船主ファイナンス
プロジェクトファイナンス
不動産ファイナンス
制度金融

これらの中でも私募債での資金調達や外債での資金調達・LBOMBOM&Aファイナンスなどは銀行業務と言うよりは証券業務に近く、最もピッタリ来る表現は「投資銀行業務」という表現です。
つまり、現在のメガバンクは従来の預金や貸付の銀行業務から上記の「投資銀行業務」に軸足を移しており、「投資銀行業務」からの各種手数料収入が右肩上がりに増えています。したがって、大企業向けの大口融資が減っても今のメガバンクには関係無い訳で、この傾向は今後ますます強まると考えられます。
 

カードローン金利の引き下げ原資は豊富

 

上記の通り現在のメガバンクにとり大企業向けの大口融資や、個人向けの無担保カードローンの金利で稼ぐ時代はとっくに過ぎ去っています。しかも、メガバンクにはビジネス以外に社会貢献も求められている時代に、一部で社会問題化している高金利のカードローンによる自己破産者や多重債務者増加問題は放置できない筈です。
そこで、全国の銀行に範を示す意味でもメガバンクは、早急にカードローン金利を引き下げるべきでその原資は豊富な筈です。特に、最も利用者が多い100万円以下のカードローン金利を大幅に引き下げ、メガバンクの意地を示して欲しいものです。

 

3メガ銀、頭痛の種は… 三井住友・フィンテック みずほ・米規制の行方 三菱UFJ・中国のリスク
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDC09H1D_Z00C17A5EE9000/