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「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

債務整理を決断すべきタイミングとは?

かつて、消費者金融会社のカードローン破産が増えて「サラ金地獄」と呼ばれた多重債務問題がありましたが、現在は「銀行ローン地獄」で多重債務問題が増えています。
銀行のカードローンと消費者金融会社の貸付残高は2012年3月末に逆転し、その後は銀行カードローンが急増し消費者金融会社カードローンを引き離し2017年3月末にはとうとう2倍強まで差を広げています。
その間、2003年の24.2万件をピークに減り続けていた自己破産の申請件数が、2016年の自己破産申請件数は6万4637件と13年ぶりに前年比で増えました。したがって、誰が考えても自己破産が増えた原因は、「銀行ローン地獄」と考えてしまうのは無理のないことです。
そこで、自己破産に至る前に早めに債務整理を行いリカバリーできれば、それに越したことはありません。本項では債務整理を決断すべきタイミングについて考えます。


サラ金よりエゲツない「銀行ローン地獄」…多重債務者&自己破産者を量産、銀行は荒稼ぎ http://biz-journal.jp/2017/10/post_21071.htmlCopyright c Business Journal All Rights Reserved.


債務整理経験者の怨嗟の声

 

本題に入る前に債務整理経験者の怨嗟の声を拾ってみました。債務整理経験者の怨嗟の声の中に、債務整理を決断すべきタイミングのヒントが隠されているからです。
現在、様々な書籍やネット情報やネットの書き込みの中に債務整理経験者の様々な声を拾うことができますが、その中のいくつかのポイントは以下の通りです。

1つ目として多くの債務整理経験者が指摘しているのは、振り返ると債務整理手続までの全ての行動が後手後手に回ってしまったということです。
つまり、あそこでもっと早く手続していれば良かったとか、あそこで忠告を受け入れておけば良かったという後悔の念が絶えないことです。
2つ目は何度もあった借金完済のチャンスをことごとく逃してきたという経験者が多いことです。例えば、新車を買わずにカードローンを一括返済していれば良かったとか、
もっと早く妻に打ち明けていれば何とかなったかもしれないなどということです。
3つ目は振り返ると何時でも完済できるという根拠の無い自信が有ったということです。その様な根拠の無い自信が有ったので借金完済のチャンスを逃したのかもしれません。
4つ目は最初に借金をしてから債務整理するまで、一度も真剣に利息や元利合計や年間の収支などを計算したことがないということです。つまり、振り返ると殆どの人が正確に計算もしないで、ただただ、言われるままに返済を続けていた訳で、最終的に自分がいくら借りて利息をいくら払ったかも把握していない人が大部分なのです。


債務整理を決断すべきタイミング・その1

 

様々な考え方があることは事実ですが、1つの考え方として銀行カードローンの残高が200万円に達するとイエローカードであることは間違いありません。
200万円のカードローンの適用金利を年率14%としますと年間で28万円の利息を支払うことになり、月間に引き直すと23,000円の利息を支払うことになります。
つまり、地方ならワンルームのアパート1件分の家賃で、都内では車1台分の駐車場代に匹敵します。したがって、相当の高給取りは別にして、一般のビジネスマンにとっては結構、厳しい金額です。
ここ20年間、殆ど可処分所得が増えない中で、一般の勤労者やビジネスマンの1ヶ月の小遣いはせいぜい3万円~5万円の筈です。この中から利息の23,000円を出し元金の返済も加われば、恐らく200万円に達したカードローンは減ることはない筈です。
むしろ、経ることはないどころか、少しづつ増えてしまうことが多いのです。
したがって、カードローンの残高が200万円に達した場合には、自力返済が無理なら親兄弟・親戚縁者に頼ってでも借金を消した方が良いのです。
それができない人は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して債務整理をした方が良いことは間違いありません。借金も癌も全く考え方は同じで「早期発見・早期治療」しかないのです。


債務整理を決断すべきタイミング・その2

 

例えば、最初に銀行カードローンを30万円借りた人の残高が、200万円に達するには結構、時間が掛かるものです。早い人でも3年~5年、遅い人の場合は10年以上掛けてジワジワ増えるのが銀行カードローンの怖いところです。
もともと、銀行カードローンを借りる人は、定期収入があり社会的にもある程度の地位があり活躍している社会人です。ですから、30万円借りて直ぐに返済不能になる様な人は皆無で、多くの人はキッチリと返済日に返済を続けます。
ところが、多くの人は一括返済することができずに、時間を掛けて残高がジワジワと増えてしまう訳です。

その様な3年~5年~10年の間に、振り返って見ますと何度か一括返済のチャンスが有ったという人は意外に多いのです。例えば、住宅ローンで中古マンションを買ったとか、自社株が急騰したという様な場合です。また、親が亡くなり少しばかりの遺産が入ったなどというケースがあったかもしれません。
しかしながら、多くの人はその様なケースで家族にカードローンの借金を言い出せないで、何事も無かった様に普通の生活を続けてしまいます。
と言うよりも、一時的に借金のことを忘れ様としたのかもしれませんが、いずれにしても、みすみすチャンスを逃したことになります。
ところが、のちのち振り返って見ますと、カードローンで借金がある人にその様な余裕はありません。何故なら、カードローンの元金はほっといても年率14%前後の高金利で増え続けるからです。
したがって、上記の様な借金完済のチャンスに借金生活を終わらせるしか無いのです。
恥を忍んで家族に借金を打ち明けるのは簡単なことではありませんが、後で自己破産するよりは遥かにマシなことは言うまでも無いことです。


過払い金請求をすると、クレジットカードが作れない?利用中のカードはどうなる?
http://how2-inc.com/overpaying-money-a-credit-card-charge-2947

ゼロ金利時代なのに銀行カードローン金利はどうして下がらないのか?

素朴な疑問として誰もが感じているのは、ゼロ金利時代なのに銀行カードローン金利はどうして下がらないのかということです。長引くゼロ金利時代の中で預金金利は実質ゼロ近くまで下がり、住宅ローン金利も史上最も低い金利が適用されています。    一方でカードローン金利は最も利用者が多い50万円~100万円の適用金利は、年率で15%前後と高止まりしており昔と大きく変わりません。ことさら銀行カードローンは金利を引き下げていると強調しますが、その恩恵を受けるのは審査のポイントが高い一部の利用者に過ぎません。そこで、ゼロ金利時代なのに銀行カードローン金利が下がらないカラクリを探ります。


『銀行カードローン』過剰融資の問題点は?【書評】
https://zuuonline.com/archives/177942


そもそも、金利はどの様に決められるのか?

 

銀行カードローン金利を考える前に、そもそも、金利はどの様に決められているのかを理解する必要があります。まず、1年未満の短期金利普通預金や1年未満の定期預金の金利の基準にされていますが、これは銀行同士でお金が足りない場合に無担保で貸し借りをするコール市場金利で決められます。
つまり、資金需要により基本的な金利は決まっていますがこの市場の金利をコントロールしているのが日本銀行で、景気が悪いと日銀が金利を下げ景気が良くなると金利を上げる様に調整しています。

また、1年以上の長期金利は市場で売買されている10年物国債金利がベースです。
国債は銀行や証券会社などで発行時に購入できますが、満期までの間に債券市場で売買が行われ価格は日々変動しています。この国債の価格は国内の景気の動向や株価・海外の景気の動向などが加味されて変化します。
つまり、基本的に短期金利長期金利も市場の資金需要がベースになっていますが、
それらをコントロールしているのが日銀なのです。
例えば、住宅ローン金利の変動金利型や短期固定金利型は短期金利と連動しており、
長期固定金利型のローンや完全固定型のローンは長期金利と連動しています。
ちなみに、現在の長期金利である10年国債利回りは0.068%(10/24現在)です。


カードローン金利の決め方

 

もともと、銀行が各種ローンの適用金利を決める時に参考にしているのは、上記の短期金利長期金利に加えて貸出期間の長短・担保の有無・資金の使途などです。
特に、各種ローンの適用金利を決める時に重要なのは担保の有無です。
例えば、定期預金を担保にしたローンは銀行にとり殆どノーリスクのローンと言えますが、土地など価格が変動する担保は日々の評価額により担保価値が変動します。
したがって、担保の中身でローンの適用金利が異なります。

一方で、無担保の銀行カードローンやフリーローン・教育ローンなどは適用金利が高くなる訳です。つまり、担保が必要なものより不要なもの、使途が限定されているものより自由なもの、期間が短いものより長いものの方が適用金利は高くなる傾向があります。また、資金需要により金利が上下することになり、借りたい人が多ければ適用金利が上がります。
その意味でカードローンは無担保・資金使途の制限なし・期間も自由に選べることから、銀行の各種ローンの中でも最も高い適用金利が設定されるのが当たり前になっています。特に、銀行は高いカードローン金利の根拠として、高い延滞率や貸し倒れリスクを上げています。


なかなか公表されない内外の延滞率や貸し倒れ率の実態

 

それでは、銀行カードローンに於いて、実際の延滞率や貸し倒れ率はどのくらいなのでしょうか?最初にお断りしなければなりませんが、各銀行は実際の延滞率や貸し倒れ率を一切、公表していません。公表しないどころか、むしろ、ブラックボックス化しています。つまり、それらは経営上の最優先マル秘事項として扱われています。
なぜなら、それらを明らかにするとカードローン事業で銀行が大儲けしていることがバレるからに他ならず、決して明らかにすることはありません。

また、銀行の立場から言えることは、延滞率や貸し倒れ率を下げることは経営上の至上命題でもあります。企業向け貸出や事業ローンのような低金利の貸出では貸し倒れ率が小さく、日本のカードローンやアメリカのサブプライムローンなど高金利なローンほど返済が破綻する確率が高くなります。したがって、カードローンの設定金利と延滞率や貸し倒れ率は、銀行の収益に直結する重要事項なのです。

そこで、様々な情報からカードローンの延滞率や貸し倒れ率の一端を探ることにします。まず、1つの参考情報として個人の与信情報データベースを持つ「全国信用情報センター連合会」の発表によりますと、2006年段階で消費者金融の利用者は延べ1585万人でうち延滞者は267万人・延滞率は19.1%にのぼるということです。
また、信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC)の調査によりますと、2010年12月の時点で3ヵ月以上返済が遅れている人は実に29.1%に達しているとのことです。
上記の数字は2008年のリーマンショック前後の数字ですから、現在はもっと落ち着いた数字になっているかもしれません。また、数日間、返済が遅れると延滞者に分類されてしまいますので、この延滞率19.1%という数字が全て貸し倒れになる訳ではありません。

またアメリカの抵当銀行協会の調査では2009年3月時点での住宅ローン延滞率は7.9%で、中でも金利の高いサブプライムローン低所得者などハイリスクな人)の延滞率は21.9%にもなるとのことです。
同時期にクレジットカード大手アメリカンエキスプレスが発表したクレジットカードの延滞率は5.3%で、利用者の所得層により延滞率は大きく異なることが解ります。


結局カードローンは延滞率が高いから金利が高くなるという論理

 

また、もう1つの参考資料として2016年の自己破産者数は7.1万人です。
一方で2012年度の金融機関から個人信用情報機関への個人情報の照会件数は946万件とのことです。したがって、自己破産は完全な貸し倒れですから、年度は異なりますが貸倒率は0.75%となります。
しかも、実際の貸倒率は自己破産に加えて任意整理や個人再生の一部も含まれますので、貸倒率は少なくとも2%~3%に達する筈です。
上記の消費者金融や住宅ローンの延滞者の何パーセントが貸し倒れになるかは定かではありませんが、アメリカンエキスプレスのクレジットカード延滞率が5.3%になっていることから推測すると、銀行カードローンの貸し倒れ率は3%~5%で消費者金融会社の貸倒率は5%~7%と推測されます。ただ、銀行カードローンの保証会社は殆どが消費者金融会社の系列会社ですから、貸し倒れの損害の大部分は銀行が被ることはありません。


それでも銀行カードローン金利は高過ぎる

 

一方、銀行の資金調達レートはメガバンクは限りなくゼロ%に近く、一般の銀行でも資金調達レートは0.1%前後と考えられ資金調達コストは限りなくゼロに近いと言えます。銀行カードローンはそれを14%前後という高金利で貸し出している訳ですから、
販管費などのコストや上記の3%~5%の貸し倒れを差し引いても相当な利益が残ると考えられます。

したがって、銀行カードローン金利も他の金融商品と同様に引き下げられるべきですが、14%前後という高金利でも借りる人がいることが一方の問題とも言えます。
しかしながら、銀行は銀行法で利用者の利益を優先して考えることが義務付けられていますので、需給要因で適用金利を一方的に決めるのは銀行法の精神に反するとも言えます。今回、メガバンクは銀行カードローンの融資上限額を年収の2分の1や3分の1を上限とすることを決めましたが、同時に銀行カードローンの実質的な適用金利を利用者の目に見える形で引き下げるべきです。
それができなければ、いずれ銀行カードローンに取って変わる低金利の画期的なローンが登場するでしょう。


アベノミクスの裏に「銀行カードローン」、経済記者が明かす「自己破産増加」の背景
https://www.bengo4.com/c_1/n_6839/

マンションや一戸建ての購入価格は年収の何倍が限度なのか?

過去の歴史を見ますとゼロ金利時代が長引くと不動産価格が上昇していることもあり、
最近、首都圏を中心に不動産価格の上昇が目立ちます。背景には2020年の東京オリンピックパラリンピックのための再開発もありますが、特に、東京都内のマンション価格の上昇が目立ちます。
一方で勤労者の所得は伸び悩む中でマンションや一戸建ての購入価格は年収の何倍が限度なのでしょうか?いくつかの前提条件を基に最新の条件を加味した数字を導きます。


高すぎる住宅ローンに悩む日々 適切な住居費は年収の何割か
http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20171020/Moneyforward_26645.html


都心部の現在のマンション価格

 

年収に対して何倍までの購入価格が限度なのかを見る場合、マンションでも一戸建てでも考え方は同じですが、便宜上、マンション価格を例に考えていきます。
日本で最も人口が多く最も地価が高い東京都には累計で170万戸超の分譲マンションがありますが、ここ数年は都心部を中心として地価が上昇しているエリアも少なくなく、
中古マンションの価格が数年前の分譲時を上回っているエリアも少なくないのが現状です。
例えば、東日本エリアでの不動産物件の情報登録と提供を行なっている東日本不動産流通機構の統計では、2016年の東京都都区部の中古マンション成約価格の平均平米(㎡)単価は、2012年の54.75万円/㎡から71.47万円/㎡に上昇しました。約30.5%の上昇になります。
また、2016年の成約平均面積が56.96㎡ですから、単純計算ではマンション1戸あたりの価格が952万円も値上がりしたことになり、中古マンション価格の平均値は約4,070万円となります。

また、別の調査では東京都23区のマンション相場の平均は以下の通りです。
集計期間 2012年1月1日 ~ 2017年9月30日
販売戸数 143,137戸
平均価格 5,484万円
平均面積59.51㎡
平均坪単価304.6万円
つまり、東京都23区のマンションの平均像は約60㎡で約5,500万円となります。
したがって、マンション価格は沿線や立地・築年数・デベロッパーによっても異なりますから、いずれにしても、約60㎡前後で4,000万円から5,500万円が平均的な東京のマンション価格と言えます。


マンション購入の前提条件

 

マンション購入価格が年収の何倍が限度なのかを調べるに当たり、住宅ローンを組む場合の前提条件を考える必要があります。例えば、同じ年収の勤労者でも単身と夫婦子供2人では使えるお金の金額が違うのは当たり前のことです。
また、同じ年収では給与所得者と自営業者の使えるお金の金額は異なります。
給与所得者に比べて自営業者は社会保険料は安くなり、経費の計上が楽ですから手取り金額は増えます。そこで、基本的な前提条件は給与所得者で夫婦子供2人の4人家族とします。

もう1つは同じ年収の人が同じくらいの価格のマンションを買う場合でも、当然のことながら自己資金がいくらあるかで考え方は変わってきます。
例えば、4,000万円のマンションを購入する場合に、全額住宅ローンで買う場合と平均的な自己資金の比率である25%(1,000万円)で買う場合とでは条件が大きく異なります。そこで、自己資金の平均的な比率は25%の場合で考えます。


マンションデベロッパーのアンケート調査

 

ある大手マンションデベロッパーの最近のアンケート調査によりますと、マンションの物件価格の平均は3136万円でうち自己資金は平均874万円(27.8%)だったということです。また、単純に「物件価格」÷「年収」で計算した場合、年収倍率はちょっと背伸びラインの「5~6倍」が最も多く、「年収倍率4倍未満」という楽勝ラインが3割弱、
「6倍以上」という赤信号ラインも3割弱、「4倍以上5倍未満」が最も少ないという結果になりました。
つまり、年収倍率はちょっと背伸びラインの「5~6倍」と「6倍以上」という赤信号ラインが過半数で、「背伸びしてマンションを購入している」状況が見えてきます。
ここ数年の都市部のマンション価格の上昇と歴史的な住宅ローン金利の低さが、マンション購入者に少し無理をさせている状況が見えます。また、2020年の東京オリンピックパラリンピックが人々の購入意欲を後押ししています。


マンション価格は年収の何倍が限度なのか?

 

一方でマンションデベロッパー側の営業担当者は「住宅ローンの目安は年収の5倍ですから」という決まり文句を言います。そもそも、マンション価格が年収の5倍と住宅ローンが年収の5倍とでは条件が異なりますが、当然、マンションデベロッパー側の営業担当者はより高いものを売りたいと思っていることが解ります。
したがって、買い手側の都合で考えた場合の適正な許容範囲は「4倍以上5倍未満」で、
「年収倍率4倍未満」が望ましいと考えられます。この水準でしたら返済に苦労しない筈だからです。

また、ファイナンシャルプランナーなどの見方によりますと、適切な住宅支出は給与の手取り額の25%以内と言われています。つまり、賃貸の場合も住宅ローンの返済額の場合も、手取り額の25%以内であれば無理なく支払うことができます。
しかしながら、この水準を超えてきますと、何かあった時の抵抗力が徐々に失われていくことになります。
したがって、マンション購入価格の許容範囲は年収の「4倍以上5倍未満」で、「年収倍率4倍未満」が望ましいと考えられます。また、住宅ローンの返済額は給与の手取り額の25%以内が望ましいと言えます。誰でも好立地で広く・新しいマンションに魅力を感じることは言うまでもありませんが、マンションデベロッパー側の営業担当者の言葉に惑わされることなく、上記の許容範囲内で最適なマンションを見つけたいものです。


変動金利はいつ、何パーセント上がるのか?専門家による長期の視点からの予想と対策
http://sennich.hatenablog.com/entry/2017/10/20/012056

3メガ銀行がカードローンを自主規制したが法制化は当面は見送りへ

現在、金融庁による3メガバンクへの立ち入り検査が行われていますが、金融庁の機先を制して3メガ銀行がカードローンの自主規制に踏み切りました。
果たして、これで銀行カードローンへの総量規制は見送られるのか、金融庁メガバンクとの攻防が続きます。


3メガ銀、カードローンに自主上限 過剰融資批判受け 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22462910Z11C17A0EE9000/


3メガバンクのカードローン自主規制内容

 

3メガバンク三菱東京UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行は、カードローンの融資額を利用者の年収の2分の1や3分の1までとする自主ルールを導入した模様です。
全国銀行協会が19日に初めて公表したカードローンの残高によりますと、加盟116行の8月末の残高は前月比0.4%増の4兆3715億円に達しています。
一方、今年3月末の消費者金融会社などのノンバンクによるカードローン融資残高は2兆7千億円で、既に、銀行カードローンは消費者金融会社などの1.5倍の規模に膨らんでいます。

また、自己破産の増加や返済能力を十分に確認しない過剰な融資が多重債務問題を再燃させているとの社会的な批判が、消費者金融会社を飛び越えて銀行業界に向かっているのも最近の傾向です。その背景には同じ無担保カードローンなのに消費者金融会社などのノンバンクには総量規制が課せられ、銀行には総量規制がかかっていないことを問題視する向きもあります。
特に、今年に入りいくつかの弁護士グループなどが、銀行の融資姿勢や審査を系列の消費者金融会社に丸投げしていることに対する批判を強めていました。
今回、3メガバンクがこの様なカードローン自主規制を行なうということは、他の大手銀行や地銀もメガバンクに追随すると思われます。早くも秋田銀行七十七銀行百五銀行などの地方銀行で同様の動きが広がっている模様です。


3メガバンクのカードローンに対する本音

 

今回、この様に3メガバンクがカードローンの自主的な“総量規制”導入を打ち出しましたが、自主的に過剰融資の是正に向けて取り組む姿勢を打ち出すことで法的な“総量規制”導入を避けようという考えが透けて見えます。
今期の3メガバンクの業績はゼロ金利政策継続の影響で相変わらず芳しくありません。
3メガバンクの親会社に当たる三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループの今2018年3月期連結予想数字は、
三菱UFJフィナンシャルグループが増収増益・三井住友フィナンシャルグループが減収減益・みずほフィナンシャルグループが増収減益とマチマチです。
しかも、中身は証券会社やノンバンクが健闘していますが、肝心の中核であるメガバンクの業績は今一つです。
理由は明らかで大企業はカウントの仕方で異なりますが、300兆円とも400兆円とも言われる内部留保を持ち銀行借り入れのニーズがありません。また、住宅ローンは都市部のマンションのバブルで増えていますが、利ザヤを稼げないのが玉に瑕です。

その結果、メガバンクの稼ぎ頭がカードローンという訳で、簡単にメガバンクが金の生る木を手放す筈はありません。つまり、どんな手段を用いても銀行カードローンに総量規制の法的な網を掛けたくないのが銀行界の本音なのです。
したがって、今後もメガバンクを始めとした銀行界は、あの手この手で銀行カードローンに総量規制が及ぶのを阻止する筈です。
この様な時のために、長年、銀行は業界として金融庁財務省からの天下りを受け入れてきました。この時とばかり水面下で金融庁財務省のひも付きの銀行幹部が、出身先の金融庁財務省に画策している筈です。


考えられる金融庁の対応

 

最近の銀行界の自主規制の動きに対して、金融庁は厳しい姿勢で臨んでいるのが最近の傾向です。特に、9月に入り金融庁はわざわざ事前に告知をしてまで、銀行カードローンの立ち入り検査を実施しています。
金融庁は本気で銀行カードローンに総量規制を導入するつもりなのか?
或は、ポーズだけなのか定かではありませんが、22日の衆議院選挙も影響している様です。当初は与党の劣勢が予想され場合によっては政権交代の可能性まで取り沙汰されました。
しかしながら、風向きが変わり、与党が健闘し現有議席から大きく減らないというのが現在の状況です。したがって、9月の時点に於いては金融庁政権交代の可能性も考慮して、銀行カードローンに対する厳しい姿勢を見せたと考えられます。
つまり、選挙結果で現在の安倍政権の存続が決まれば、元の木阿弥になる可能性も十分にあります。決して銀行カードローンの自主規制に終わらせることなく、銀行カードローンに総量規制を導入するべく厳しい目を向ける必要があります。


カードローン取材班・利用者が語るカードローンの知恵袋
https://cardloan-reporters.com/

債務整理の弁護士解任で既に支払った費用はどうなる?

東京弁護士会が「アディーレ法律事務所」を2か月間の業務停止処分にしたことを受けて、にわかに弁護士の解任手続についての検索が増えています。
「アディーレ法律事務所」問題で東京弁護士会が顧客のための相談窓口を設けたところ数日で3,000件を超える相談が寄せられましたが、その大半は弁護士変更手続と費用に関する相談でした。そこで、弁護士変更手続の手順と支払った費用についてまとめました。


「アディーレ」業務停止処分 弁護士会に3000件超の相談
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171018/k10011182071000.html


弁護士解任と辞任の違い

 

一般的に弁護士の解任と辞任と言われると何となく想像がつく気もしますが、違いを明確に説明することは意外に難しいものです。まず、弁護士が辞任するケースとしては健康状態や業務停止などの懲戒処分により業務を遂行出来ない場合など、弁護士の都合で委任契約を解約する場合を意味します。
今回の「アディーレ法律事務所」問題は一旦、弁護士が辞任することになる筈で、現在、3.5万人~5万人とも言われる依頼者にその旨が書かれた文書が発送されている筈です。したがって、弁護士(弁護士事務所)の都合で委任契約を解約する訳ですから、
弁護士事務所や弁護士会が後任の弁護士を選任する可能性が多いと言えます。
また、辞任のもう1つのケースは弁護士が事件の正式受任後の相当期間経過後に、
依頼者による虚偽の説明や証拠書類などのねつ造が判明した場合などが考えられます。

一方、依頼人と弁護士の委任契約は法律上いつでも解約することは可能です。
ただ、依頼人が解約をすること自体は自由ですがやむを得ない理由に基づくものでない限り、相手(弁護士・弁護士事務所)の損害を賠償すべきこととされています。
つまり、客観的に判断して弁護士に「弁護士の品位を失うべき非行」などの特段の問題がない場合、委任契約の解約は相手の不利な時期に行う場合にはそれによる損害を賠償すべきであると考えられています。
例えば、「勝訴したら勝訴額に応じて成功報酬を与える」というような裁判に於いて、
突然、勝訴間近に弁護士との委任関係を一方的に解消した場合は、見込み成功報酬額や実費を請求されることが多いと言えます。
ただ、今回の「アディーレ法律事務所」問題の場合は先方弁護士の辞任を待たずに解任しても、弁護士・弁護士事務所の損害を賠償する必要は無いと考えられます。
「アディーレ法律事務所」或は代表弁護士に「弁護士の品位を失うべき非行」などが認められ、「アディーレ法律事務所」と代表弁護士に業務停止処分が課せられているからです。

一般的なケースとしては依頼人と弁護士の意志の疎通不足やコミュニケーション不足が原因で、依頼人が解任に踏み切る場合が多い様です。
依頼人から見ると長期間、弁護士が何もしないで手続を放置したとか、メールをしても電話を掛けても事務員ばかりで弁護士が対応しないなどのケースです。
その様な依頼人と弁護士の相性の悪さで依頼人が解任に踏み切る場合は、その後の依頼人と弁護士の話し合いで弁護士の辞任とする場合も多い様です。弁護士にとっては解任よりも辞任の方が体裁が良い訳で、費用の面を含めてお互いに妥協するケースと言えます。


弁護士に支払い済みの着手金はどうなるのか?

 

弁護士を解任した場合に最も気になるのが着手金です。
もともと、弁護士の着手金について法律上の明確な定めは無いため、着手金の扱いで依頼者と弁護士の意見が対立する場合が多いからです。したがって、弁護士を解任した場合の着手金の取り扱いについては、弁護士と話し合うしかありません。

ただ、着手金についての一般的な考え方は以下の通りです。
まず、客観的に判断して弁護士に「弁護士の品位を失うべき非行」などの特段の問題がない場合の解任については、着手金は依頼者に返還されるケースは稀です。
一方で、今回の「アディーレ法律事務所」問題の様な業務停止などの懲戒処分により辞任・解任する場合は、着手金は返還されるべきだと考えられます。
ただし、「アディーレ法律事務所」が、その様に考えるかどうかは解りません。
加えて、今回の「アディーレ法律事務所」問題で依頼者が受けた精神的な負担や、契約不履行(債務不履行)を理由に損害賠償を求めるケースが出ることも考えられます。


弁護士に支払い済みの着手金以外の費用はどうなるのか?

 

着手金以外に支払った報酬金などの費用については、債務整理手続がどの程度まで進んでいたのかにもよりますが基本的な考え方は上記と同様です。したがって、今回の「アディーレ法律事務所」問題の場合は返還されるのが一般的な考え方と言えます。
いずれにしても、弁護士解任で費用の返還などで先方と意見が食い違った場合は、話し合いにより返還方法などを決めるしかありません。

ただし、債務整理手続の場合に費用を分割払いする依頼者は、費用を手続に先行して支払っている場合が多くなっています。特に、任意整理の費用を分割する場合は、和解交渉を始める前に費用を分割で支払う例が多いと言えます。
つまり、和解交渉を始める前の段階ですから、これらの費用は依頼者に返還されるべきものと考えられます。


弁護士との話し合いがもめた場合は

 

弁護士の解任や費用の返還でもめた場合は、弁護士会の中にそのような苦情を受け付ける相談窓口(紛議調停)が開設されていますので相談するとよいでしょう。
もともと、弁護士と委任契約を結ぶ前に、ネットで依頼した弁護士に懲戒処分の過去があるか否かを確認することも大事です。中には過去に何度も懲戒処分を受けたことがある弁護士もいますので。
その様な懲戒処分のリピーター弁護士は、弁護士事務所名を変えて場所を変えて弁護士業務を継続しています。


アディーレ業務停止、広がる混乱 弁護士に会えず途方に
http://www.asahi.com/articles/ASKBK5JQ6KBKUTIL037.html

貯金ができない人の老後はカードローンに追われる生活が待っている

少子高齢化高齢者が増えているからでしょうか?あるいは、団塊の世代後期高齢者入りするからでしょうか?最近、高齢者向けのカードローンの宣伝が目立ちます。
果たして、高齢者が金利の高いカードローンを借りて最後まで完済できるのか心配になります。最近、自己破産に占める高齢者の割合や高齢者の経済破たんが増えていますが、その背景に銀行カードローンや高齢者向けのカードローンがあることは間違いありません。アリとキリギリスではありませんが、貯金人生を歩んだ人と借金人生を歩んだ人の老後は大きく異なります。


貯金「100万の壁」にぶつかる人の共通点
残高0円からの貯蓄UP術 前編
http://president.jp/articles/-/23371

かんたん安心ローン・60歳~80歳の選べる2つのローン
http://www.fundex.co.jp/kojin/product/kantanplan/index.html?PHPSESSID=osk7nab5h33e740l4jc6759qr0


貯金の大小は収入だけでは決まらない

 

貯金をテーマにした本が数えきれないほど出版されている様に、これをやれば必ず貯金できるという様な貯金のコツの決定版はありません。ただ、収入が少なければ貯金が少なく、収入が多ければ貯金が多いという様な単純なものでもありません。
食べていくだけで精一杯というレベルは別ですが、平均的な収入で多額の貯金がある人もいれば無い人もいます。
また、収入を増やすことだけに終始する人が多い反面、長い目で見ると富と収入は別物という感じもします。要は計画的にこの分だけは貯金すると決めておき、長期間、継続できる人が貯金ができる人です。

その結果、年齢を重ねるに従いリカバリーが難しくなるのが貯金の世界です。20~30歳代での1,000万円の貯金の差はリカバリーできるかもしれませんが、60歳を超えて来ると1,000万円の貯金の差はリカバリー不可能かもしれません。その結果、貯金の無い人は老後にカードローンに手を出す場合も出て来るのです。


高齢者向けのカードローンが増える世の中

 

昨今の様な高齢者向けのカードローンが増える世の中が良い世の中である筈はありませんが、金融業者側にとればビジネスチャンスの無いところに投資をする筈はありません。現在はゼロ金利時代真っただ中ですが、年率10%を超える高金利高齢者向けのカードローン事業が儲かる時代なのです。
つまり、持つ者と持たざる者の格差がもはやリカバリーできない世代である60歳以降の世代に於いては、一方で一代では使い切れないほどの資産を築いた人もいれば、60歳を超えてからカードローンに頼らなければならない人も増えている訳です。


高齢者向けカードローンは危険が一杯

 

高齢者がカードローンに頼らざるを得ない要因は人様々でいろいろ考えられますが、主な要因を拾ってみますと以下の要因に集約されます。

生活費のために
急な医療費にお金が必要
アパートの入居費用
老人ホームの入居費用
自宅の修理や改築費用
自宅をバリアフリーにしたい
介護しやすい家にしたい
いつでも使えるカードを作りたい
一般のカードローンを断られた

しかしながら、高齢者向けカードローンが融資条件などで高齢者を優遇しているなら理解できますが、金利や融資条件などで高齢者を優遇しているカードローンは見当たりません。むしろ、銀行カードローンに見られる傾向としては、収入が無い高齢者にカードローンを簡単に融資するなどのモラルハザードが起きていることです。
通常は収入の無い高齢者がカードローンの審査に落ちることで結果的に破産を免れることもありますが、今、銀行が行っていることは全く逆の行動で実質的にほとんど無審査で融資しています。また、ノンバンク系の貸金業者高齢者向けカードローンを強調していますが、金利は年率15%前後と条件面では全く優遇策は見られません。
結局、これらのカードローンは高齢者の審査のハードルが低いというだけで、中身は通常のカードローンと何も変わらないという「インチキローン」なのです。


高齢者のための総合的な相談窓口

 

従って、高齢者の立場から見ると、この様な高齢者向けカードローンに手を出すことは「アリ地獄」に落ちることと同じです。年金意外に大きな収入の無い大部分の高齢者にとり、年率15%前後の超高金利はとても払い切れるものではありません。
従って、間違っても高齢者向けカードローンに手を出すよりは、何もしないでじっと我慢する方が良い結果につながります。
或は、少なくともこの様な高齢者向けカードローンに手を出す前に、お金が必要になった原因を考えて以下の公的な高齢者のための相談窓口に相談しみては如何でしょうか。
何か解決の糸口が見つかるかもしれません。

福祉事務所
高齢者の生活全般に関することや老人ホームへの入所について相談を受けつけています。
地域包括支援センター
必要なサービスを包括的・継続的に調整する地域の拠点として高齢者の多様なニーズに総合的に対応しています。
保健所・保健センター
高齢者の健康、医療に関する相談を受けつけています。
街角の年金相談センター
来所による年金相談の専用窓口で電話での相談は行っていません。 
民生委員
高齢者の福祉に関して様々な相談に応じています。また、サービス窓口への紹介なども行っています。
高齢者見守り相談窓口設置事業
高齢者やその家族等からの相談を受けたり、地域と連携して高齢者の見守り等を行っています。
高齢者のための夜間安心電話・公益社団法人東京社会福祉士
高齢者やその家族の抱える保健や福祉に関わる心配ごとや悩みについて情報提供を行っています。
シルバー人材センター
一般的な会社勤務は難しいが健康で働く意欲がある60歳以上の方を対象に働く機会を提供しています。
区市町村社会福祉協議会
介護が必要な高齢者のいる世帯に、住宅改修・療養介護・福祉用具購入などの資金貸付けを行います。
福祉サービス総合支援事業相談窓口
判断能力が不十分なかたの権利擁護、成年後見制度の利用相談や福祉サービスの利用援助を実施します。
警視庁総合相談センター
高齢者に対する振り込め詐欺ヤミ金融悪質リフォーム悪徳商法など様々な相談に応じています。
高齢者被害110番・東京都消費生活総合センター
消費生活トラブルで困っている高齢者を対象に電話相談を行っています。
高齢消費者見守りホットライン・東京都消費生活総合センター
高齢者の身近にいる民生委員やケアマネジャーが地域で発見した高齢者被害についての通報や問い合わせを受け付けています。


良い借金・悪い借金とな何なのか?(住宅ローン・不動産投資)
http://www.asunarolife.net/entry/yoishakkin-waruishakkin

「自然災害債務整理ガイドライン」を知らない人は多いのが現実

最近、「50年に一度の大雨」などという表現をテレビの天気予報でよく聞きますが、
地球温暖化の影響なのか大雨・台風による洪水や山崩れなどの自然災害の被害が増えています。加えて地震大国の我が国は災害列島とも呼ばれますが、新築したばかりの家やマンションを失った人の無念さは計り知れません。
しかも、家を失った上に住宅ローンだけが残ってしまったとしたら・・・。こんな時に役立つ制度が2015年にできています。それは「自然災害債務整理ガイドライン」で、まだまだ、知らない人が多いのが現実ですが、少なくとも住宅ローンを抱える人は知っておけば万が一の時に役立つかもしれません。


災害で自宅が全壊。どうなる住宅ローン
https://news.biglobe.ne.jp/economy/1009/pre_171009_8103358494.html


災害で家を失った場合の住宅ローンの扱い

 

通常、大雨や台風による洪水や山崩れ、或は、地震で家を失った場合、いくつかの法律で救済・援助が行われています。また、民間の見舞金や義援金などが支給される場合もあります。しかしながら、失った家に住宅ローンが残っている場合、基本的に住宅ローンは返済するのが原則です。
もともと、家を失い新しい住まいにかかる住居費や家具の費用だけでも大きな負担になりますが、加えて元の自宅についている住宅ローンを払うとなると大きな負担になる訳でいわゆる二重ローンの状態です。
2011年の東日本大震災でも多くの人が家を失いましたが、住宅ローンを抱えて途方に暮れた人も少なくなかったのです。そこで創設されたのが被災者のローン負担を軽減する「自然災害債務整理ガイドライン」で、対象になるのは2015年9月2日以降に災害救助法が適用された自然災害によってローンを返済できない個人または個人事業者です。


災害救助法とは?

 

災害救助法の主旨は以下の通りです。
大雨や台風による洪水や山崩れ、或は、地震などの災害により、多数の住宅が被害を受け被災者の生命・身体への危害があり救護を著しく困難とする特別の事情がある場合、
被害が発生した被災地に対して都道府県が適用し自衛隊日本赤十字社に対して応急的な救助の要請・調整・費用の負担を行うということです。
これらの救助の費用は原則として各都道府県が負担し、都道府県の財政力に応じて国が負担する場合もあります。適用基準は第一に大きな被害を受けた世帯数が基準となっており、人口と被害を受けた世帯数により細かく決められています。
基準は都道府県と市町村の2つの適用単位があり、各自治体の人口ごとに定められた適用基準があります。これに加えて、へき地で発生した災害など救護が困難な事情がある場合に適用される場合があります。

また、同種の法律に激甚災害法がありますが激甚災害法は地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とする場合に政令で指定され適用されます。
こちらも全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準による指定」と市町村単位で指定する「局地激甚災害指定基準による指定」の2種があり、中央防災会議が定めた「激甚災害指定基準」「局地激甚災害指定基準」に基づいて判断されます。
激甚災害に指定されると国により災害復旧事業の補助金の上積みがなされることになります。
これまで激甚災害に指定された主な災害に、1994年の三陸はるか沖地震・1995年の阪神・淡路大震災・1998年の台風5~9号による暴風雨災害・2004年の新潟県中越地震
2007年の台風5号による暴風雨災害・2011年の東日本大震災などがあります。


「自然災害債務整理ガイドライン」の骨子

 

上記の様な自然災害により住宅ローンのほか自動車ローン・事業性ローンの返済が出来なくなった場合に、自己破産などの法的倒産手続によらずに、債権者と債務者の合意にもとづき債務整理を行う際の準則として取りまとめられたものが「自然災害債務整理ガイドライン」なのです。
この「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」は、平成27年9月2日に「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」の設置後に被災された方を対象にしています。また、災害救助法の適用を受けた自然災害の影響を受けたことによって、住宅ローン・住宅のリフォームローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなった個人の債務者が対象です。


「自然災害債務整理ガイドライン」手続の流れ

 

「自然災害債務整理ガイドライン」の手続の流れは以下の通りです。
まず、最も多額のローンを借りている銀行などの金融機関等へ手続着手の申出を行ないます。金融機関により所定の借入先・借入残高・年収・資産・預金などの状況をヒアリングされます。           ↓
申出を行なった金融機関等から手続着手について同意が得られた場合、地元弁護士会などを通じ「自然災害被災者債務整理ガイドライン」運営機関に対し「登録支援専門家」による手続支援を依頼します。「 登録支援専門家」とは弁護士・公認会計士・税理士・不動産鑑定士を意味しますが、弁護士以外は一部業務を実施できませんので弁護士がベストです。                  ↓
弁護士などの「 登録支援専門家」が決まると、金融機関等に債務整理を申し出て申出書のほか財産目録などの必要書類を提出します。この債務整理の申出により債務の返済や督促は一時停止となります。これは通常の債務整理手続と同じです。
                                    ↓
弁護士などの「登録支援専門家」の支援を受けながら金融機関等との協議を通じて、
債務整理の内容を盛り込んだ書類である「調停条項案」を作成します。
                                    ↓
弁護士などの「登録支援専門家」を経由して金融機関等へガイドラインに適合する「調停条項案」を提出・説明します。「調停条項案」に対して金融機関等は1カ月以内に同意するか否かを回答します。            ↓
「調停条項案」が債務整理の対象にしようとする全ての借入先から同意が得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立てます。この場合、弁護士以外は特定調停の場に出頭することはできず、債務者自身が出頭する必要が出て来る場合があります。
                  ↓
簡易裁判所の特定調停手続により調停条項が確定すれば債務整理が成立となります。


「自然災害債務整理ガイドライン」の利用状況

 

この「自然災害被災者債務整理ガイドライン」による債務整理の利用状況は、まだまだ、一部に限られている様です。2017年6月末時点で登録支援専門家に手続支援を委嘱した件数が692件、 うち、手続中の件数500件・ 特定調停の申立てに至っている件数28件となっており、債務整理成立件数は83件となっています。
一般に「自然災害被災者債務整理ガイドライン」による債務整理が認知されていないこともあり利用状況は低調ですが、二重の住宅ローンに苦しんでいる人は桁違いに多い筈です。今後、この「自然災害被災者債務整理ガイドライン」による債務整理が認知され、自然災害によって住宅ローンの返済に困った人が一人でも多く救われることを望みます。


住宅ローンの「団信」に制度変更、民間生命保険とどっちがいい?
http://diamond.jp/articles/-/144507