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借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

既に2006年の「貸金業法改正」は賞味期限を迎えている

2006年の「貸金業法改正」の最大の目的は消費者保護であった筈で、金融庁はカードローンの利用者を守るために同法を改正しました。
ところが、改正から10年以上経過した現在に於いて、2006年の「貸金業法改正」により消費者保護どころかカードローンの利用者が苦しんでいるとすれば金融庁は考え方を変える必要があります。そこで、現状での2006年の「貸金業法改正」の問題点を掘り下げます。


(銀行がどうしても知られたくない「カードローン」の大問題 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51295


2006年の「貸金業法改正」で一体、何が変わったのか?

 

2006年の「貸金業法改正」の最大の改正点は総量規制が導入されたことです。
総量規制とは借手の年収の3分の1を貸出総額の上限にするという規制で、利用者から見ると総額で年収の3分の1までしか借金できません。
したがって、貸金業法により規制される消費者金融会社やクレジットカード会社・一般の貸金業者は、全て総量規制の適用対象となります。

一方で、銀行は銀行法金融商品取引法で規制されている業種ですから、貸金業法の規制対象外の業種です。つまり、消費者金融会社やクレジットカード会社などの貸金業者のカードローンは総量規制の適用対象ですが、銀行カードローンは総量規制の適用対象外という奇妙な構図が出来上がりました。
一般の利用者から見ると、消費者金融会社のカードローンと銀行のカードローンは全く同じ商品に見える訳で、もともと、総量規制は一般の利用者から見ると解り難い規制だったのです。


カードローン利用者の現状

 

その結果、当時は10兆円を超えていた消費者金融会社のカードローン残高は昨年3月末現在で総額4兆円を割り込んでいるのに対して、銀行のカードローンは昨年3月末には5兆1千億円を超える水準まで増加しています。
つまり、消費者金融会社やクレジットカード会社などのカードローンが、銀行カードローンに置き換わっただけなのです。果たしてこれがカードローン利用者の保護に繋がっているのでしょうか?答えは「ノー」と言わざるを得ません。

なぜなら、現在も消費者金融会社のカードローンと銀行のカードローンとの違いは殆ど無く、消費者金融会社のカードローンが銀行のカードローンに変わっただけでカードローンで借金している利用者の苦しみは何ら改善されていないからです。
表面的には消費者金融会社のカードローンに比べて銀行のカードローンの適用金利は、少し低い様な印象を与えています。
しかしながら、利用者数が圧倒的に多い利用額100万円以下に限ると、両社の実質的な金利差は殆どありません。


どうして総量規制を銀行カードローンに適用できないのか?

 

もともと、金融庁は総量規制を銀行のカードローンにも適用すると、カードローン利用者が本当に困った時の受け皿が無くなると判断していました。
暗に銀行の審査は健全なので銀行に任せておけば問題は起きないと踏んでいた様です。
ところが、一部の銀行のカードローン審査がクレジットカード会社に丸投げされるなど、決して銀行の審査だけが健全とは言えない状況も見えます。
つまり、どうして金融庁が総量規制を銀行カードローンに適用できないのか、一般的には理解できないのが正直なところです。実はその理由は全く別のところにある様です。


銀行へのミルク補給が目的ではないのか?

 

現在、安倍政権は強力な金融緩和策を継続しています。また、ゼロ金利政策に加えて日銀が国債や株式(ETF)を買い支え、結果的に市場に資金を供給して金融緩和策を側面から支えています。その強力な金融緩和策の被害者は現金を持つ全ての人と言えますが、中でも最も巨額の被害を被っているのは他でもない銀行なのです。
つまり、現状の銀行の収益の柱とも言えるカードローンにまで、新たな規制を加えてはいけないという忖度(そんたく)が働いているのです。
もともと、忖度とは他人の気持ちを推し量るという意味ですが、「森友学園問題」では財務省の官僚が安倍首相を忖度したのではないかと問題になっています。
森友学園問題」を契機に忖度と言う言葉に注目が集まっていますが、金融庁の銀行に対する忖度はもはや限界に達しています。

 

bankruptcy:カードローン問題

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2017/03/bankruptcy-b9da.html