借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

カードローンに手を出す前に賢くお金を借りる方法

銀行や消費者金融会社のカードローンは、無担保でしかも1~2日の審査で直ぐにキャッシュを手にできます。審査は簡単で特に問題の無い人にとっては最も手軽でスピーディーな資金調達手段と言えます。
しかしながら、カードローンの金利は最も利用の多い100万円以下のキャッシングの場合は、金利が年率14%前後と非常に高く設定されています。
また、最寄りのATMで簡単にキャッシュを出し入れできる手軽さから、なかなか完済できない人も多い筈です。そこで、カードローンに手を出す前にちょっと立ち止まって、
安全にお金を借りる他の方法を考えてみてはいかがでしょうか?


入学金や授業料が払えない!そんな時、安全にお金を借りる方法を教えます
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3138665


もう1度、自力でお金を調達することを考えてみる

 

若いサラリーマンやビジネスマンなら一度は経験することですが、いくつかの出来事が重なって急な出費が続き給料日前にキャッシュが底をつくことがあります。そんな時に直ぐにカードローンに頼らずに、もう1度、自力でお金を調達することを考えてみることも必要です。
自力でお金を調達する方法の1つ目は、生命保険を担保に保険会社からキャッシングする方法です。貯蓄型の生命保険など生命保険のタイプによっては、数十万円のキャッシングが可能な場合も少なくありません。

2つ目は勤務先の社員融資制度を確認することです。会社により社員融資制度には様々な規定がありますが、もしかしたら条件に合致するかもしれません。
3つ目は恥を忍んで頭を下げることです。頭を下げる相手は親兄弟や義理の親兄弟・友人・上司などが考えられますが、数十万円までのお金であれば頼めないこともない筈です。ただし、あとあとの人間関係も考える必要がありますが。
上記の自力でお金を調達する方法が無理な場合は、市区町村や国などの公的な生活資金貸付制度を考えるしかありません。


国から借りる方法

 

公的な生活資金貸付制度を考える上でのポイントは金利は非常に低い金利が適用されますが、申請や審査に時間が掛かることです。この点が民間のカードローンとの最も大きな違いですから、公的な生活資金貸付制度を考える場合は数週間の時間的な余裕が必要です。

その上で国から借りる方法の1つ目は年金担保貸付制度です。この年金担保貸付制度は独立行政時法人「福祉医療機構」が実施する公的融資で、年金を受給している人が年金を担保にお金を借りることができる「唯一」の制度です。金利は年率1.6%で年金生活でまとまった資金が必要な場合などに利用できます。厚生年金や国民年金などを受けている人が医療・介護・福祉・住宅改修・冠婚葬祭等に必要な資金を借りることができます。問い合わせや相談は「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」のホームページを参照してください。

国から借りる方法の2つ目は国の教育ローンです。教育ローンですから子供の教育資金に限定されますが融資限度額が子供1名あたり300万円以内と大きいことと、資金使途が入学金・授業料・設備費などの学校納付金に加えて、受験費用・住居費用(家賃や敷金)・教科書代・教材費・通学費用などかなり幅広く利用することができることがメリットです。返済期間は15年以内で金利は2014年2月現在で2.35%となっています。
ただし、子供が二人という家庭では世帯収入が890万円以下(所得680万円以下)であることが条件となります。

国から借りる方法の3つ目は厚生労働省の求職者支援制度です。この求職者支援制度は貸付ではありませんが、雇用保険を受給できない人向けにスキルを身につけるための講座を無料で受講できる上、収入が少ない人は月額10万円と交通費を受け取ることができます。したがって、生活資金の支援と考えることもできますが、雇用保険の需給ができない人や受給期間が満了した人の中で収入や資産が少ない人が対象となります。
具体的には主婦やフリーターなど失業保険がもらえない失業中の社会人が対象となります。
 

市区町村から借りる方法

 

市区町村から借りる方法の1つ目は生活福祉資金貸付制度で、都道府県社会福祉協議会が実施する公的融資・支援制度です。対象が必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)や障害者世帯・高齢者世帯に限られますが、金利は0~1.5%と非常に低金利で生活資金融資の上限は70万円で返済は最長3年となっています。資金使途は生活資金など特に制限はありませんが、対象は年収800万円以下・中小企業に6ヶ月以上勤務・住民税の滞納がないことなどが条件となります。また、審査期間は5営業日と公的な融資制度としてはスピーディーです。

市区町村から借りる方法の2つ目は住宅支援給付でこちらも貸付ではなく支援制度ですが、市区町村の住宅支援給付が担当窓口となります。対象は離職者で働く能力・意欲がある人で住宅を喪失しているか喪失の恐れがある人で、賃貸住宅の家賃額を原則3カ月・最長9カ月支援してくれます。ただし、離職後2年以内で65歳未満や離職前に生計維持者か離婚等によって生計維持者になったもの、働く能力と就職の希望がありハローワークで求職申込を行い住宅を喪失または喪失の恐れがある人が対象となります。
上記の様に公的な融資・支援制度には様々な方法がありますが、対象が限られていることや審査・申請に時間が掛かることが難点です。
ただ、安易に高金利のカードローンに手を出す前に、今一度チェックする価値はありそうです。


安易な借入に要注意!借入方法の注意点・特徴・選び方の全知識
https://a-cashing.com/ch-knowledge/kariire/

銀行カードローン残高の急ブレーキは消費者金融会社には痛しかゆしの現実

銀行カードローンへの社会的な批判の嵐の中で、9月からメガバンクを筆頭に各銀行はカードローンの自主規制に踏み切っています。もともと、同じカードローンでありながら消費者金融会社のカードローンは総量規制の対象ですが、銀行カードローンは総量規制の対象にならないという金融庁の不可解な行政が発端と言えます。
したがって、銀行協会は何とか自主規制で社会的な批判の嵐を抑え、総量規制の導入を避けたい思惑です。
その結果、9月を境目に銀行カードローンの伸びが抑制され、消費者金融会社のカードローンの減少幅が少なくなってきました。ただ、銀行カードローン残高の急ブレーキは消費者金融会社には痛しかゆしの現実があることも事実なのです。


消費者金融、復調? 銀行カードローン抑制の影響か 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2446302009122017EA1000/


消費者金融会社などのノンバンクのカードローンに復調傾向が見える

 

長らく減少傾向が止まらない消費者金融会社のカードローン残高ですが、9月からの数字は明らかに減少傾向に歯止めが掛かりつつあります。
日本貸金業協会の最新データによりますと、消費者金融会社の貸付金額は以下の通りで推移しています。前年同月比で6月が18.5%減・7月が17.9%減・8月が4.9%減・9月が3.7%減の790億円です。
つまり、7月までは前年同月比で2割近い減少を記録していましたが、8月から3%~4%の微減になっており直近はプラスに転換しているかもしれません。

それは、銀行カードローンが実質的に貸付金額の上限を年収の3分の1に抑えたり、
メガバンクや地銀がテレビCMを自粛するなどの自主規制の効果がジワジワと出ているからです。また、銀行カードローンが即日融資を停止したことも消費者金融会社のカードローンの追い風になっています。これまで銀行カードローンの中でも、特に、メガバンクのカードローンは即日融資を強調してきました。
中でも同じ系列グループにアコムとプロミスを持つ三菱東京UFJ銀行三井住友銀行は、系列のアコムとプロミスの融資ノウハウををフルに活用して審査のスピードを競ってきました。その行き着く先が即日融資でピークでは審査時間30分の場合もあるとの触れ込みでした。
ところが、9月からの銀行カードローンの自主規制の中にマネーロンダリングなどの犯罪との関連性もチェックすることが加わり、実質的に即日融資は不可能となっています。警察関連の情報機関へのチェックに数日は必要だからです。したがって、急いでキャッシングしたい顧客は消費者金融会社などのノンバンクに流れている筈です。


銀行カードローンは総量規制導入を恐れて自粛が続く

 

今、銀行業界が最も恐れているのは、金融庁が銀行カードローンに総量規制を導入することです。法律で総量規制が導入されると銀行カードローンの融資残高が更に減ることは明らかだからです。つまり、銀行カードローンの融資残高が更に減るどころか、桁違いに減少する可能性も否定できません。そうなると、銀行の業績が更に悪化する可能性が大きいのです。例えば、今2018年3月期の三井住友フィナンシャルGの売上は+1.3%増・純利益は-10.8%、みずほフィナンシャルGの売上は+0.2%増・純利益は-8.9%となっています。最大手の三菱UFJフィナンシャルGの売上は+0.3%増・純利益は+2.5%と微増ですが、三井住友フィナンシャルGとみずほフィナンシャルGは減益となっています。これらの数字は海外部門や証券部門の数字で表面上は何とか横這いトレンドを取り繕ってますが、国内部門は完全な赤字体質で内実は相当、苦しい状態に陥っています。

その様な状況を物語る様に、みずほフィナンシャルGはグループの事務を集約する方針を発表し、業務量の削減目標は2021年度には8000人分・2026年度には1万9000人分に増やす計画です。また、三菱UFJフィナンシャルGはAI導入などによる業務の自動化で2023年度までに9500人分の業務量を削減する方針ですし、三井住友フィナンシャルGも2020年度までに4000人分の業務を減らす方針です。
したがって、メガバンクに於いては業務の効率化や自動化で人員を減らし、部署や支店の統廃合も行われることになります。つまり、国内部門に於いては銀行カードローンが唯一の黒字部門で、後は証券会社や保険会社の商品を銀行窓口で販売して手数料を稼ぐしかありません。


銀行カードローンが減ると消費者金融も打撃を受ける構図

 

したがって、消費者金融会社などのノンバンクから見るとアゲンストがフォローに変化した様なものですが、消費者金融会社などのノンバンクにとって銀行カードローンの抑制はもろ刃の剣の面があります。
つまり、消費者金融会社などのノンバンクのカードローン残高は伸びる可能性がありますが、一方で銀行カードローンの残高が減ると信用保証業務からの収入が減るマイナス面も出て来るのです。アコムやプロミスなどの大手消費者金融会社はメガバンクや地銀のカードローンを保証することで、貸し倒れた時の損失を保証しその分の保証料を大きな収入源としているからです。9月末の大手消費者金融会社の銀行カードローンの信用保証残高は貸出金残高の1.5倍と見られますので、銀行が融資を抑えれば大手消費者金融会社の保証残高の伸びも鈍ることになります。

現在、アコムアコムの子会社エム・ユー信用保証が保証会社となっている銀行カードローンは、三菱東京UFJ銀行カードローンや千葉銀行カードローンなど21行におよび、
プロミスを運営するSMBCコンシューマーファイナンスが保証会社となっている銀行カードローンは、三井住友銀行カードローンや横浜銀行カードローンなど16行となっています。 既に、銀行と大手消費者金融会社は持ちつもたれずの切っても切れない関係になっているのです。


生活困窮者に「あぶく銭」で増える自己破産 「日本の貧困」はあの銀行が救う?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171203-00010005-nikkeisty-bus_all

 

これから住宅ローンを借りる人は固定金利がお得

マンションや一戸建てを買って住宅ローンを組む時に、誰もが悩むのは変動金利にするのか固定金利にするのかということです。殆どの人は迷った挙句、銀行マンの推薦する変動金利を選ぶというパターンが多い様です。                  とりあえず、目先の返済額は変動金利の方が安いこともあり、35年間のシミュレーションをすると総返済額に大きな違いも出ます。しかしながら、今後、35年間に渡り現在の超低金利が続く保証があるのでしょうか?仮に金利が上昇すれば現在示されている変動金利の返済シミュレーションはただの紙くずです。本項ではこれから住宅ローンを借りる人の立場で住宅ローンの選択を考えます。


住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」元本が減りにくいのはどっち?
https://zuuonline.com/archives/179289


現在の金利水準を確認する

 

現在の金利水準が史上最低レベルであることは中学生でも知っていますが、それでは、どの程度、現在の金利水準が低いのかを確認する必要があります。まず、直近の金利水準は以下の通りです。

年月     変動金利   35年固定
2016年7月  0.497%    1.350%
    8月    0.497%          1.290%
            9月      0.497%          1.350%
          10月      0.497%          1.070%
          11月      0.497%          1.020%
          12月      0.497%          1.110%
2017年1月      0.447%          1.150%
            2月      0.447%          1.150%
            3月      0.447%          1.110%
            4月      0.447%          1.200%
            5月      0.447%          1.130%
            6月      0.444%          1.150%
            7月      0.444%          1.180%
            8月      0.444%          1.200%
            9月      0.444%          1.190%
2017年10月    0.447%          1.155%

上記の様に過去1年間の金利動向を見ますと変動金利は今なお過去最低の水準を保っています。また、35年固定金利については昨年夏の水準には及ばないものの、やはり過去最低水準に近い低金利水準となっていることが解ります。
それでは、もっと長いレンジで過去の金利水準を確認しますと、バブルの余波が残る1990年代の変動金利は8%を超えていました。また、10年固定金利は2000年頃から長く3%台後半から4%の水準が続きました。

それらの過去の金利水準に比較して2017年10月現在の変動金利は0.447%で、10年固定金利は0.650%で35年固定金利は1.155%となっています。 つまり、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準ですし、10年固定金利も2.5%程度低い水準です。
また、35年固定金利(フラット35)は最近のピークの2008年6月2.77%に比べて1.6%程度低くなっています。つまり、変動金利も固定金利も文句の付けようのない過去最低水準なのです。


銀行はどうして変動金利を奨めるのか?

 

上記の様に現在の住宅ローンの金利水準は過去最低水準で、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準で、35年固定金利も最近のピークに比べて1.6%程度低くなっています。つまり、逆の見方をすれば変動金利は8%まで上昇する可能性があり、35年固定金利も3.5%程度まで上昇する可能性は十分にあると言えます。

そんな環境下で銀行はどうして変動金利を勧めるのでしょうか?
銀行が変動金利を勧める理由の1つ目は変動金利の場合、銀行が背負うリスクはゼロだからです。銀行が背負うリスクはゼロばかりか、銀行は住宅ローンが完済されるまで利ザヤを稼ぐことができます。
一方で固定金利金利上昇のリスクを銀行が背負う仕組みです。現在、35年固定金利は1.155%ですが、仮に市場金利が2%上昇しても銀行は1.155%で貸し続けなければなりません。つまり、完全な逆ザヤ状態になります。
ただ、実際のところは住宅ローンという公共性を考慮して、フラット35の金利上昇リスクは最終的に国が肩代わりする仕組みで銀行に損は及びませんが銀行は儲けることはできません。

銀行が変動金利を勧める理由の2つ目は、35年固定金利の融資額に上限が設定されているからです。申込者個別に融資額に上限が設定されている訳ではなく、銀行の支店や部署ごとに融資額に上限が設定されています。
したがって、銀行の担当者は何とかして変動金利を決めようとします。特に、強調するのは住宅ローンの当初の返済額が格段に少ないことです。住宅を買う時には頭金は勿論のこと様々な経費が掛かりますので、誰もが住宅ローンの当初の返済が少ない方が有り難い訳です。また、固定金利を希望する申込者に対しては10年固定金利などを勧めて、何とか35年固定金利の割合を落とそうとします。
しかしながら、銀行の利益の反対方向に申込者である個人投資家の利益がある訳で、
その意味からは35年固定金利が最も理にかなっていると考えられます。


結局のところ、住宅ローンは金融商品である

 

ここまで述べてきました様に結局のところ、住宅ローンも金融商品であることに変わりはありません。つまり、金融商品で預金か株式のどちらを選ぶのか、或は、株式のどの銘柄を選ぶのかということと同じ様に、変動金利か固定金利のどちらを選択するかを考えなければなりません。
その意味では自分がリスクを取るよりも銀行にリスクを取らせた方が良いに決まっていますから、住宅ローンの選択は固定金利に軍配が上がると言えます。
特に、どうせ選ぶなら35年固定金利を選ぶべきと考えます。変動金利のリスクは金利が8%程度まで上昇する可能性があるのに対して、35年固定金利で考えられる唯一のリスクは35年間金利が上昇しないことだけです。
仮に、35年間に渡り金利が一度も上昇しない場合にのみ、35年固定金利の返済総額は変動金利の返済総額を上回るリスクが出てきます。しかしながら、35年固定金利の返済総額は金利が上昇しても一銭も増えることはありません。

くれぐれも、銀行マンの推奨や目先の返済額の少なさに引かれ、変動金利を選択することの無い様に注意しなければなりません。
ここ数年間の金利は大きく上昇する状況ではありませんが、東京オリンピックパラリンピックが終わり好況にピリオドが打たれると、不況・金利高のスタグフレーションに襲われるかもしれないからです。


三菱UFJ信託、新規住宅ローン撤退 18年4月 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22855390Z21C17A0MM8000/

カードローン事業の頭打ちで手数料収入に頼る銀行経営

銀行の業績に暗雲が垂れ込めてきました。
もともと、ゼロ金利政策の下で利ザヤが取れない上に、大企業は金余りで2社に1社は無借金経営です。その上、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も最近のバッシングの影響で自主規制に踏み切り、今後、実質的に総量規制と同じ程度の規制を敷くことになりました。その結果、銀行の生きる道は各種手数料収入しかなくなってきました。
そんな中で、特に、期待できるのは個人年金投資信託を販売して得られる販売手数料です。しかしながら、個人投資家の目線で考えると、この販売手数料はカードローンの金利と同じで法外の高さなのです。本項では販売手数料の高さと固定手数料の問題点を考えます。


個人年金投資信託なんて、やってはいけない…手数料で儲ける金融機関、損する顧客
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3044765


カードローン事業の頭打ちで銀行経営は冬の時代へ

 

今2018年3月期のメガバンクの業績予想は一言で言えば横這いトレンドです。
ちなみに、三菱UFJフィナンシャルGの売上は+0.3%増・純利益は+2.5%の予想ですが、三井住友フィナンシャルGの売上は+1.3%増・純利益は-10.8%、みずほフィナンシャルGの売上は+0.2%増・純利益は-8.9%となっています。
まだ、表面上は横這いトレンドを装っていますが、海外部門や証券部門の数字で何とか横這いトレンドの数字を取り繕った形です。

内実は先日の日経新聞でも報道されましたが、今後、3メガバンクは大リストラ時代を迎え3.2万人分の業務を削減するとのことです。  みずほフィナンシャルGでは今後、グループの事務は集約し、自動化する定型の事務作業も100業務に拡げる予定です。
業務量の削減目標は2021年度には8000人分・2026年度には1万9000人分に増やし、
浮いた人員は都市部の支店を中心に投入し収益力を取り戻す狙いだということです。
また、三菱UFJフィナンシャルGはグループ内の経営体制の再構築や徹底的なデジタル技術の活用による効率化を柱とした長期ビジョンを公表し、自動化で2023年度までに9500人分の業務量を削減する方針です。
同様に三井住友フィナンシャルGも2020年度までに4000人分の業務を減らす方針です。
また、同時に支店の統廃合など大規模な見直しも始める予定で、みずほ銀行は今後3年をメドに20~30店舗を統廃合する予定です。
表向き各フィナンシャルGはAIの普及やデジタル技術による効率化による合理化と説明していますが、実際には日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため、数千人単位で新卒を大量採用し全国各地の店舗に配置する従来のビジネスモデルの維持ができなくなっているのです。

つまり、従来の銀行のビジネスモデルが機能しない局面に差し掛かっているとも言え、
銀行は儲からない時代に突入しているとも言えます。
それに加えて、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も自主規制に踏み切り、今後、今までの様な伸びは期待できそうにありません。そこで、考えられるのは海外部門を伸ばすことと手数料収入を伸ばすことです。


金融商品の拡販しか残された道はない

 

例えば、現在、最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行のホームページを開き「個人のお金をためる・ふやす」ページを見ますと、円預金・公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険という順でメニューが示されています。
この中で公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険は銀行が販売することにより、何らかの手数料が銀行に入る仕組みになっています。
そのために、銀行側は新入行員に銀行員としての研修に加えて、有価証券を販売するための資格である証券外務員資格等を取らせます。例えば、証券外務員資格を取った行員は投資信託の販売は勿論のこと、銀行の金融商品仲介により様々な有価証券を販売して手数料を稼ぐ訳です。
一方、個人投資家の目線で見ますと、それらの手数料は非常に見え難くなっています。
例えば、前出の三菱東京UFJ銀行のホームページで投資信託のページから個別のファンドのページに入りますと、確かに手数料が掛かることは明示されていますが、一体、手数料率は何パーセントなのかはさらに発行目論見書を見ないと解らないようになっています。つまり、銀行に都合の良いことは解り易く強調されていますが、都合の悪いことは小さな字で見え難く書かれている訳です。
この様なコンセプトは銀行カードローンと全く同じコンセプトで、三菱東京UFJ銀行のカードローンである「バンクイック」の適用金利は年率1.8%~14.6%となっており、
年率1.8%を期待して申し込むと結局のところ大部分の人の適用金利が年率14%前後になるのと同じ構図ではないでしょうか。


個人投資家はこんなに高い各種手数料を払っている

 

それでは、個人投資家が払っている実際の各種手数料の料率はどのくらいなのでしょうか?例えば、投資信託の手数料には意外に知られていませんが3つの手数料があります。まず、投資信託を買ったことがある人なら誰もが知っているのが投資信託の販売手数料です。販売手数料は証券会社や銀行などの窓口やインターネットなどで購入する際にかかる手数料で、通常、ゼロ~4%程度となっています。
但し、販売手数料は外枠方式と内枠方式があることに気が付かない人も多い様で、
販売手数料3%で100万円のファンドを購入した場合、外枠方式ですと払込金額が103万円ですが内枠方式は100万円となります。
ところが、内枠方式のスタート時の基準価格は10,000円に対して9,700円からのスタートとなりますので、実質的にはどちらも同じ3%の手数料を取られていることなります。また、最近は全く手数料がゼロのノーロードの投資信託も出ていますので、しっかり見極めることが大事です。

2つ目の手数料は信託報酬で投資信託の運用会社に対する報酬を意味します。
毎日日割りで計算され少しずつ差し引かれていきますので目に見えない手数料ですが、
年間の手数料は0.2%~2%程度となっています。さすがに、この手数料は投資信託の目論見書を見なければ解りませんし、銀行の営業担当者も説明してくれることはありません。

3つ目の手数料は信託財産留保額と言う名称の手数料が、ファンドを途中で解約したり売却した際にかかる手数料です。掛からない場合も多いですが年間の手数料はゼロ~0.5%程度となっています。

この様に投資信託の手数料は合計すると非常に高率になる場合があります。
ファンドによっては3つの手数料を合計すると毎年3%程度の手数料負担になる場合があります。特に、投資信託を3年以内で解約すると手数料の負担が大きくなることになります。また、年金や保険の形を取りながら貯蓄性の高い金融商品は、実質的に投資信託と変わらない商品も少なくありません。
いずれにしても、これらの金融商品から得る手数料収入で、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社が収益を上げている訳です。
つまり、高い運用利回りを求めて個人投資家はこれらの金融商品を買う訳ですが、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社に高い手数料を払っていることを忘れない方が良いでしょう。
高い手数料を支払っても高い運用利回りが確保されるのなら理解できますが、投資信託を初めてとして年金・保険などに元本を割れる商品も少なくないことを知らなければなりません。


金融商品の手数料は成功報酬がベスト

 

上記の様に我が国の投資信託を初めてとした年金・保険などの手数料は大部分が固定手数料です。固定手数料は運用が計画以上に上手く行われた場合は個人投資家には有利な手数料体系です。例えば、投資信託で国内株式型のファンドが年率+50%の運用成績を上げたとします。このファンドの手数料が年平均で3%としますと、個人投資家は差し引き+47%の運用益を手にします。
一方で、このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合は、個人投資家は-20%の運用損失に加えて3%の手数料を支払わなければなりません。つまり、固定手数料は運用リスクを個人投資家側が負う手数料体系と言えます。

一方、成功報酬制では同様のファンドが+50%の運用成績を上げた場合、あらかじめ決められた料率で成功報酬が支払われます。例えば、運用益の20%を成功報酬と定めていた場合は、個人投資家の手取り収益は+40%になります。
このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合の成功報酬はゼロとなりますから、個人投資家は運用損失だけを負担すればよいのです。

我が国の投資信託や年金・保険商品にこの様な成功報酬制が定着しないのは、やはり、運用サイドが常に運用益を確保する自信が無いためと考えられます。
欧米の多くのアセットマネジメント会社は完全成功報酬制の手数料体系となっています。勿論、何年かに一度は運用成績がマイナスになることもありますが、運用収益が大きく稼げる時に運用益と成功報酬を稼ぐ手法が定着しています。
我が国の銀行や証券会社・生命保険会社に於いても早くこの様な成功報酬制の手数料体系が定着すれば、初めて運用サイドと個人投資家が同じ船に乗ることになるのですが、
果たしていつ頃、実現できるのでしょうか?
いずれにしても、銀行カードローンも含めて、銀行に無駄な手数料を支払うことの無いように注意しなければなりません。


アベノミクスの裏に「銀行カードローン」、経済記者が明かす「自己破産増加」の背景
https://www.bengo4.com/c_1/n_6839/

とうとう消費者金融・銀行カードローンに対抗する第3のローンが登場した

度々、本項でも消費者金融会社や銀行カードローンの金利の異常な高さと、殆どまともな審査を行わない仕組みやシステムに対する疑問を投げかけてきましたが、とうとう消費者金融会社や銀行カードローンに対抗する第3の本格的な消費者ローンが登場しました。本項では第3の本格的な消費者ローンの仕組みと従来のカードローンとの違いを考えます。


消費者金融でもカードローンでもない「第3の貸し手」の仕組みとは
http://diamond.jp/articles/-/147736


第3の本格的な消費者ローンとは?

 

9月25日、みずほ銀行ソフトバンクが共同で株式会社J.Score(ジェイスコア)を設立し、新たな個人向け融資サービスを開始しました。
2016年11月に設立された株式会社J.Score(ジェイスコア)の資本金は50億円で、みずほ銀行ソフトバンクが50%づつ出資しています。もともと、メガバンク3行の中でも、みずほ銀行のカードローン戦略は三菱東京UFJ銀行三井住友銀行とは一線を画してきました。三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミスを傘下に収めましたが、みずほ銀行は「消費者金融会社との提携効果は期待できない」として系列に消費者金融会社を持ちません。
したがって、カードローンの保証会社も三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミス系列の保証会社を採用しているのに対して、みずほ銀行のカードローン保証会社は株式会社オリエントコーポレーションです。

この様な環境下でみずほ銀行は全く新しいFinTechブランドとして、最新のテクノロジーを活用したビッグデータ・AIによる明快な審査のスコア化を行なう第3の消費者ローンを開発した訳です。そして、今後のFinTech・ビッグデータ・AIのイノべーションに備えてソフトバンクと共同で新会社を設立しました。
ソフトバンクにとってもグループ内にはネット銀行のジャパンネット銀行があるだけで、メインバンクでありメガバンクであるみずほ銀行と新しいFinTechブランドを立ち上げる意義は十分にあると言えます。つまり、今回、J.Score(ジェイスコア)は個人向け融資サービスを開始しましたが、同社は今後、個人向け融資サービス以外の新しいFinTechサービスを目指している訳です。


スコアレンディングのの審査の仕組み

 

J.Scoreジェイスコアでは新しい個人向け融資サービスをスコアレンディングと呼びます。スコアレンディングと聞くと正直イメージが湧きませんが、実質的にはカードローン商品の様な消費者ローンであることに変わりはありません。
ただ、審査のコンセプトが従来のカードローンと全く違うということで、従来のカードローンとの差別化を図るためにスコアレンディングというネーミングを採用したと考えられます。つまり、スコアレンディングの個人向け融資サービスはユーザーが年齢や学歴・年収などのいくつかの質問に答えると、ビッグデータ解析に基づいて人工知能AIが1000点満点でユーザーの信用力をスコア化する仕組みで、スコアが高いほど多くの金額を低い金利で借りられる仕組みとなっています。

まず、スコアレンディングではビッグデータとAIによって算出された1,000点を上限とするAIスコアが計算されますが、ネット経由のスコアレンディングからの具体的な質問内容は以下の通りです。
「生まれた年と月・性別・最終学歴・勤務形態・業種・職種・企業規模・勤務年数・年収・既婚未婚・子供の有無・同居家族の有無・同居家族の人数・現住所の郵便番号・住居タイプ・居住年数・住宅ローンや他の借入の有無・借入件数・借入総額」
このスコアレンディングのAIスコア算出に当たり以下の但し書きがあります。
『AIスコアは20歳以上でかつ日本国内に居住されているお客さまが利用されることを前提としています。AIスコアが提示されたときも、実際のスコアレンディングのご利用申込の際に実施する別途の審査結果によっては、 スコアレンディングをご利用頂けない場合やAIスコア提示時に示したものとは異なる極度や金利水準でのスコアレンディングのご利用となる場合があります。AIスコアは当社独自の算出方法によってご提示するものであり、他の金融機関等でお借入を受けられることなどを保証するものではありません。AIスコアはお客さまがご入力された情報やその他情報、お客さま情報の蓄積などに応じたAIスコアロジックの変化などにより変動することがあります。事後的に実施する審査によってAIスコアの提示を停止することがあります。この場合、スコアレンディングはご利用頂けません』

上記のスコアレンディングからの具体的な質問内容は、実質的には銀行や消費者金融会社でカードローン審査を受ける際の質問事項と大きな違いはありません。
つまり、従来のカードローンがそれらを担当者が人為的に処理しているのに対して、
スコアレンディングのAIスコア計算は全てAIが行うのが大きな相違点です。
しかしながら、上記に敢えて掲載した但し書きをよく読みますと、AIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まる訳ではないと書かれています。恐らく、大部分のケースではAIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まると考えられますが、
人為的な審査の範囲を残したと考えられます。

スコアレンディングの個人向け融資サービスの融資条件などの詳細は以下の通りです。
貸付利率(年率)0.9%~12.0%
契約極度額   10万円~1,000万円
(全てネット完結スマホ・PCのみでスピーディーに対応・スコアアップによりより良い条件でご利用の検討が可能・
さまざまな特典・キャンペーンを用意)

AIスコア    貸付利率(年率)  契約極度額
950~1000    0.9%~2.1%    10万円~1000万円
900~949     1.9%~3.7%            10万円~730万円
850~899             3.5%~5.4%            10万円~540万円
800~849             5.2%~7.0%            10万円~400万円
700~799             6.8%~9.5%            10万円~260万円
600~699             9.3%~12.0%         10万円~150万円
400~599     N/A                          N/A

スコアレンディングの申込み手順は以下の要領です。
スマホ・PCからAIスコア診断実施の後、スコアレンディングを申し込みます。
             ↓
入力された内容をもとに仮審査を行い、仮審査結果をメールにて受け取ります。
             ↓
仮審査結果を確認のうえスマホ・PCからWEBアップロードにて本人確認書類と収入証明書類を提出します。   ↓
提出した本人確認書類等を含め本審査を行い、本審査結果はメールにて受け取ります。


従来の消費者金融・銀行カードローンの審査の仕組み

 

従来の大手メガバンクカードローンの審査は最も早い場合は、最短30分の審査で即日融資も可能と大々的に宣伝されています。ネット経由で仮審査時に入力する主な項目は、名前・職業・生年月日・性別・独身・既婚・自宅電話番号・携帯電話番号・保険の種類・年収・金融機関からの借入金額などです。
また、銀行の窓口で受ける審査の印象も非常に当たり前の表面的な審査の印象で、上記の項目のチェックは同じです。これらに加えて個人信用情報機関にチェックが入りますが、過去に延滞や金融事故の履歴が無い人は直ぐに審査が終了となります。
稀に、勤務先に在籍確認の電話を掛ける場合もありますが全員ではありません。
大手銀行のカードローンの多くは保証会社にアコムとプロミスの系列会社を採用しています。したがって、実質的な審査項目は消費者金融会社と大差無いのが現実です。

また、大手消費者金融会社の審査内容も上記の銀行カードローンの審査の仕組みと同様ですが、大手消費者金融会社の審査に於いては他社借入があるか否かについてのチェックが行われています。例えば、総量規制に該当しない場合でも、他の消費者金融からの借入れが5件以上あると審査をパスすることはできない場合があります。
また、直前に他社のカードローンに何度も申し込みを繰り返している場合も審査をパスできない場合があります。


結局、スコアレンディングは何が違うのか?

 

まず、ローンの申込者に対する確認事項や質問項目の内容は、スコアレンディングの場合も従来のカードローンの場合も大差ありません。只、それを判断するのがスコアレンディングはAIが判断し、従来のカードローンの場合は人間が判断しているところが大きな違いです。また、スコアレンディングはビッグデータ・AIによる明快なスコア化を打ち出しており、個人のAIスコアが瞬時に計算され明確に個々に伝えられます。
一方、従来のカードローンの場合もクレジットポイントと称されるポイントが計算されている様ですが、クレジットポイントが個々の申込者に伝えられることはありませんし、どうして審査にパスできなかったのかも申込者は知る由もありません。
この点はスコアレンディングは一歩先に進んだと言えます。
また、スコアレンディングはAIを使った審査やネット経由のスピーディーな手続き・すべてがネットで完結するシステムと、店舗を持たないローコストなオペレーションでローン金利を低く設定できることが強調されています。
上記の適用金利一覧を見ても、AIスコアが950~1000の場合の適用金利は0.9%~2.1%となっています。

一方で果たして申込者の何割の人がAIスコアが950~1000に該当するのかは未知数です。銀行カードローンの様に最も利用が多い50万円~100万円の利用者の適用金利が、
年率14%前後と言う様なことがないとは言い切れません。
スコアレンディングもAIスコアが600~699の場合は適用金利が9.3%~12.0%となっているからです。つまり、スコアレンディングも年率12%という金利が有り得る訳で、このゾーンを利用する人が多ければ第3の本格的な消費者ローンと言ったところで大きなインパクトはありません。

J.Score(ジェイスコア)によりますと、スコアレンディングの開始から2週間ちょっとで既にアクセスは8万人で、AIスコアの判定をした人は5000人を数えたということです。また、アクセスした人の6~7割は20~30代の若い層で平均年収は高めで、スコアも高めの700~800点台を出す層がボリュームゾーンだったということです。
同社の分析では銀行カードローンよりも信用力が高い顧客層がアクセスしているイメージで、従来だったらお金を借りなかった層が借りようかと思ってくれ潜在的なニーズを掘り起こしている手応えがあるとのことです。
果たして、同社の目論見通りになるかは解りませんが、スコアレンディングの最も多い適用金利が9.3%~12.0%となることだけは避けて欲しいものです。いずれにしても、暫くスコアレンディングの動向から目を離せません。


カードローン返済延滞で困ったら確認するべき3つのポイント
https://cardloan-scoop.com/

アディーレ問題を機に弁護士のCMを考える

アディーレ法律事務所が10月11日に2ヶ月間の業務停止処分を受けて既に3週間が経過します。今回のアディーレ問題の発端は消費者庁が「景品表示法違反(有利誤認)に基づき再発防止を求める措置命令」を下したことですが、アディーレはテレビコマーシャルを使い着手金を値引きしたりするキャンペーンを1ヶ月限定と言いながら4年間も同キャンペーンを継続していました。
また、アディーレは法律事務所のテレビコマーシャルとは思えない様なテレビコマーシャルを多用し、東京弁護士会や他の事務所の反発を買うことも多かったのです。
本項では今回のアディーレ問題を機に弁護士事務所のテレビコマーシャルについて考えます。


アディーレ「手段の悪質性際立つ」と認定 東京弁護士会の懲戒委員会 処分理由の詳細判明http://www.sankei.com/smp/affairs/news/171030/afr1710300001-s1.html

「“手に職”は食いっぱぐれない」は昔の話!? 弁護士・歯科医師のウラ事情
https://ddnavi.com/review/409250/a/


弁護士事務所のテレビCMなどの広告は2000年10月に解禁された

 

最近、テレビを見ていると弁護士事務所や司法書士事務所のテレビコマーシャルが増えている様に感じますが、弁護士事務所などのテレビCMなどの広告は2000年10月に解禁され今年で17年目になります。もともと、医師や弁護士は共に高度な知識と技能を必要とする専門的職業であり公共的性格の強いサービスですから、テレビコマーシャルなどの広告は馴染まない業種と考えられてきました。
ところが、最近の規制緩和の流れはこうした分野にまで及んできており、弁護士の業務広告は2000年10月の日弁連の会則および規定の見直しによって原則自由になりました。
また、公認会計士行政書士司法書士土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士弁理士と合わせて8職種の広告が原則自由に行えるようになっています。
ただ、これらの職種は法律により業務独占が認められた事務系の専門職種ですから、資格者は資格者団体への入会が義務付けられており団体で様々な自主規制を課しています。

今回の東京弁護士会によるアディーレ法律事務所の業務停止処分も、一般の業会団体では考えられない様な厳しい処分ですが弁護士会にはその様な権限が与えられているのです。ちなみに、現在、弁護士会が課している弁護士広告の規制内容は、各事務所の得意分野の紹介や料金も弁護士会があらかじめ決めた報酬規定の範囲内で示すことができますが、勝訴率の掲示や他の弁護士との比較・訪問や電話による勧誘は禁止され違反者には制裁があります。
また、以下の事項が禁止されています。
事実に合致していない広告
誤導又は誤認のおそれのある広告
誇大又は過度な期待を抱かせる広告
法令又は日本弁護士連合会もしくは所属弁護士会の会則及び会規に違反する広告
弁護士の品位又は信用を損なうおそれのある広告
さらに、原則として表示できない広告事項は以下の通りです。
訴訟の勝訴率
顧問先又は依頼者名
受任中の事件
過去に取り扱い又は関与した事件


弁護士広告解禁の背景

 

世の中の規制緩和の流れの中で弁護士事務所の広告は2000年10月に解禁され訳ですが、
弁護士広告解禁の最も考えられる理由は弁護士数が増えている現実です。司法試験制度は2006年から2011年までの制度移行期を経て、現在は新司法試験制度が定着しています。
司法試験制度改革にはいくつかの目的がありましたが、最大のポイントは弁護士数を増やすということでした。欧米諸国に比べて人口当たりの弁護士数は明らかに少なく、
今後、米国流の訴訟社会を迎えるに当たり弁護士数を増やす必要があった訳です。
制度改革より司法試験の合格者数は2006年度の1,009人から2012年度には2,102人に倍増し、 直近の2016年度は1,583人と制度改革前の1.5倍から2倍の水準を維持しています。

したがって、我が国に於いても依頼者が弁護士を選ぶ時代が到来しており、それらの動きが背景となって弁護士広告が解禁されたと考えられます。つまり、依頼者から見ると専門性の高い腕利き弁護士に依頼したいという心理は当然のことですから、選ぶ材料としてネットのWEBサイトやテレビコマーシャルの存在意義があると言えます。
つまり、売れっ子の腕利き弁護士は高い報酬を得ていますが、一方で難関の司法試験を突破したにもかかわらず就職先が見つからず独立開業しても年収100万円を切ってしまう様な弁護士も増えています。したがって、玉石混交の弁護士の中から、ネットのWEBサイトやテレビコマーシャルなどから最適な弁護士を見つけなければなりません。

また、弁護士報酬も規制緩和で自由化されており、以前は全面勝訴でも依頼者の得た利益の約24%以内と決められていました。現在は規制がなくなり自由化されていますので、依頼者の取り分の半分を要求する弁護士も出て来ています。
つまり、医者にヤブ医者がいる様に弁護士にも使い物にならない弁護士も増えていますので、依頼者側も弁護士の名刺だけを鵜呑みにしない選択眼が求められます。


アディーレ依頼者の争奪戦は既に終盤戦へ

 

その意味でアディーレ法律事務所は旧来の弁護士会や弁護士制度に風穴を開け様としてきたと言えますが、出る杭は打たれるのが我が国の現状で打たれて終わるのか、或は、カムバックできるのか注目したいところです。
現在、アディーレ法律事務所が10月11日に2ヶ月間の業務停止処分を受けて既に3週間が経過しますが、アディーレの業務停止を絶好のチャンスと受け止める弁護士事務所も少なくありません。
弁護士事務所大競争時代を迎えアディーレ依頼者の争奪戦は既に終盤戦との見方も出ています。アディーレの依頼者はアディーレ法律事務所の2ヶ月間の業務停止により、
一度はアディーレとの契約を白紙に戻さなければなりません。
アディーレはもう懲り懲りという依頼者も少なくありませんが、いずれにしてもアディーレとの契約を白紙に戻した後に、新たな弁護士かアディーレの弁護士との個人契約を結ぶ必要が出てきます。
そこで、現在、アディーレの業務停止を絶好のチャンスと受け止める弁護士事務所が多数現れており、ネットのWEBサイトにその旨を記した弁護士事務所も多く見られます。
アディーレに債務整理手続を依頼した人達は本当に気の毒ですが、次に良い弁護士事務所を選ばれることをお祈りします。


アディーレ法律事務所、契約解除手続きをネットで公表 問い合わせ殺到、混乱収まらず
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/171019/cpb1710191948004-n1.htm

債務整理依頼者を置き去りにした東京弁護士会の対応

一連のアディーレ法律事務所の業務停止問題で一番の被害を受けているのは、まぎれもなくアディーレに債務整理手続を頼んだ3万人とも5万人とも言われる依頼者達です。
アディーレが業務停止になったのは10月11日からですが、半月以上も経過した現在も混乱が続いています。現在の状況と今後の対応について考えます。


アディーレ業務停止で東京弁護士会が依頼人置き去りのずさん対応
https://www.oricon.co.jp/article/328994/


業務停止後のアディーレ法律事務所の対応

 

アディーレは業務停止になった10月11日から、同事務所と委任契約を結んでいる依頼者に対して今後の対応に関する書面を発送中です。ただ、アディーレは依頼者やメディアに対する電話やメール対応を一切シャットアウトしてきました。
そればかりか、アディーレのホームページが削除されただけではなく、池袋のサンシャインビルにある事務所も閉鎖されています。
つまり、アディーレの依頼者から見るとアディーレからの書面を待つしか連絡の手段は無い訳で、自分から電話を掛けることさえできない蛇の生殺し状態なのです。
特に、債務整理手続をこれから開始する筈の依頼者で、費用を前払いした依頼者は気が気では無い筈です。なけなしのお金で費用を払いやっと債務整理ができるかと期待しているところに、想定外の法律事務所の業務停止に遭遇した訳ですから。
今回、アディーレが業務停止になってから1週間を経過しても何の連絡も貰えなかった依頼者に対して、やっと、10月19日にアディーレのホームページにお詫びと契約解除の案内が掲載されました。
弁護士会からの業務停止処分についてのお詫びと契約解除の状況に関してのご案内」https://www.adire.jp/


10月19日にアディーレが出したお詫びと契約解除の案内要旨

 

アディーレは今回の「弁護士会からの業務停止処分についてのお詫びと契約解除の状況に関してのご案内」の中で、業務停止処分を受けた日より本日までWebサイトや電話など一切の案内をすることができなかったことを詫びています。また、今回、東京弁護士会よりの依頼で業務停止後の事務処理状況をWebサイトに掲載したということです。
以下、アディーレが出したお詫びと契約解除の案内要旨です。

①書類送付について
現在、委任契約解除のための書面を送付している状況で、10月19日の時点で手元に届いていないという方は連絡して欲しいとのことです。
②電話について
現在、電話回線を増設の上、可能な限り速やかに、現在の電話がつながらない状況を解消したいとのことです。
また、書面にアディーレから電話があるとの記載があった方は暫くお待ちくださいとのことです。
③アディーレに支払った着手金について
アディーレに支払った着手金については案件に関する手続きの進行度合いに応じて精算するとのことで、
委任した事件や案件の進行度合いにより異なるとのことです。
④今後の対応について
A自身で対応する方法
B新たに他の弁護士を委任する方法
Cアディーレ所属弁護士を個人として委任する方法
依頼者の今後の対応については上記のA~Cから選ぶことができます。
その場合、BとCの場合はアディーレに預けた資料や預り金は、アディーレから次の弁護士に引き継いでくれるとのことです。したがって、その旨をアディーレ側に知らせる必要があります。また、業務停止期間後に再びアディーレに依頼することはできますが、現在の契約を維持して業務停止期間の終了を待つことはできません。
また、既に裁判所で審理が進んでいるケースについては、既にアディーレが業務停止となったことは各裁判所に通知されており、直近に設定されていた期日については休止・延期等となっています。したがって、Aの自身で対応する場合は各裁判所に確認する必要がありますが、BとCの場合は新しい弁護士が確認してくれます。


アディーレの依頼者が今後、取りうる行動は状況により異なる

 

①着手金について
今回、アディーレは「返還する着手金は合計数十億円に上るが時間はかかっても確実に返金する」と明言しています。したがって、大部分の着手金は返還されると思われますが、今回、アディーレは「案件の進行度合に応じて精算させていただきます」と述べています。つまり、返還はするが全額返還するとは言っていません。したがって、個々の細部を詰めなければなりません。

②過払い金返還などで既に合意して支払いを待つのみだったケース
現在、アディーレの業務停止処分に伴いアディーレの口座に振込ができなくなっています。したがって、自身もしくは新たに選任する弁護士により相手方に連絡をし、振込先の指定口座を変更しなければなりません。

③時効が近い依頼者
時効成立までに訴訟提起等、適切な措置を取る必要がありますので、時効が近い依頼者は早めに弁護士に相談する必要があります。

④任意整理などの和解未了の場合
アディーレの辞任により債務者本人に金融業者側から連絡が来る可能性があります。
したがって、新たに委任した弁護士より受任通知を送付することで交渉窓口を債務者から弁護士に変更することができますので、新たな弁護士の選任を急ぐ必要があります。

⑤任意整理で返済中の場合
和解済で約定の分割支払いを継続中の場合は、合意した条件に従い弁済を行う限り債務者自身に連絡が来ることはありません。別途、アディーレが案内する書面に従い支払いを継続する必要があります。 また、任意整理で和解が成立し毎月アディーレに任意整理原資を入金していた場合は、アディーレより債権者ごとの振込先と入金額を記載した書面を送付するとのことですので、自身で振り込む場合にはそちらに振込むことが必要になります。アディーレから債権者への支払期限は毎月末日となっており、2回分の支払いを遅延した場合は残金を一括請求される恐れがあります。
したがって、和解成立時の合意書の内容を再度確認し遅れのないように支払う必要があります。


東京弁護士会の対応にも問題点が山積

 

もともと、今回のアディーレ問題で第一義的な責任があるのは、言うまでも無くアディーレ法律事務所です。アディーレがホームページに出していた広告が改正前不当景品類及び不当表示防止法に違反していたと消費者庁が判断し、この広告を消費者に誤解を与える有利誤認表示だと断定したからです。
アディーレは1カ月間限定の着手金無料キャンペーンを実際には数年にわたって行っていたからです。この様な期間限定のキャンペーンを実際にはずっと継続して行う戦略は、一般的にはよく行なわれています。街でよく見かける「閉店セール」という看板がありますが、何割かの店は「閉店セール」をずっと継続しています。
また、消費者金融会社が1ヶ月限定の無利息キャンペーンを長く継続している例もありました。
しかしながら、この様な問題含みのキャンペーンを法律事務所が行ったのは初めてで、
消費者庁が有利誤認表示だと断定し東京弁護士会が「弁護士法人として品位を失うべき非行」だとして、業務停止処分を下したのは理解できます。

ところが、3万人とも5万人とも言われるアディーレの依頼者に対して、東京弁護士会の対応が甘かったことは間違いありません。法律事務所を業務停止にすれば委任契約は解約され着手金の一部が返還されることを東京弁護士会は百も承知していた筈ですが、
東京弁護士会は十分に対応策を用意しないまま業務停止処分を下しました。
一応、東京弁護士会は電話相談窓口を開設しましたが、問い合わせ用電話番号を一つ開設しただけで対応要員もわずか10人程度という有様でした。
処分翌日だけでも約3万4000件の電話が鳴ったということで、事態を呑み込めないアディーレの依頼者は東京弁護士会の電話相談窓口に殺到しました。
借金の返済に窮してアディーレ法律事務所に相談した依頼者が、困り果てて何度も電話相談窓口に電話する姿が想像されます。

この様な事態をどうして東京弁護士会は予想できなかったのでしょうか?
また、予想しようとしなかったのでしょうか?
これでは、もともと、新興の法律事務所だったアディーレ法律事務所を、東京弁護士会が潰しに掛かったと見られても仕方がありません。アディーレの石丸元代表弁護士は東京弁護士会の会長選挙に立候補するなど、守旧派の弁護士達から見ると目の上のたん瘤だった筈です。
確かに、アディーレは少しやり過ぎたかもしれませんが、一方で依頼者を待っているだけで仕事が取れた旧来の弁護士事務所のビジネススタイルに対して、アディーレが風穴を開けたことは間違いありません。また、弁護士事務所の無い地域にアディーレが多くの支所を開設し、特に、地方の依頼者の利便性に貢献したことも間違いのないことです。したがって、今回の問題で東京弁護士会は気に入らない新興勢力を潰すだけに終わることなく、アディーレ法律事務所の良い点からは学ぶ姿勢が求められます。


アディーレ業務停止処分・他の事務所の弁護士から疑問も
http://news.livedoor.com/article/detail/13777830/