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借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

もはや貸金業者と呼んだ方がピッタリの日本学生支援機構

現在、日本の大学教育において課題のひとつとなっているのが奨学金の延滞問題ですが、日本学生支援機構の資料によりますと2015年度末時点の奨学金の延滞額は約880億円にものぼるとのことです。奨学金の延滞額が約880億円にも増えてしまった背景にはいくつかの要因が考えられますが、奨学金を運営する日本学生支援機構そのものに大きな問題がありそうです。


奨学金という名の借金>高すぎる国立大学の授業料
http://blogos.com/article/219740/


奨学金の延滞額が約880億円に増えてしまった背景

 

奨学金の延滞額が増えてしまった背景の1つ目は、まず、奨学金を受けた学生の自覚の欠如を指摘しなければなりません。奨学金とは言え借りたお金を返せない第一義的な責任は、借りた本人である学生にあるのは当然のことです。もちろん、社会的な様々な要因が重なったことは理解しつつも、当の学生の将来設計が甘かったことは否めません。
厳しい様ですが初心に立ち返って、奨学金を借りてでも進学しなければならなかった理由を考えなければなりません。
2016年度の大学進学率は56.8%で、もはや、大学に行けば良い就職先が見つかる時代はとっくに過ぎ去っています。何が自分に最も適しているのか、また、自分は何をしたいのかが解らずに大学に行くことは大変不幸なことです。加えて自分の進路も決まらない学生が奨学金を借りるのも同様です。

背景の2つ目は大学の授業料の高騰です。
国立大学の授業料は2017年現在で約54万円、私立大学の授業料は2016年で約85万円に達しています。私立大学の授業料は勿論のこと、国立大学の授業料の高さは限度を超えています。例えば、私立大学の授業料を月額に換算すると7万円になり、その上、初年度は入学金・教科書代が加わります。
さらに、生活費が加わると学生がアルバイトで稼ぐ水準の金額をはるかに超えてしまいます。この様な状況の中でどれだけ勉強に集中できるというのでしょうか?頭の良い筈の文部省の官僚はもっと知恵を絞るべきです。

背景の3つ目は日本学生支援機構の対応の悪さです。このことについては以下で詳しく述べます。


もともと、独立行政法人日本学生支援機構とは何なのか?

 

奨学金日本学生支援機構と聞くと何となく学生の見方をする組織の様に聞こえますが、現在の日本学生支援機構貸金業者と呼んだ方がピッタリするのではないでしょうか?もともと、現在の組織は2004年に日本育英会・財団法人日本国際教育協会・財団法人内外学生センター・財団法人国際学友会・財団法人関西国際学友会が合併して発足しました。
つまり、当時、官僚の天下り先として批判の的となっていた財団法人を廃止し、独立行政法人に衣替えした1990年代後半の橋本龍太郎内閣の行政改革の一環で設立された訳です。ただ、この独立行政法人が曲者で、本質的には昔の財団法人と余り変わりません。
もちろん、各省庁からの天下り先となっていることは明らかで、日本学生支援機構理事長の遠藤勝裕氏は日本銀行出身、2人の理事は文部科学省出身で常勤理事5人中3人が天下りと言えます。
したがって、この様ないくつかの財団法人を合併させただけの天下り官僚組織に、将来の国を背負う筈である学生の奨学金の実務を任せること自体が間違いだったのです。
そして、日本学生支援機構が犯した最大の間違いは、奨学金を延滞した利用者の個人情報を信用情報機関に登録したことです。


日本学生支援機構は延滞した利用者の個人情報を信用情報機関に登録した

 

2010年4月日本学生支援機構は滞納に歯止めを掛けるため、61日以上滞納した利用者の個人情報(氏名・住所・勤務先・延滞額など)を信用情報機関である「全国銀行個人信用情報センター」に登録しました。
その結果、「全国銀行個人信用情報センター」に登録された個人情報は、直ちに銀行・消費者金融信販会社・保証会社などの各種審査に利用されることになりました。
つまり、延滞情報を登録された利用者は、銀行・消費者金融信販会社のカードローンやクレジットカードの審査をパスできない可能性が出ます。また、携帯電話端末の割賦契約・連帯保証人不要の民間賃貸住宅の契約を断られることも考えられます。
更に、既にクレジットカードやキャッシングカード等を持っている場合は、カードが利用停止や更新ができなくなる恐れがあります。加えて、将来、結婚してマイホームを持とうとした利用者が住宅ローンの審査で落ちる可能性も考えられます。

そして、滞納した利用者の個人情報を信用情報機関に登録したことの最大の間違いは、
将来のある若者たちをカードローンやクレジットカードの延滞者や多重債務者と同列に扱ったことです。この措置で奨学金の返済の意欲を失った人や返済の意義を感じなくなった人は少なくないと思われます。
一日も早く文部科学省日本学生支援機構を廃止し奨学金を他の組織に委ねるべきです。

 

入試偏差値と奨学金延滞率の相関
http://blogos.com/article/219940/