借金を考察するブログ

「債務整理の森」の執筆担当が借金ニュースについて考察するブログ

これから住宅ローンを借りる人は固定金利がお得

マンションや一戸建てを買って住宅ローンを組む時に、誰もが悩むのは変動金利にするのか固定金利にするのかということです。殆どの人は迷った挙句、銀行マンの推薦する変動金利を選ぶというパターンが多い様です。                  とりあえず、目先の返済額は変動金利の方が安いこともあり、35年間のシミュレーションをすると総返済額に大きな違いも出ます。しかしながら、今後、35年間に渡り現在の超低金利が続く保証があるのでしょうか?仮に金利が上昇すれば現在示されている変動金利の返済シミュレーションはただの紙くずです。本項ではこれから住宅ローンを借りる人の立場で住宅ローンの選択を考えます。


住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」元本が減りにくいのはどっち?
https://zuuonline.com/archives/179289


現在の金利水準を確認する

 

現在の金利水準が史上最低レベルであることは中学生でも知っていますが、それでは、どの程度、現在の金利水準が低いのかを確認する必要があります。まず、直近の金利水準は以下の通りです。

年月     変動金利   35年固定
2016年7月  0.497%    1.350%
    8月    0.497%          1.290%
            9月      0.497%          1.350%
          10月      0.497%          1.070%
          11月      0.497%          1.020%
          12月      0.497%          1.110%
2017年1月      0.447%          1.150%
            2月      0.447%          1.150%
            3月      0.447%          1.110%
            4月      0.447%          1.200%
            5月      0.447%          1.130%
            6月      0.444%          1.150%
            7月      0.444%          1.180%
            8月      0.444%          1.200%
            9月      0.444%          1.190%
2017年10月    0.447%          1.155%

上記の様に過去1年間の金利動向を見ますと変動金利は今なお過去最低の水準を保っています。また、35年固定金利については昨年夏の水準には及ばないものの、やはり過去最低水準に近い低金利水準となっていることが解ります。
それでは、もっと長いレンジで過去の金利水準を確認しますと、バブルの余波が残る1990年代の変動金利は8%を超えていました。また、10年固定金利は2000年頃から長く3%台後半から4%の水準が続きました。

それらの過去の金利水準に比較して2017年10月現在の変動金利は0.447%で、10年固定金利は0.650%で35年固定金利は1.155%となっています。 つまり、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準ですし、10年固定金利も2.5%程度低い水準です。
また、35年固定金利(フラット35)は最近のピークの2008年6月2.77%に比べて1.6%程度低くなっています。つまり、変動金利も固定金利も文句の付けようのない過去最低水準なのです。


銀行はどうして変動金利を奨めるのか?

 

上記の様に現在の住宅ローンの金利水準は過去最低水準で、過去のピークと比べると変動金利は7%以上低い水準で、35年固定金利も最近のピークに比べて1.6%程度低くなっています。つまり、逆の見方をすれば変動金利は8%まで上昇する可能性があり、35年固定金利も3.5%程度まで上昇する可能性は十分にあると言えます。

そんな環境下で銀行はどうして変動金利を勧めるのでしょうか?
銀行が変動金利を勧める理由の1つ目は変動金利の場合、銀行が背負うリスクはゼロだからです。銀行が背負うリスクはゼロばかりか、銀行は住宅ローンが完済されるまで利ザヤを稼ぐことができます。
一方で固定金利金利上昇のリスクを銀行が背負う仕組みです。現在、35年固定金利は1.155%ですが、仮に市場金利が2%上昇しても銀行は1.155%で貸し続けなければなりません。つまり、完全な逆ザヤ状態になります。
ただ、実際のところは住宅ローンという公共性を考慮して、フラット35の金利上昇リスクは最終的に国が肩代わりする仕組みで銀行に損は及びませんが銀行は儲けることはできません。

銀行が変動金利を勧める理由の2つ目は、35年固定金利の融資額に上限が設定されているからです。申込者個別に融資額に上限が設定されている訳ではなく、銀行の支店や部署ごとに融資額に上限が設定されています。
したがって、銀行の担当者は何とかして変動金利を決めようとします。特に、強調するのは住宅ローンの当初の返済額が格段に少ないことです。住宅を買う時には頭金は勿論のこと様々な経費が掛かりますので、誰もが住宅ローンの当初の返済が少ない方が有り難い訳です。また、固定金利を希望する申込者に対しては10年固定金利などを勧めて、何とか35年固定金利の割合を落とそうとします。
しかしながら、銀行の利益の反対方向に申込者である個人投資家の利益がある訳で、
その意味からは35年固定金利が最も理にかなっていると考えられます。


結局のところ、住宅ローンは金融商品である

 

ここまで述べてきました様に結局のところ、住宅ローンも金融商品であることに変わりはありません。つまり、金融商品で預金か株式のどちらを選ぶのか、或は、株式のどの銘柄を選ぶのかということと同じ様に、変動金利か固定金利のどちらを選択するかを考えなければなりません。
その意味では自分がリスクを取るよりも銀行にリスクを取らせた方が良いに決まっていますから、住宅ローンの選択は固定金利に軍配が上がると言えます。
特に、どうせ選ぶなら35年固定金利を選ぶべきと考えます。変動金利のリスクは金利が8%程度まで上昇する可能性があるのに対して、35年固定金利で考えられる唯一のリスクは35年間金利が上昇しないことだけです。
仮に、35年間に渡り金利が一度も上昇しない場合にのみ、35年固定金利の返済総額は変動金利の返済総額を上回るリスクが出てきます。しかしながら、35年固定金利の返済総額は金利が上昇しても一銭も増えることはありません。

くれぐれも、銀行マンの推奨や目先の返済額の少なさに引かれ、変動金利を選択することの無い様に注意しなければなりません。
ここ数年間の金利は大きく上昇する状況ではありませんが、東京オリンピックパラリンピックが終わり好況にピリオドが打たれると、不況・金利高のスタグフレーションに襲われるかもしれないからです。


三菱UFJ信託、新規住宅ローン撤退 18年4月 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22855390Z21C17A0MM8000/

カードローン事業の頭打ちで手数料収入に頼る銀行経営

銀行の業績に暗雲が垂れ込めてきました。
もともと、ゼロ金利政策の下で利ザヤが取れない上に、大企業は金余りで2社に1社は無借金経営です。その上、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も最近のバッシングの影響で自主規制に踏み切り、今後、実質的に総量規制と同じ程度の規制を敷くことになりました。その結果、銀行の生きる道は各種手数料収入しかなくなってきました。
そんな中で、特に、期待できるのは個人年金投資信託を販売して得られる販売手数料です。しかしながら、個人投資家の目線で考えると、この販売手数料はカードローンの金利と同じで法外の高さなのです。本項では販売手数料の高さと固定手数料の問題点を考えます。


個人年金投資信託なんて、やってはいけない…手数料で儲ける金融機関、損する顧客
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3044765


カードローン事業の頭打ちで銀行経営は冬の時代へ

 

今2018年3月期のメガバンクの業績予想は一言で言えば横這いトレンドです。
ちなみに、三菱UFJフィナンシャルGの売上は+0.3%増・純利益は+2.5%の予想ですが、三井住友フィナンシャルGの売上は+1.3%増・純利益は-10.8%、みずほフィナンシャルGの売上は+0.2%増・純利益は-8.9%となっています。
まだ、表面上は横這いトレンドを装っていますが、海外部門や証券部門の数字で何とか横這いトレンドの数字を取り繕った形です。

内実は先日の日経新聞でも報道されましたが、今後、3メガバンクは大リストラ時代を迎え3.2万人分の業務を削減するとのことです。  みずほフィナンシャルGでは今後、グループの事務は集約し、自動化する定型の事務作業も100業務に拡げる予定です。
業務量の削減目標は2021年度には8000人分・2026年度には1万9000人分に増やし、
浮いた人員は都市部の支店を中心に投入し収益力を取り戻す狙いだということです。
また、三菱UFJフィナンシャルGはグループ内の経営体制の再構築や徹底的なデジタル技術の活用による効率化を柱とした長期ビジョンを公表し、自動化で2023年度までに9500人分の業務量を削減する方針です。
同様に三井住友フィナンシャルGも2020年度までに4000人分の業務を減らす方針です。
また、同時に支店の統廃合など大規模な見直しも始める予定で、みずほ銀行は今後3年をメドに20~30店舗を統廃合する予定です。
表向き各フィナンシャルGはAIの普及やデジタル技術による効率化による合理化と説明していますが、実際には日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため、数千人単位で新卒を大量採用し全国各地の店舗に配置する従来のビジネスモデルの維持ができなくなっているのです。

つまり、従来の銀行のビジネスモデルが機能しない局面に差し掛かっているとも言え、
銀行は儲からない時代に突入しているとも言えます。
それに加えて、銀行の稼ぎ頭だったカードローン部門も自主規制に踏み切り、今後、今までの様な伸びは期待できそうにありません。そこで、考えられるのは海外部門を伸ばすことと手数料収入を伸ばすことです。


金融商品の拡販しか残された道はない

 

例えば、現在、最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行のホームページを開き「個人のお金をためる・ふやす」ページを見ますと、円預金・公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険という順でメニューが示されています。
この中で公共債・外貨預金・投資信託金融商品仲介・生命保険は銀行が販売することにより、何らかの手数料が銀行に入る仕組みになっています。
そのために、銀行側は新入行員に銀行員としての研修に加えて、有価証券を販売するための資格である証券外務員資格等を取らせます。例えば、証券外務員資格を取った行員は投資信託の販売は勿論のこと、銀行の金融商品仲介により様々な有価証券を販売して手数料を稼ぐ訳です。
一方、個人投資家の目線で見ますと、それらの手数料は非常に見え難くなっています。
例えば、前出の三菱東京UFJ銀行のホームページで投資信託のページから個別のファンドのページに入りますと、確かに手数料が掛かることは明示されていますが、一体、手数料率は何パーセントなのかはさらに発行目論見書を見ないと解らないようになっています。つまり、銀行に都合の良いことは解り易く強調されていますが、都合の悪いことは小さな字で見え難く書かれている訳です。
この様なコンセプトは銀行カードローンと全く同じコンセプトで、三菱東京UFJ銀行のカードローンである「バンクイック」の適用金利は年率1.8%~14.6%となっており、
年率1.8%を期待して申し込むと結局のところ大部分の人の適用金利が年率14%前後になるのと同じ構図ではないでしょうか。


個人投資家はこんなに高い各種手数料を払っている

 

それでは、個人投資家が払っている実際の各種手数料の料率はどのくらいなのでしょうか?例えば、投資信託の手数料には意外に知られていませんが3つの手数料があります。まず、投資信託を買ったことがある人なら誰もが知っているのが投資信託の販売手数料です。販売手数料は証券会社や銀行などの窓口やインターネットなどで購入する際にかかる手数料で、通常、ゼロ~4%程度となっています。
但し、販売手数料は外枠方式と内枠方式があることに気が付かない人も多い様で、
販売手数料3%で100万円のファンドを購入した場合、外枠方式ですと払込金額が103万円ですが内枠方式は100万円となります。
ところが、内枠方式のスタート時の基準価格は10,000円に対して9,700円からのスタートとなりますので、実質的にはどちらも同じ3%の手数料を取られていることなります。また、最近は全く手数料がゼロのノーロードの投資信託も出ていますので、しっかり見極めることが大事です。

2つ目の手数料は信託報酬で投資信託の運用会社に対する報酬を意味します。
毎日日割りで計算され少しずつ差し引かれていきますので目に見えない手数料ですが、
年間の手数料は0.2%~2%程度となっています。さすがに、この手数料は投資信託の目論見書を見なければ解りませんし、銀行の営業担当者も説明してくれることはありません。

3つ目の手数料は信託財産留保額と言う名称の手数料が、ファンドを途中で解約したり売却した際にかかる手数料です。掛からない場合も多いですが年間の手数料はゼロ~0.5%程度となっています。

この様に投資信託の手数料は合計すると非常に高率になる場合があります。
ファンドによっては3つの手数料を合計すると毎年3%程度の手数料負担になる場合があります。特に、投資信託を3年以内で解約すると手数料の負担が大きくなることになります。また、年金や保険の形を取りながら貯蓄性の高い金融商品は、実質的に投資信託と変わらない商品も少なくありません。
いずれにしても、これらの金融商品から得る手数料収入で、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社が収益を上げている訳です。
つまり、高い運用利回りを求めて個人投資家はこれらの金融商品を買う訳ですが、銀行や証券会社や生命保険会社やアセットマネジメント会社に高い手数料を払っていることを忘れない方が良いでしょう。
高い手数料を支払っても高い運用利回りが確保されるのなら理解できますが、投資信託を初めてとして年金・保険などに元本を割れる商品も少なくないことを知らなければなりません。


金融商品の手数料は成功報酬がベスト

 

上記の様に我が国の投資信託を初めてとした年金・保険などの手数料は大部分が固定手数料です。固定手数料は運用が計画以上に上手く行われた場合は個人投資家には有利な手数料体系です。例えば、投資信託で国内株式型のファンドが年率+50%の運用成績を上げたとします。このファンドの手数料が年平均で3%としますと、個人投資家は差し引き+47%の運用益を手にします。
一方で、このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合は、個人投資家は-20%の運用損失に加えて3%の手数料を支払わなければなりません。つまり、固定手数料は運用リスクを個人投資家側が負う手数料体系と言えます。

一方、成功報酬制では同様のファンドが+50%の運用成績を上げた場合、あらかじめ決められた料率で成功報酬が支払われます。例えば、運用益の20%を成功報酬と定めていた場合は、個人投資家の手取り収益は+40%になります。
このファンドが年率-20%の運用成績しか残せなかった場合の成功報酬はゼロとなりますから、個人投資家は運用損失だけを負担すればよいのです。

我が国の投資信託や年金・保険商品にこの様な成功報酬制が定着しないのは、やはり、運用サイドが常に運用益を確保する自信が無いためと考えられます。
欧米の多くのアセットマネジメント会社は完全成功報酬制の手数料体系となっています。勿論、何年かに一度は運用成績がマイナスになることもありますが、運用収益が大きく稼げる時に運用益と成功報酬を稼ぐ手法が定着しています。
我が国の銀行や証券会社・生命保険会社に於いても早くこの様な成功報酬制の手数料体系が定着すれば、初めて運用サイドと個人投資家が同じ船に乗ることになるのですが、
果たしていつ頃、実現できるのでしょうか?
いずれにしても、銀行カードローンも含めて、銀行に無駄な手数料を支払うことの無いように注意しなければなりません。


アベノミクスの裏に「銀行カードローン」、経済記者が明かす「自己破産増加」の背景
https://www.bengo4.com/c_1/n_6839/

とうとう消費者金融・銀行カードローンに対抗する第3のローンが登場した

度々、本項でも消費者金融会社や銀行カードローンの金利の異常な高さと、殆どまともな審査を行わない仕組みやシステムに対する疑問を投げかけてきましたが、とうとう消費者金融会社や銀行カードローンに対抗する第3の本格的な消費者ローンが登場しました。本項では第3の本格的な消費者ローンの仕組みと従来のカードローンとの違いを考えます。


消費者金融でもカードローンでもない「第3の貸し手」の仕組みとは
http://diamond.jp/articles/-/147736


第3の本格的な消費者ローンとは?

 

9月25日、みずほ銀行ソフトバンクが共同で株式会社J.Score(ジェイスコア)を設立し、新たな個人向け融資サービスを開始しました。
2016年11月に設立された株式会社J.Score(ジェイスコア)の資本金は50億円で、みずほ銀行ソフトバンクが50%づつ出資しています。もともと、メガバンク3行の中でも、みずほ銀行のカードローン戦略は三菱東京UFJ銀行三井住友銀行とは一線を画してきました。三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミスを傘下に収めましたが、みずほ銀行は「消費者金融会社との提携効果は期待できない」として系列に消費者金融会社を持ちません。
したがって、カードローンの保証会社も三菱東京UFJ銀行三井住友銀行アコムとプロミス系列の保証会社を採用しているのに対して、みずほ銀行のカードローン保証会社は株式会社オリエントコーポレーションです。

この様な環境下でみずほ銀行は全く新しいFinTechブランドとして、最新のテクノロジーを活用したビッグデータ・AIによる明快な審査のスコア化を行なう第3の消費者ローンを開発した訳です。そして、今後のFinTech・ビッグデータ・AIのイノべーションに備えてソフトバンクと共同で新会社を設立しました。
ソフトバンクにとってもグループ内にはネット銀行のジャパンネット銀行があるだけで、メインバンクでありメガバンクであるみずほ銀行と新しいFinTechブランドを立ち上げる意義は十分にあると言えます。つまり、今回、J.Score(ジェイスコア)は個人向け融資サービスを開始しましたが、同社は今後、個人向け融資サービス以外の新しいFinTechサービスを目指している訳です。


スコアレンディングのの審査の仕組み

 

J.Scoreジェイスコアでは新しい個人向け融資サービスをスコアレンディングと呼びます。スコアレンディングと聞くと正直イメージが湧きませんが、実質的にはカードローン商品の様な消費者ローンであることに変わりはありません。
ただ、審査のコンセプトが従来のカードローンと全く違うということで、従来のカードローンとの差別化を図るためにスコアレンディングというネーミングを採用したと考えられます。つまり、スコアレンディングの個人向け融資サービスはユーザーが年齢や学歴・年収などのいくつかの質問に答えると、ビッグデータ解析に基づいて人工知能AIが1000点満点でユーザーの信用力をスコア化する仕組みで、スコアが高いほど多くの金額を低い金利で借りられる仕組みとなっています。

まず、スコアレンディングではビッグデータとAIによって算出された1,000点を上限とするAIスコアが計算されますが、ネット経由のスコアレンディングからの具体的な質問内容は以下の通りです。
「生まれた年と月・性別・最終学歴・勤務形態・業種・職種・企業規模・勤務年数・年収・既婚未婚・子供の有無・同居家族の有無・同居家族の人数・現住所の郵便番号・住居タイプ・居住年数・住宅ローンや他の借入の有無・借入件数・借入総額」
このスコアレンディングのAIスコア算出に当たり以下の但し書きがあります。
『AIスコアは20歳以上でかつ日本国内に居住されているお客さまが利用されることを前提としています。AIスコアが提示されたときも、実際のスコアレンディングのご利用申込の際に実施する別途の審査結果によっては、 スコアレンディングをご利用頂けない場合やAIスコア提示時に示したものとは異なる極度や金利水準でのスコアレンディングのご利用となる場合があります。AIスコアは当社独自の算出方法によってご提示するものであり、他の金融機関等でお借入を受けられることなどを保証するものではありません。AIスコアはお客さまがご入力された情報やその他情報、お客さま情報の蓄積などに応じたAIスコアロジックの変化などにより変動することがあります。事後的に実施する審査によってAIスコアの提示を停止することがあります。この場合、スコアレンディングはご利用頂けません』

上記のスコアレンディングからの具体的な質問内容は、実質的には銀行や消費者金融会社でカードローン審査を受ける際の質問事項と大きな違いはありません。
つまり、従来のカードローンがそれらを担当者が人為的に処理しているのに対して、
スコアレンディングのAIスコア計算は全てAIが行うのが大きな相違点です。
しかしながら、上記に敢えて掲載した但し書きをよく読みますと、AIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まる訳ではないと書かれています。恐らく、大部分のケースではAIスコア計算で自動的に貸付利率や契約極度額が決まると考えられますが、
人為的な審査の範囲を残したと考えられます。

スコアレンディングの個人向け融資サービスの融資条件などの詳細は以下の通りです。
貸付利率(年率)0.9%~12.0%
契約極度額   10万円~1,000万円
(全てネット完結スマホ・PCのみでスピーディーに対応・スコアアップによりより良い条件でご利用の検討が可能・
さまざまな特典・キャンペーンを用意)

AIスコア    貸付利率(年率)  契約極度額
950~1000    0.9%~2.1%    10万円~1000万円
900~949     1.9%~3.7%            10万円~730万円
850~899             3.5%~5.4%            10万円~540万円
800~849             5.2%~7.0%            10万円~400万円
700~799             6.8%~9.5%            10万円~260万円
600~699             9.3%~12.0%         10万円~150万円
400~599     N/A                          N/A

スコアレンディングの申込み手順は以下の要領です。
スマホ・PCからAIスコア診断実施の後、スコアレンディングを申し込みます。
             ↓
入力された内容をもとに仮審査を行い、仮審査結果をメールにて受け取ります。
             ↓
仮審査結果を確認のうえスマホ・PCからWEBアップロードにて本人確認書類と収入証明書類を提出します。   ↓
提出した本人確認書類等を含め本審査を行い、本審査結果はメールにて受け取ります。


従来の消費者金融・銀行カードローンの審査の仕組み

 

従来の大手メガバンクカードローンの審査は最も早い場合は、最短30分の審査で即日融資も可能と大々的に宣伝されています。ネット経由で仮審査時に入力する主な項目は、名前・職業・生年月日・性別・独身・既婚・自宅電話番号・携帯電話番号・保険の種類・年収・金融機関からの借入金額などです。
また、銀行の窓口で受ける審査の印象も非常に当たり前の表面的な審査の印象で、上記の項目のチェックは同じです。これらに加えて個人信用情報機関にチェックが入りますが、過去に延滞や金融事故の履歴が無い人は直ぐに審査が終了となります。
稀に、勤務先に在籍確認の電話を掛ける場合もありますが全員ではありません。
大手銀行のカードローンの多くは保証会社にアコムとプロミスの系列会社を採用しています。したがって、実質的な審査項目は消費者金融会社と大差無いのが現実です。

また、大手消費者金融会社の審査内容も上記の銀行カードローンの審査の仕組みと同様ですが、大手消費者金融会社の審査に於いては他社借入があるか否かについてのチェックが行われています。例えば、総量規制に該当しない場合でも、他の消費者金融からの借入れが5件以上あると審査をパスすることはできない場合があります。
また、直前に他社のカードローンに何度も申し込みを繰り返している場合も審査をパスできない場合があります。


結局、スコアレンディングは何が違うのか?

 

まず、ローンの申込者に対する確認事項や質問項目の内容は、スコアレンディングの場合も従来のカードローンの場合も大差ありません。只、それを判断するのがスコアレンディングはAIが判断し、従来のカードローンの場合は人間が判断しているところが大きな違いです。また、スコアレンディングはビッグデータ・AIによる明快なスコア化を打ち出しており、個人のAIスコアが瞬時に計算され明確に個々に伝えられます。
一方、従来のカードローンの場合もクレジットポイントと称されるポイントが計算されている様ですが、クレジットポイントが個々の申込者に伝えられることはありませんし、どうして審査にパスできなかったのかも申込者は知る由もありません。
この点はスコアレンディングは一歩先に進んだと言えます。
また、スコアレンディングはAIを使った審査やネット経由のスピーディーな手続き・すべてがネットで完結するシステムと、店舗を持たないローコストなオペレーションでローン金利を低く設定できることが強調されています。
上記の適用金利一覧を見ても、AIスコアが950~1000の場合の適用金利は0.9%~2.1%となっています。

一方で果たして申込者の何割の人がAIスコアが950~1000に該当するのかは未知数です。銀行カードローンの様に最も利用が多い50万円~100万円の利用者の適用金利が、
年率14%前後と言う様なことがないとは言い切れません。
スコアレンディングもAIスコアが600~699の場合は適用金利が9.3%~12.0%となっているからです。つまり、スコアレンディングも年率12%という金利が有り得る訳で、このゾーンを利用する人が多ければ第3の本格的な消費者ローンと言ったところで大きなインパクトはありません。

J.Score(ジェイスコア)によりますと、スコアレンディングの開始から2週間ちょっとで既にアクセスは8万人で、AIスコアの判定をした人は5000人を数えたということです。また、アクセスした人の6~7割は20~30代の若い層で平均年収は高めで、スコアも高めの700~800点台を出す層がボリュームゾーンだったということです。
同社の分析では銀行カードローンよりも信用力が高い顧客層がアクセスしているイメージで、従来だったらお金を借りなかった層が借りようかと思ってくれ潜在的なニーズを掘り起こしている手応えがあるとのことです。
果たして、同社の目論見通りになるかは解りませんが、スコアレンディングの最も多い適用金利が9.3%~12.0%となることだけは避けて欲しいものです。いずれにしても、暫くスコアレンディングの動向から目を離せません。


カードローン返済延滞で困ったら確認するべき3つのポイント
https://cardloan-scoop.com/

アディーレ問題を機に弁護士のCMを考える

アディーレ法律事務所が10月11日に2ヶ月間の業務停止処分を受けて既に3週間が経過します。今回のアディーレ問題の発端は消費者庁が「景品表示法違反(有利誤認)に基づき再発防止を求める措置命令」を下したことですが、アディーレはテレビコマーシャルを使い着手金を値引きしたりするキャンペーンを1ヶ月限定と言いながら4年間も同キャンペーンを継続していました。
また、アディーレは法律事務所のテレビコマーシャルとは思えない様なテレビコマーシャルを多用し、東京弁護士会や他の事務所の反発を買うことも多かったのです。
本項では今回のアディーレ問題を機に弁護士事務所のテレビコマーシャルについて考えます。


アディーレ「手段の悪質性際立つ」と認定 東京弁護士会の懲戒委員会 処分理由の詳細判明http://www.sankei.com/smp/affairs/news/171030/afr1710300001-s1.html

「“手に職”は食いっぱぐれない」は昔の話!? 弁護士・歯科医師のウラ事情
https://ddnavi.com/review/409250/a/


弁護士事務所のテレビCMなどの広告は2000年10月に解禁された

 

最近、テレビを見ていると弁護士事務所や司法書士事務所のテレビコマーシャルが増えている様に感じますが、弁護士事務所などのテレビCMなどの広告は2000年10月に解禁され今年で17年目になります。もともと、医師や弁護士は共に高度な知識と技能を必要とする専門的職業であり公共的性格の強いサービスですから、テレビコマーシャルなどの広告は馴染まない業種と考えられてきました。
ところが、最近の規制緩和の流れはこうした分野にまで及んできており、弁護士の業務広告は2000年10月の日弁連の会則および規定の見直しによって原則自由になりました。
また、公認会計士行政書士司法書士土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士弁理士と合わせて8職種の広告が原則自由に行えるようになっています。
ただ、これらの職種は法律により業務独占が認められた事務系の専門職種ですから、資格者は資格者団体への入会が義務付けられており団体で様々な自主規制を課しています。

今回の東京弁護士会によるアディーレ法律事務所の業務停止処分も、一般の業会団体では考えられない様な厳しい処分ですが弁護士会にはその様な権限が与えられているのです。ちなみに、現在、弁護士会が課している弁護士広告の規制内容は、各事務所の得意分野の紹介や料金も弁護士会があらかじめ決めた報酬規定の範囲内で示すことができますが、勝訴率の掲示や他の弁護士との比較・訪問や電話による勧誘は禁止され違反者には制裁があります。
また、以下の事項が禁止されています。
事実に合致していない広告
誤導又は誤認のおそれのある広告
誇大又は過度な期待を抱かせる広告
法令又は日本弁護士連合会もしくは所属弁護士会の会則及び会規に違反する広告
弁護士の品位又は信用を損なうおそれのある広告
さらに、原則として表示できない広告事項は以下の通りです。
訴訟の勝訴率
顧問先又は依頼者名
受任中の事件
過去に取り扱い又は関与した事件


弁護士広告解禁の背景

 

世の中の規制緩和の流れの中で弁護士事務所の広告は2000年10月に解禁され訳ですが、
弁護士広告解禁の最も考えられる理由は弁護士数が増えている現実です。司法試験制度は2006年から2011年までの制度移行期を経て、現在は新司法試験制度が定着しています。
司法試験制度改革にはいくつかの目的がありましたが、最大のポイントは弁護士数を増やすということでした。欧米諸国に比べて人口当たりの弁護士数は明らかに少なく、
今後、米国流の訴訟社会を迎えるに当たり弁護士数を増やす必要があった訳です。
制度改革より司法試験の合格者数は2006年度の1,009人から2012年度には2,102人に倍増し、 直近の2016年度は1,583人と制度改革前の1.5倍から2倍の水準を維持しています。

したがって、我が国に於いても依頼者が弁護士を選ぶ時代が到来しており、それらの動きが背景となって弁護士広告が解禁されたと考えられます。つまり、依頼者から見ると専門性の高い腕利き弁護士に依頼したいという心理は当然のことですから、選ぶ材料としてネットのWEBサイトやテレビコマーシャルの存在意義があると言えます。
つまり、売れっ子の腕利き弁護士は高い報酬を得ていますが、一方で難関の司法試験を突破したにもかかわらず就職先が見つからず独立開業しても年収100万円を切ってしまう様な弁護士も増えています。したがって、玉石混交の弁護士の中から、ネットのWEBサイトやテレビコマーシャルなどから最適な弁護士を見つけなければなりません。

また、弁護士報酬も規制緩和で自由化されており、以前は全面勝訴でも依頼者の得た利益の約24%以内と決められていました。現在は規制がなくなり自由化されていますので、依頼者の取り分の半分を要求する弁護士も出て来ています。
つまり、医者にヤブ医者がいる様に弁護士にも使い物にならない弁護士も増えていますので、依頼者側も弁護士の名刺だけを鵜呑みにしない選択眼が求められます。


アディーレ依頼者の争奪戦は既に終盤戦へ

 

その意味でアディーレ法律事務所は旧来の弁護士会や弁護士制度に風穴を開け様としてきたと言えますが、出る杭は打たれるのが我が国の現状で打たれて終わるのか、或は、カムバックできるのか注目したいところです。
現在、アディーレ法律事務所が10月11日に2ヶ月間の業務停止処分を受けて既に3週間が経過しますが、アディーレの業務停止を絶好のチャンスと受け止める弁護士事務所も少なくありません。
弁護士事務所大競争時代を迎えアディーレ依頼者の争奪戦は既に終盤戦との見方も出ています。アディーレの依頼者はアディーレ法律事務所の2ヶ月間の業務停止により、
一度はアディーレとの契約を白紙に戻さなければなりません。
アディーレはもう懲り懲りという依頼者も少なくありませんが、いずれにしてもアディーレとの契約を白紙に戻した後に、新たな弁護士かアディーレの弁護士との個人契約を結ぶ必要が出てきます。
そこで、現在、アディーレの業務停止を絶好のチャンスと受け止める弁護士事務所が多数現れており、ネットのWEBサイトにその旨を記した弁護士事務所も多く見られます。
アディーレに債務整理手続を依頼した人達は本当に気の毒ですが、次に良い弁護士事務所を選ばれることをお祈りします。


アディーレ法律事務所、契約解除手続きをネットで公表 問い合わせ殺到、混乱収まらず
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/171019/cpb1710191948004-n1.htm

債務整理依頼者を置き去りにした東京弁護士会の対応

一連のアディーレ法律事務所の業務停止問題で一番の被害を受けているのは、まぎれもなくアディーレに債務整理手続を頼んだ3万人とも5万人とも言われる依頼者達です。
アディーレが業務停止になったのは10月11日からですが、半月以上も経過した現在も混乱が続いています。現在の状況と今後の対応について考えます。


アディーレ業務停止で東京弁護士会が依頼人置き去りのずさん対応
https://www.oricon.co.jp/article/328994/


業務停止後のアディーレ法律事務所の対応

 

アディーレは業務停止になった10月11日から、同事務所と委任契約を結んでいる依頼者に対して今後の対応に関する書面を発送中です。ただ、アディーレは依頼者やメディアに対する電話やメール対応を一切シャットアウトしてきました。
そればかりか、アディーレのホームページが削除されただけではなく、池袋のサンシャインビルにある事務所も閉鎖されています。
つまり、アディーレの依頼者から見るとアディーレからの書面を待つしか連絡の手段は無い訳で、自分から電話を掛けることさえできない蛇の生殺し状態なのです。
特に、債務整理手続をこれから開始する筈の依頼者で、費用を前払いした依頼者は気が気では無い筈です。なけなしのお金で費用を払いやっと債務整理ができるかと期待しているところに、想定外の法律事務所の業務停止に遭遇した訳ですから。
今回、アディーレが業務停止になってから1週間を経過しても何の連絡も貰えなかった依頼者に対して、やっと、10月19日にアディーレのホームページにお詫びと契約解除の案内が掲載されました。
弁護士会からの業務停止処分についてのお詫びと契約解除の状況に関してのご案内」https://www.adire.jp/


10月19日にアディーレが出したお詫びと契約解除の案内要旨

 

アディーレは今回の「弁護士会からの業務停止処分についてのお詫びと契約解除の状況に関してのご案内」の中で、業務停止処分を受けた日より本日までWebサイトや電話など一切の案内をすることができなかったことを詫びています。また、今回、東京弁護士会よりの依頼で業務停止後の事務処理状況をWebサイトに掲載したということです。
以下、アディーレが出したお詫びと契約解除の案内要旨です。

①書類送付について
現在、委任契約解除のための書面を送付している状況で、10月19日の時点で手元に届いていないという方は連絡して欲しいとのことです。
②電話について
現在、電話回線を増設の上、可能な限り速やかに、現在の電話がつながらない状況を解消したいとのことです。
また、書面にアディーレから電話があるとの記載があった方は暫くお待ちくださいとのことです。
③アディーレに支払った着手金について
アディーレに支払った着手金については案件に関する手続きの進行度合いに応じて精算するとのことで、
委任した事件や案件の進行度合いにより異なるとのことです。
④今後の対応について
A自身で対応する方法
B新たに他の弁護士を委任する方法
Cアディーレ所属弁護士を個人として委任する方法
依頼者の今後の対応については上記のA~Cから選ぶことができます。
その場合、BとCの場合はアディーレに預けた資料や預り金は、アディーレから次の弁護士に引き継いでくれるとのことです。したがって、その旨をアディーレ側に知らせる必要があります。また、業務停止期間後に再びアディーレに依頼することはできますが、現在の契約を維持して業務停止期間の終了を待つことはできません。
また、既に裁判所で審理が進んでいるケースについては、既にアディーレが業務停止となったことは各裁判所に通知されており、直近に設定されていた期日については休止・延期等となっています。したがって、Aの自身で対応する場合は各裁判所に確認する必要がありますが、BとCの場合は新しい弁護士が確認してくれます。


アディーレの依頼者が今後、取りうる行動は状況により異なる

 

①着手金について
今回、アディーレは「返還する着手金は合計数十億円に上るが時間はかかっても確実に返金する」と明言しています。したがって、大部分の着手金は返還されると思われますが、今回、アディーレは「案件の進行度合に応じて精算させていただきます」と述べています。つまり、返還はするが全額返還するとは言っていません。したがって、個々の細部を詰めなければなりません。

②過払い金返還などで既に合意して支払いを待つのみだったケース
現在、アディーレの業務停止処分に伴いアディーレの口座に振込ができなくなっています。したがって、自身もしくは新たに選任する弁護士により相手方に連絡をし、振込先の指定口座を変更しなければなりません。

③時効が近い依頼者
時効成立までに訴訟提起等、適切な措置を取る必要がありますので、時効が近い依頼者は早めに弁護士に相談する必要があります。

④任意整理などの和解未了の場合
アディーレの辞任により債務者本人に金融業者側から連絡が来る可能性があります。
したがって、新たに委任した弁護士より受任通知を送付することで交渉窓口を債務者から弁護士に変更することができますので、新たな弁護士の選任を急ぐ必要があります。

⑤任意整理で返済中の場合
和解済で約定の分割支払いを継続中の場合は、合意した条件に従い弁済を行う限り債務者自身に連絡が来ることはありません。別途、アディーレが案内する書面に従い支払いを継続する必要があります。 また、任意整理で和解が成立し毎月アディーレに任意整理原資を入金していた場合は、アディーレより債権者ごとの振込先と入金額を記載した書面を送付するとのことですので、自身で振り込む場合にはそちらに振込むことが必要になります。アディーレから債権者への支払期限は毎月末日となっており、2回分の支払いを遅延した場合は残金を一括請求される恐れがあります。
したがって、和解成立時の合意書の内容を再度確認し遅れのないように支払う必要があります。


東京弁護士会の対応にも問題点が山積

 

もともと、今回のアディーレ問題で第一義的な責任があるのは、言うまでも無くアディーレ法律事務所です。アディーレがホームページに出していた広告が改正前不当景品類及び不当表示防止法に違反していたと消費者庁が判断し、この広告を消費者に誤解を与える有利誤認表示だと断定したからです。
アディーレは1カ月間限定の着手金無料キャンペーンを実際には数年にわたって行っていたからです。この様な期間限定のキャンペーンを実際にはずっと継続して行う戦略は、一般的にはよく行なわれています。街でよく見かける「閉店セール」という看板がありますが、何割かの店は「閉店セール」をずっと継続しています。
また、消費者金融会社が1ヶ月限定の無利息キャンペーンを長く継続している例もありました。
しかしながら、この様な問題含みのキャンペーンを法律事務所が行ったのは初めてで、
消費者庁が有利誤認表示だと断定し東京弁護士会が「弁護士法人として品位を失うべき非行」だとして、業務停止処分を下したのは理解できます。

ところが、3万人とも5万人とも言われるアディーレの依頼者に対して、東京弁護士会の対応が甘かったことは間違いありません。法律事務所を業務停止にすれば委任契約は解約され着手金の一部が返還されることを東京弁護士会は百も承知していた筈ですが、
東京弁護士会は十分に対応策を用意しないまま業務停止処分を下しました。
一応、東京弁護士会は電話相談窓口を開設しましたが、問い合わせ用電話番号を一つ開設しただけで対応要員もわずか10人程度という有様でした。
処分翌日だけでも約3万4000件の電話が鳴ったということで、事態を呑み込めないアディーレの依頼者は東京弁護士会の電話相談窓口に殺到しました。
借金の返済に窮してアディーレ法律事務所に相談した依頼者が、困り果てて何度も電話相談窓口に電話する姿が想像されます。

この様な事態をどうして東京弁護士会は予想できなかったのでしょうか?
また、予想しようとしなかったのでしょうか?
これでは、もともと、新興の法律事務所だったアディーレ法律事務所を、東京弁護士会が潰しに掛かったと見られても仕方がありません。アディーレの石丸元代表弁護士は東京弁護士会の会長選挙に立候補するなど、守旧派の弁護士達から見ると目の上のたん瘤だった筈です。
確かに、アディーレは少しやり過ぎたかもしれませんが、一方で依頼者を待っているだけで仕事が取れた旧来の弁護士事務所のビジネススタイルに対して、アディーレが風穴を開けたことは間違いありません。また、弁護士事務所の無い地域にアディーレが多くの支所を開設し、特に、地方の依頼者の利便性に貢献したことも間違いのないことです。したがって、今回の問題で東京弁護士会は気に入らない新興勢力を潰すだけに終わることなく、アディーレ法律事務所の良い点からは学ぶ姿勢が求められます。


アディーレ業務停止処分・他の事務所の弁護士から疑問も
http://news.livedoor.com/article/detail/13777830/

あなたは貯蓄派?それともカードローン派?

ある大手企業の同期入社社員のその後を調べると興味深い結果が待っています。
殆ど同じレベルの給料を貰っていても10年~20年経つ内に貯蓄が増える人がいれば、
一方でカードローンが増える人もいるからです。
つまり、長い年月を経る間に貯蓄ができる人とカードローンが増える人に分かれ、
その割合は貯蓄ができる人が75%でカードローンが増える人は25%程度でした。
それでは、どんなタイプの夫婦が貯蓄派になり、どんなタイプの夫婦がカードローン派になるのでしょうか?考えられる傾向を追ってみました。


貯金が多いのは「夫」が家計を管理する家庭と判明!
アンケートからわかった、貯められる夫婦の特徴や
貯め方のコツ、30~40代の夫婦の平均貯蓄額を公開!
http://diamond.jp/articles/-/146542


貯蓄派に見られる傾向

 

楽天市場が2017年に実施した「夫婦400人に聞いた2017年『夫婦のお財布調査』」によりますと、「家計の管理役ごとの世帯の平均貯蓄状況」を集計していますが、
「妻管理」家庭の貯金が平均792.1万円だったのに対し「夫管理」家庭の貯蓄は平均985.3万円と約200万円も高いということです。
つまり、「夫管理」で「お金を増やす仕組みをつくる」「目先の出費を節約する」という視点を持つことと、自分の収入のランクに見合った生活ではなくそこからさらに2ランクくらい低い水準で生活することが貯蓄の秘訣の様です。
意外だったのは夫婦で相談してお金を管理している世帯の貯蓄が伸びていなかったことです。また、全世帯の平均貯蓄額は848.79万円ですが、4人に1人は1,000万円以上の貯蓄を持っていますが、一方で4人に1人の貯蓄額は100万円以下で10人に1人は50万円以下という調査結果が出ています。


カードローン派に多い傾向

 

この4人に1人の貯蓄額は100万円以下で10人に1人は50万円以下ということですが、
この貯蓄額は100万円以下の世帯の中にカードローン残高が多い世帯が紛れ込んでいると考えられます。特に、10人に1人の50万円以下の世帯は夫がカードローンを抱えていても不思議はありません。また、10人に1人という割合は約1,000万人前後と言われるカードローン利用者総数とも一致します。
さすがに、世帯の貯蓄が1,000万円前後ある世帯ではカードローンが有るとは考えられず、貯蓄額が100万円以下の世帯の中の何世帯に1件かがカードローンを増やしている世帯と考えられます。
ただ、世帯年収が1000万円超えの家庭に於いても「わが家は平均年収より収入が高い」ということで、油断して浪費をしがちで年月を経てカードローン派に転落する可能性も無きにしも非ずです。一度上げた生活水準を下げるのは容易なことではなく、足りない部分を一時的にカードローンに頼るうちにカードローンにはまるということも多いのです。


貯金派でもカードローンを持っている

 

ある銀行のカードローン窓口の担当者に言わせますと銀行カードローンを作る典型的な人のパターンは、大企業勤務で妻と子供がいる3人~4人家族で夫が妻に内緒でカードローンを作ると言うパターンだそうです。つまり、マイホーム(住宅ローンあり)・マイカーを持ち貯金もありますが、夫の財布の中身はカラでカードローンに頼る生活と言うことです。
ちなみに、銀行カードローンの審査で最も審査ポイントであるクレジットポイントが高い人は、公務員の妻と子供がいる3人~4人家族で夫が妻に内緒でカードローンを作ると言うパターンだそうです。
したがって、大企業勤務のビジネスマンも公務員もマイホーム(住宅ローンあり)・マイカーを持ち貯金もありますが、夫の財布の中身はスッカラカンでカードローンに頼る毎日で貯金派でもカードローンを持っているのです。

この様な夫のカードローンを妻が食い止めるには、抜き打ちで夫の財布の中身を検査することです。財布の中に銀行カードローンや消費者金融会社カードローンの明細が出て来るかもしれません。また、給料日以外に急にキャッシュが増えている場合も怪しいのです。多重債務や破産という恐怖はゆっくりとやってきますが、そこに陥ると抜け出すのは大変です。したがって、日々の努力と注意が必要なのです。


お金を借りる方法17種類を徹底比較!状況別に最適なお金を借りる方法をご紹介
http://www.kidwithoutradio.com/no-money/okanewokariru/

ベーシックインカムが普及すれば自己破産者はいなくなるかもしれない

当ブログ9月30日の「今後10年で高齢者間の格差拡大が進み3割は生活困窮者へ」(http://diary.債務整理評判.xyz/entry/2017/09/30/125016)に於いて、
高齢者の貧困や破産対策としてベーシックインカムが一つの選択肢になることを指摘しましたが、今回の衆議院選挙で希望の党が公約にベーシックインカムを入れたことでベーシックインカムに対する議論が増えてきました。
すでに、アメリカやスイスなど海外に於いては議論から検証の段階に進んだ国もあり、
今後の高齢者の貧困や破産対策・先進国の新たな社会保障の考え方として一石を投じそうです。


27歳の最年少市長が主導、市レベルで初となるベーシック・インカムの導入実験
https://www.businessinsider.jp/post-106148


そもそも、ベーシックインカムとは?

 

そもそも、ベーシックインカムとは「全ての人に生活に最低限必要なお金を無条件に支給する制度」を意味します。つまり、現在、先進国を中心に世界的な議論を呼び起こしている新しい社会保障制度がベーシックインカムで、特に、北欧やスイスなど社会保障が充実した国で、ベーシックインカムに対する興味が高まっていることが大きな特徴です。
現在、我が国の社会保障制度は年金・医療・介護などを中心に様々な福祉メニューが用意されています。また、子育て支援生活保護に加えて様々な税金の控除もあります。
つまり、良く言えば豊富なメニューが用意されている訳ですが、複雑過ぎて必要な人に恩恵が届いていない側面も目立ちます。その意味でベーシックインカムの様なシンプルで公平・公正でコストの掛からない制度が注目されています。

また、背景としては現在の社会保障制度の限界や矛盾が高まっていることが上げられます。近年、富が大企業や一部の富裕層に集まり格差が拡大する傾向が強まっていることも背景になっています。さらに、近い将来、人工知能AIをはじめとするテクノロジーが進化し、人の仕事が機械に置き換えられることで失業者が急増するという予測もベーシックインカム導入を後押ししています。
その結果、スイスでは否決されましたが国民投票で「生活に最低限必要なお金を支給するベーシックインカムの導入」の是非を問うところまで進み、フィンランドや米国でベーシックインカムの大規模な実証実験が行われています。ただ、我が国に於いてはベーシックインカムが大きな話題となったのは、今回の希望の党の選挙公約に持ち込まれてからが初めてです。


日本でベーシックインカムを実現できるのか?

 

正直言って、スイスやフィンランドの様な小さな先進国では、政策転換で直ぐにベーシックインカムを実現できるかもしれません。しかしながら、日本や米国の様に人口が多い大国では、現実的に社会保障政策を転換しベーシックインカムを実現するには、相当な時間的準備と努力が必要になります。

今回の希望の党(代表・小池百合子東京都知事)の衆院選の公約を見てみますと、国民に月額5万円程度のベーシックインカム給付を提唱しています。
多くの人は「月額5万円で何ができるか?」と思われるかもしれませんが、家族4人の家庭では月額20万円になりますし家族6人は30万円になる訳です。
そして、現時点で社会保障給付費(医療費を除く)を全てベーシックインカムに振り替えるとすると、国民の新たな負担増はなく1人の国民に月額5万円程度のベーシックインカム給付がすでに可能だということです。2015年度の社会保障給付費114兆8596億円のうち医療費37兆7109億円を除いた77兆1489億円を、2016年の人口(1億2675万人)で割ると年間60万8670円で月額5万722円になります。

また、NHKによりますと月額10万円のベーシックインカムを実現するには約100兆円の財源が必要とのことですが、半分を社会保障費で賄えるとすれば残りは各種控除の廃止と増税で賄うことになります。
いずれにしても、月額10万円のベーシックインカムで生活が安定する人もいれば、
高額の年金や手当を貰っている人や各種控除が多い人は手取り収入が減ることになり国民的な議論が必要です。一方でベーシックインカムには大きなメリットもあります。


ベーシックインカムのメリット

 

メリットの1つ目はベーシックインカムで一定の所得を無条件で保障することにより、
すべての国民が最低限以上の生活を送れるようになり究極の貧困対策と考えることができます。そして、生活保護と違いベーシックインカムを貰いながら更なる収入を目指す人は、働くこともできますので新たな労働意欲に繋がり易いと言えます。

メリットの2つ目はベーシックインカムは世帯ではなく個人を単位として給付されますから、子供を増やすことは世帯単位での所得増加につながるため少子化対策にもなります。メリットの3つ目はベーシックインカムの導入で社会保障制度が簡素化されますから、膨大な役所の窓口の人員やシステム費用などの行政コストの削減につながります。
一説によりますと現在の公務員の半分は自分たちの権益を守るための仕事をしていると言われます。したがって、ベーシックインカムの導入で公務員数を半分に削減できるかもしれません。

また、現在の複雑な社会保障制度は専門家しか理解できない様な仕組みになっていますが、シンプルなベーシックインカム導入で役人のし意的な判断や、交渉や制度の利用の得手・不得手などによる弊害を避けることができます。
さらに、上記のメリットにより消費が増え景気回復につながることもベーシックインカムのメリットと考えられ、それらにより余暇の充実も期待できるのです。
ただ、上記の様にベーシックインカムに多くのメリットが期待できる反面、使い方を誤ると障害者など弱者を切り捨てる「自己責任社会」を再強化しかねない懸念も残ります。したがって、別建てでそれらの弱者対策を構築しなければなりません。


米国ではベーシックインカムの議論が進んでいる

 

今年に入り米国ではベーシックインカムの議論が進んできました。
特に、シリコンバレーの著名人が続々とベーシックインカム支持を表明し始めており、
テスラCEOのイーロン・マスク氏やFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏などがベーシックインカム支持を表明しています。彼らにとってはテクノロジーの進化で人々が仕事を失ってもベーシックインカムがあれば生活に困らない訳で、テクノロジーの進化とベーシックインカムは相互補完関係にあると言えます。

また、ヒラリー・クリントン氏が大統領選を振り返った著書「What Happened」を出版した後、ニュースサイトVoxに対して大統領選挙に向けて自分なりにベーシックインカムを検討していたと述べました。その際、住民に年1000ドルを支給するアラスカ永久基金(Permanent Fund Dividend)を参考にしたということで、アラスカ永久基金は同州の財政を支える鉱物資源が枯渇した際に備えて設立された制度で、石油から得た収益の一部が住民に給付されておりベーシックインカムと類似点があります。

また、カリフォルニア州ストックトン市は、アメリカで初めて市レベルでのユニバーサル・ベーシックインカムの実験を行う予定です。ストックトンの市長マイケル・タブス氏は市を長年にわたって悩ませてきた貧困問題の打開策として、ベーシックインカムに期待を寄せています。
ストックトン市は2018年8月までに市民31万5000人のうちの一部(人数は非公表)を対象に、ベーシックインカムの実験として月500ドルもしくは年間6000ドルを無条件で支給する実験を最長で3年間継続する予定です。この様に米国のベーシックインカムに対する考え方は、一歩も二歩も先を行っています。


ベーシックインカムで自己破産者は減るのか?

 

ここまで述べてきた様にベーシックインカムには、これまでの制度には無い大きなメリットがあることは確かです。特に、最近の先進国経済は市場経済や資本主義経済の限界とも言える症状に悩まされています。
例えば、持つ者と持たざる者の格差の拡大、
富裕層や大企業への富の集中、
好景気なのに消費が伸びない、
好景気なのに金利が上昇しないなどです。
そのしわ寄せが弱者である母子家庭や若者や高齢者に及んでいます。

また、特に、日本では社会保障制度のシステムが複雑すぎて一般の国民が理解できない制度になり、一部の専門家や役所の担当者しか解らないシステムが出来上がっています。その結果、制度を維持するためのシステムとコストが増大し肥大化している訳です。その意味では1つの考え方としてベーシックインカムという考え方もアリだと思います。
ベーシックインカムは国民の最低限度の生活を保障するため国民一人一人に現金を給付するという政策構想で、国民一人一人に同額の現金を一生、給付することができます。
つまり、ベーシックインカムは非常にシンプルかつ平等で解り易い制度で所得制限などの受給要件がないため、誰もがベーシックインカムを理解しベーシックインカムで生活設計を立てることが可能です。また、働きたい人は働けば働くほど所得が増えるというメリットもあります。

現在の我が国の福祉政策や社会保障政策は一定の成果を上げていることは間違いありませんが、何しろ1億2千万人以上を対象にした大掛かりな制度です。
したがって、制度になじまない人や制度のセイフティーネットから洩れる人も少なくありません。特に、福祉などでサポートすべき弱い立場の人達が、恩恵を受けていないケースも多く見受けられます。
その意味でベーシックインカムは非常にシンプルかつ平等な制度で、声の大きい人も何も言わない人も平等に何もしなくとも同じ金額が支給されます。
つまり、現在、公務員などの様に税金で食べている人や、天下り官僚などの様に税金その物を食い物にしている人達に流れているお金が、ベーシックインカムではあまねく全ての人に行き渡ることが期待できます。その結果、マクロ的に考えるとベーシックインカムが普及すれば自己破産者が減るという構図も考えられるのです。


アベノミクスの裏に「銀行カードローン」、経済記者が明かす「自己破産増加」の背景
https://www.bengo4.com/c_1/n_6839/